ある聖金曜日、ブラジル南部の州都ポルト・アレグレのランドマークたる高層ビルの一三階から、一人の若い女性が投身自殺をした。現場に立ち会い、身投げを目撃した社会階級、職業、性別を別とする七人の面々。その悲劇的出来事が彼らの人生にいかなる影響を及ぼすのだろうか?
「この世界に誰一人として不要な人間など存在しない」
そうした作家の人間愛に満ち溢れる言葉の具現化たる本作品。七人の目撃者はもちろん、作中に登場する人物は全てが主人公である点も見逃せない。作品の舞台こそ、二〇世紀初頭のブラジルだが、一読すれば、時代、国籍、人種が異なろうとも、人間の持つ本質部分に何ら変わりがないことに気づかされるだろう。つまり読者一人一人もまた、本作品の登場人物且つ主人公なのだ。
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