通称・魔術――【魔導機術】システムが発展している【イグニアス】世界において、少年は世界で唯一『魔術が使えない』劣等生であった。
この世界の人間は誰もが魔力を秘めている。【魔導機術】システムとの超次元リンケージによって、補助アイテム【DVIS】のメモリ内に書き込んである魔術プログラムを魔力を源として実行――事象を超常エミュレートする、それが『現代の』魔術だ。
伝説の存在、〔魔法〕を模した超技術である。
一般人でも規格化されている汎用魔術を扱えるが、オリジナル魔術を扱える専門職は近代魔術師と定義された。大別して戦闘系魔術師(ソーサラー)と魔術系技能職(ウィッチクラフター)である。かつての古代魔術師(メイジ)とは、別のカテゴリとなる技術職で研究者だ。
特に、戦闘用魔術を疑似OS化して常駐起動させた【基本形態】を操れる【ソーサラー】は、エリート中のエリートである。
そして、魔導社会を支える【魔導機術】の技術と利権を独占しているのが、超財閥である堂桜一族。一般家庭の一人息子であったはずの彼――堂桜統護は、その堂桜財閥の御曹司として『この世界』に、何故か存在していた。
妹を名乗る美少女、淡雪と共に統護は魔術の名門校――【聖イビリアル学園】の魔導科二年に通学する事となる。
魔術が使えない彼の蔑称はズバリ、劣等生。魔術用【DVIS】を破壊してしまう統護の異常(魔力)は《デヴァイスクラッシャー》と呼ばれた。
不遇の学園生活を送る統護の前に、次々と強敵と試練が立ち塞がる。
彼は《デヴァイスクラッシャー》を駆使し、戦闘系魔術師と戦っていく。果たして〔魔法使い(ウィザード)〕としての正体と真実を隠しきり、淡雪を守り通すと共に、この魔導世界の謎を解き明かせるのか?
空前絶後のスケールで贈る、〔神〕が用意した平行世界を舞台に繰り広げられる戦闘系魔術師(ソーサラー)達の現代異能バトル!!
シリーズ第1巻、ここから始動――
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