チャールズ・ディケンズの名作『クリスマス・キャロル』の英文すべてに日本語訳と、必要に応じて単語の意味や解説がつけられ、英文の朗読ファイルも用意されています。
「英文の朗読を聞きながら英語の本を読む」という "視覚や聴覚などの五感をフルに活用して体全体で英語を感じる、まったく新しい読書体験" をお楽しみください。
『クリスマス・キャロル』は、経済的に成功したどケチで自己中心的な金貸しの老人スクルージが、クリスマスに過去・現在・未来の三人の精霊と出会い、時空を超えた旅をすることで改心するという、あまりにも有名な作品です。
古典や名作と呼ばれる作品にはよくある話ですが、有名な割にちゃんと読んだ人は少ないかもしれません。
長い年月を経て生き残っている作品には、単にコスパやタイパといった効率重視で片づけられない(それだけではつかみきれない)価値や、人の心をつかんではなさない興味深いものがあります。
お金がすべての基準になる時代に、こういう本を読み返してみるのも興味深いのではないでしょうか。
むろん、スクルージの元の生き方がビジネスの王道であって、センチメンタルな人情を真に受けていては経済が破綻するとか、いろんな見方ができると思います。
そういう議論や解釈もありうるところが名作の名作たるゆえんでしょう。
とはいえ、本書が出版された一八四三年は、日本で言えば老中・水野忠邦の天保の改革が行われていたころで、そのわずか十年後にはペリーが浦賀に黒船で来航し、幕末から明治維新へと続く動乱の時代です。
そういうときに、亡霊と一緒に空を飛び、過去と未来を行ったり来たりし、また瞬時に場所や時代が一変したりと、まあ、アニメで大人気の異世界転生ものの魔法や魔術のようでもありますが、こういうものをそういう時代に書いたというだけでも「ディケンズ先生、おそるべし」と言いたくなる、そういう本です。
目 次
はじめに
この本の使い方
STEVE I 第一章 マーレイの幽霊
STAVE II. 第二章 第一の精霊
STAVE III. 第三章 第二の精霊
STAVE IV. 第四章 第三の精霊
STAVE V. 第五章 エピローグ
あとがき
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