五百両の銀子で、私はその男に買われた。
当代随一の才子と謳われ、誰もが温潤な君子だと信じて疑わぬ男――
だが私は知っている。
その麗しい仮面の下に、実の父さえ手に掛けるほど冷酷な本性が潜んでいることを。
没落し、行き場を失った私は彼のもとへ売られた。
「いつか、あの手で私も殺されるのではないか……」
怯えながら過ごす眠れぬ夜。
しかし彼は、私の予想に反して血塗られた道を進み続ける。
私の前に立ちはだかる者があれば、神を屠り、仏を殺してでも――
その手を決して離さなかった。
恐怖から始まった縁は、やがて私を最高位の座へ押し上げる。
皇后へ。
「泣くな。お前の足元に転がる死体は、すべて私が片付けてやろう」
絶望の底で買われた少女と、冷徹な才子。
血と執着が織りなす、中華宮廷ロマンス。
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