医療は、人を救う。だが同時に、人を傷つけてもいる。
WHOは、医療を受けた患者のおよそ10人に1人が何らかの医療被害を受け、その半分以上は防げたはずだと推計している。薬害、医療事故、過剰診断、そして戦時下の人体実験――「医原病」とは、医学が人類を救う力を手にしたのと同時に背負った、もうひとつの影である。
本書は、麻酔・消毒技術の発展から現代の巨大製薬産業まで医学史をたどり、満州・ナチス・アメリカで行われた人体実験の記録、タスキギー梅毒研究やCIA「MKULTRA」計画といった政府自身が後に認めた事件、そして新型コロナウイルスの起源をめぐるWHO・中国・アメリカの情報公開の実態までを、公的資料と統計にもとづいて追う。「都市伝説」「陰謀論」と片づけられてきた話の中に、実際に検証できる事実はどれだけあるのか――著者は断定を急がず、確認できる事実と、証拠が不十分な推測とを区別しながら、読者自身に判断を委ねる。
薬は誰のためにあるのか。医療事故が起きたとき、責任を負うのは誰か。そして、自分の命を、私たちはどこまで他人に預けるのか。医療を疑うことは、医療を壊すことではない。信じるからこそ検証する――そんな一冊。
※本書は医学的な診断・治療を目的としたものではありません。治療中の方、薬の使用や中止を検討されている方は、自己判断の前に必ず医療機関にご相談ください。
※本文文字数:約217,000字
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