昭和の長崎――。大学進学を機に故郷を離れた弘明は、野母の海で一人の女性と出会う。年上の倫子との出会いは、まだ何者でもなかった青年を、恋と別れ、友情、そして社会へと導いていく。
学生運動の余燼、夜の街、キャバレーの灯――。青春のただ中を生きながら、弘明はやがて、長崎という街が背負う過去の記憶と向き合うことになる。
そして海には、季節が来ればアゴ(飛魚)が飛ぶ。海面を離れ、懸命に翼を広げ、それでも再び海へ還ってゆく魚たち。人は何のために生き、どこへ向かうのか。
昭和という時代を背景に、一人の青年の青春と、長崎に刻まれた記憶、そして「生きること」を描いた物語。
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