純子「私、もう、死なないから」
実留「最後まで生き切ったじゃない。褒めてあげてよ」
この二人の言葉が、筆者から、心の病と戦う人々へのメッセージです。
渡辺淳一氏の『阿寒に果つ』を読んだ筆者は、実在の少女・加清純子さんをエンターテインメントの主人公にしてよかったのかと、疑問を持ちました。
昭和27年、雪原に消えた純子は、文学サークルではなく、美術部の女生徒として、平成から令和へと続く時代に再び蘇っています。
大震災による津波の被害に心を打たれた純子は、その衝動を作品にすることこそ芸術家の使命なのだと思い立ち、被災地に入る方法として「学生ボランティア」に参加する決意をします。純子を支え続けた『フレンズ募金』の仲間たち、純子が被災地で出会った運命の人、そんな人々と純子が織りなす物語です。
また本作には、現代の美術部の生徒さんたちへのメッセージとして、画家としての姿勢や絵画芸術についてだけでなく、絵の具や制作についても、管見を織り込みました。
本を入手していないとコメントは書けません。