永吉は胸を高鳴らせ、東京のレコード会社の玄関に立っていた。手には自作曲「アイ・ラヴ・ユー、OK」の録音テープ。ビートルズのレコードを世に送り出した東芝EMIなら、自分の夢を理解してくれる──そう信じていたのだ。
扉の向こうでは、デスクの上に積まれた書類の山と、無関心な面持ちの社員たちが彼を待っていた。テープを差し出すと、冷たい一言が返ってきた。
「いいけど、日本じゃウケないみたいよ、これ」
「売れない」
胸の中に湧き上がる希望が、静かに崩れていく音が聞こえた。言葉は簡単だった。けれど、永吉の胸の奥にあった情熱も、簡単には消えなかった。
本を入手していないとコメントは書けません。
電子版 329円
電子版 222円
電子版 222円
電子版 329円
電子版 288円
電子版 228円
電子版 228円
電子版 無料