高齢化が進んでいる日本では、経口摂取が出来ない高齢者が増えている。そのような場合、胃瘻によって栄養が与えられる。つまり、胃瘻は日本人にとって最も身近な治療と言っても過言ではない。現在では、局所麻酔で、30分ほどで簡単に行われている胃瘻造設は、19世紀に開腹手術で開始され、初めて成功するまで多くの失敗を重ねた。その後、現在の内視鏡的胃瘻が導かれるまで、多くの研究が行われた。本書では、手術胃瘻の開発から現在の内視鏡的胃瘻までの研究の歴史を詳細に記した。本書は胃瘻の歴史を記したものであるが、医療技術がどのように進化するのかを知ることが出来るとともに、さらに進化する方向を教えてくれるに違いない。
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胃瘻の開発や改良の歴史、なぜその手技が必要とされ、何のために行われるようになったのか非常に詳細なエピソードがわかる。膨大な本数の論文を熟読して執筆した筆者の思いが伝わる傑作である。
胃瘻を安全に作り、管理して行くために、また今後の胃瘻の進化、新しい技術の開発のためにすべての医療従事者に読んで欲しい一冊である。
まるで小説のようにドラマを感じることができ読みやすい。