本書は、児童家庭相談の現場での実践的な取組から、効果的な支援のあり方について、特に児童虐待が発生した家庭を支援する視点で書いています。同時に、本書は、個々の家族が理想とする在り方を保護者と探し、家族が希望に近づく支援の取り組みでもあります。
私たちは、コミュニケーションの基本的な考え方としてソリューション・フォーカスト・アプローチを参考としています。
さまざまな現場で活用されるソリューション・フォーカスト・アプローチですが、私たちの職場も15年以上に渡り研修を行ってきました。しかし、どの職員にも転勤があり、限られた数年の期間では、自分なりに取り組む面接の一部で、そのエッセンスを活用するに留まっていた。どうしても自己流で面接を乗り切る場面が多かったのです。
本書では、面接をスムーズに進めるための事前の準備から面接まで、私たちにとって覚えやすく効果的だった方法を紹介します。また、1時間程度の面接ならフルに使えるシナリオからなるDReamについて解説します。DReamはほとんど同じセリフで異なる保護者との面接を成立させます。私たちが覚えることは少なく、保護者への効果は大きいため、すでに、児童虐待の事例にかぎらず、問題を解決するための多数の面接で活用してきました。
今までの方法では、家庭訪問や面接が思うように進まなかったとき、本書をご活用いただけたらと思います。
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