密室から転落死した大学講師の傍らには、魔鏡と目される青銅製の古い鏡が落ちていた。真相の見当がつかない警視庁捜査課は、若き刑事楠見を「あの男」の元に送り込む。天道任が怪事件を解く「白死館殺人事件」前日譚。
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裏NovelJam2025作品第一号。
まるでウルトラ作戦第一号を思わせる書き出しだが、これを三日間で一気に書いた胆力に敬服します。この著者は最近は探偵小説と冒険小説とやきう小説にしか目が無いと言っているので(何故なら私がこの著者の編集担当となって著者のレトロサブカルチュラルな知識に存分に振り回されたばかりなので、否、逆か)、正にこの小説は放っておいても安定した小林猫太探偵小説が量産される証を表している。尚、個人的にはこの小説に出てくる探偵だが、著者は本陣殺人事件に登場した中尾彬をイメージしているそうだが、私は諸星大二郎の妖怪ハンターの稗田礼二郎を想起する時がある。チャラい稗田礼二郎って感じかな。この執筆ペースでどんどん量産して欲しい。以上。