寝台列車を復活させるべきだ、と主張する本ではない。
本書が問うのは、
「速さ」を唯一の価値とする社会設計が、本当に持続可能かという問題である。
新幹線と航空が高度に発達した現代において、
夜行列車は過去の遺物と見なされがちだ。
しかし本書は、寝台列車を単なるロマンや観光資源としてではなく、
輸送冗長性
災害時の波動対応
国家の抗堪性
時間の再設計
という視点から再評価する。
なぜ寝台列車は消えたのか。
それは本当に経済合理性の問題だったのか。
そして、もし再設計するとしたら、どのような現実解がありうるのか。
本書は、鉄道趣味の本ではない。
速度と効率に最適化された社会に対し、
「速さを疑う勇気」を静かに提案する、インフラ思想の記録である。
『来るべき寝台列車』目次
第1章:寝台列車はなぜ消えたのか
来るべき寝台列車の復権
情緒では勝てない:資本回転率
第2章:現実解としての再設計
E657系改造夜行という現実解
思想実験としての寝台新幹線
第3章:抗堪性という視点
鉄道貨物を国家の兵站基盤として再構築せよ
災害対応インフラとしての鉄道
波動用車両としての寝台列車
輸送冗長性こそ国家の抗堪性である
第4章:文化と誤解
拗らせた鉄道趣味言説
残そうとする人たちを、誰が笑っていいのか
「ダサい」では何も残らない
終章:速さを疑う勇気
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