2023年12月17日更新
著者名変更
…………………………
2016年6月30日更新
表紙を変更しました。一部形の改定をしました。作品そのものには変更ありません。
…………………………
いつでも何処にでも扉があることを思い出すための、扉の詩集。
本を入手していないとコメントは書けません。
ひとつひとつが普遍的な大きな器に入ってるような詩集。
ことばが、ことばたちが、ありありと広がり、
見えないものが語りかけてくる。
自然の声が聞こえてくる。
その声に耳を傾けていると、
自分自身が自然や気配の一部になったような気になる。
まさに扉のような詩集。
『蝶の羽音』に
“言葉は部屋に溶けて はらり 蝶になる”
という一節がある。
詩集のことばたちも、いつの世でも変わらない大きな部屋に溶けて
ことばが詩から離れ、人から離れ、誰のものでもなくなり、還っていく。
そこはとても大きな流れの中なので、いまの自分が窮屈だと感じたら、
何度でも触れたくなる、そんな詩々(うたうた)です。
ひたすら透明で、常に現時点にいる人の、だからこそたしかな足取り。
実際より大きくもなく、小さくもなく、しかしそんなふうに自分を描ける人はあまりいない。
そうして、他の存在のことも、実物より大きくも小さくもなく受け取る。
何かを、変えて描いたりしない。
ただ、世界を在るがままに見ている。
陳腐な表現だけれど本当に行っている人は少ない、そういうことを、声高なアクションではなくただ日々の暮らしとして、そして言葉として生きている。
そうして、ほんのすこしだけ、あたらしい感情、あたらしい見方をすっとさしだす。
それは願望ではなく、けれども希望の詩(うた)。
なぜなら世界は希望だから。
こういう世界観をもった人が、こういう言葉のすべをももって、詩をなしえたことに感謝します。