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  • 『だまされることに疲れてしまった私たち』

    金井隆久

    遇光書林

    評論

    権限:管理者

    【データ本】

    2023.11.13

    新書版 236 273円

    【紙本】

    販売中

    2023.02.06

    新書版 256 1,485円

    だまされることに疲れてしまった私たち

    2023年2月6日更新 誤字脱字の修正をしました ………………………… 2023年2月6日更新 誤字脱字修正を施しました。 …………………………  いまの政治経済社会を観察する長い本です。  前半部に総論または概論を置き、  中間部は現代の合法人身売買として労働者派遣を問います。(この部分は2000年から2006年にかけて執筆しました。20年ほどたっているため現在と少々違うイシューもあります)。  論考後半で、事実上の為政者としてのメディア企業の様態を考察します。パブリック・プレッシャー(報道プレスによる直接抑圧と、民衆による公衆抑圧を誘導する間接統治)を駆使する事実上の政府としてのニュース会社を考えます。 この21世紀のレヴィアタン(テレビ局・新聞社・大小のインターネット企業・出版社等々)がどこで沸いて、どこから栄養を吸収して成長したのでしょうか、どのように権力を得たのでしょうか。 異なるものの視方、異なる感情の仕方をする人、平凡でないボトムアップ型思考をする人を押し潰す検閲機能(世の中を唯だ一色に染め多様性を認めない)を強力に果たしているこれらビッグブラザーズ。現代の暴君たちを監督し、透明化させて、行き過ぎを抑制統御する法の仕組みを、現代憲法に欠けている内身の自由(身体の状態について権力の介入を許さない権理、じぶんの身体管理権をじぶんに取り戻す権理、個人の内心のみならず、内身への干渉を拒否できる自由)を早急に建設して、あとの世代に遺す責務がぼくたちにあると切実にねがうのです。 「だまされることに疲れてしまった私たち」で、メディア産業の役的な役割をぼくは論じた。  それはニュース会社が世の中で果たしている役割とは、その企業が翼賛政府の立場を取るか、権力(者)批判スタンスを取るかを問わず、その報道が届く範囲の国民をただ一色に染めあげる思想統制作業と、そこからはみ出しているアウトローの存在そのものを許可せず、 「ちゃんと働くまともなニンゲン」 に執拗に変えようとはたらく機能である。  また現在「まとも市民」地位にいる者がアウトローに去らないよう強力な抑止圧力をかける役目をメディア産業は担っている。そのためにメディア会社は、宣布するそのイデオロギーを、同業他社とともに社会に公布し施行することと、人びとに受け入れさせること、批判を許さないこと。それからはみ出す個人の思考と行動を禁止する(違反者には社会的制裁の形でニュース会社が罰を加える)検閲機能を果たしていると、ぼくは論じた。  要約すれば自由を抑圧するこういう風潮は、たやすくその時の権力者の希望と癒合するものである。そこから各種権力者とメディア産業との協同が生じる。それをぼくはここで「政府メディア利益共等体」または「政府メディア共等幻視体」と名づけ論じた。 歴史とはメディア産業拡大史ともいえる。日本史では17世紀から急に印刷出版メディアが成長した。すると世の中はどう変わるか。  ニュース新聞会社は、ニュースの多様性を貧弱にする。ニュースは一人ひとりの口コミの多様性を喪失し、ニュース会社が各種のメディアソフトに載せて配信するニュースのみが正当ニュースとされるのだ。  同時に私人の意見は誰からのニュースは異端ニュースとされて、人びとにまっとうなものと認知されなくなる。人びとは活字や電波に乗ってくる情報のみを、神様のお告げのように崇める。紙面等のスペースの成約から、世の中に存在するであろう種々千万なニュースのなかから、ニュース会社(とその株主など)の利害に添ったひとにぎりだけのごく少数のニュースだけが選抜され、読者に届けられる。受け取ったほうは、多様性を喪失しておそろしく貧相なニュースをただ飲み込むことだけを要請されている。  毎日毎日一億人人が全く同一のニュースを受取り、それを咀嚼しているわけなのだ。社会がたった一つの方向に傾いて走り出すのは当然であろう。  ここに非対称の権威主義が発生する。これがすなわち近代国家の政治経済社会あらゆる方面の権力のいわれである。  この本においてぼくはおおよそそういったことを論じたのである。  現代の「啓蒙の弁証法」。  21世紀の「随想録」。 を賦負しております。 1984 has arrived.Therefore We save ourselves,by awakening to wisdom.

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  • 『じぶんを信じる』

    金井隆久

    遇光書林

    健康・医療・介護

    権限:管理者

    【データ本】

    2023.02.11

    新書版 50 286円

    【紙本】

    販売中

    2023.02.11

    新書版 48 627円

    じぶんを信じる

    2023年2月6日更新 「緒言」を追加しました …………………………  例えば、朝、職場に出勤したとき、同僚に「おはよう」とあいさつしたのに、返事をしてもらえなかったとします。どうしましょう。  返事がなかったことは「客観的事実」ですね。  気分を暗くするでしょう。無視された理由をあれこれ考えるでしょう。 「私は同僚から嫌われている」 と解釈するかもしれません。  そうして、 「私はきっと同僚全員に嫌われるている」 「私は誰からも嫌われる運命なんだ」 「幼いときからずっと私は拒絶されていたし」 「私は世界の嫌われもの。私を好いてくれる人なんかいない」 「これからも一生誰からも好かれないに違いない」 「私が人生は絶望だ」  このようにマイナス感情のエスカレートをつけてしまうかも。  冷静なときなら「そこまで思いつめることはないじゃないか、考えすぎだ」と判断できますが、「拒絶」をされた直後に、当人が冷静に認識することは非常に困難なものです。  でも、原因をあれこれかんがえることは「私の主観」で「私の解釈」です。それは決して公正な客観的事実ではありません。  このような第三者からみれば「勝手な思い込み」がその人の感情を暗く重くしてしまうのです。  ストレス社会に生きる私たちが、自分を信じ、自分を知って真の意味で人生をエンジョイする方法を、認知行動療法と仏教思想に探究します。  なおこの本は拙著「認知行動療法と仏教思想」をやさしい表現に書きあらためたものです。難しい漢字をひらがなに変え、とくに難しい部分は省略し、横書き表記に変更しました。内容はほぼ同じです。

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  • 『エセー』

    金井隆久

    遇光書林

    評論

    権限:管理者

    【データ本】

    2022.09.25

    新書版 84 220円

    【紙本】

    販売中

    2022.09.25

    新書版 96 798円

    エセー

    エセー

    金井隆久著

    遇光書林発行

     私の言葉は人に通じない。動物となら、人間の幼児とならよく意思疎通ができるのに、大人の人類には、私の言葉が通じない。  理解できない世の中と、理解不能な人たちに囲まれる毎日。  地球とそっくりな別の惑星に来てしまった戸惑いに生きる日々。  ひとの言葉は恐喝と暴力の容赦ない侵襲と私に聞こえる。  どうせ意が通じないだろうとの予測の悲痛と孤独のうちにこの文を書く。  どれだけ説明しても、それは胃が痛んだことがない人が、胃痛の苦しみを理解できないのと同じで、「健常な善意の人たち」に囲繞される私たちがより一層深刻な孤独を感じさせられる。絶望的コミュニケーションの一方通行。  例えば、同じ強さで殴られても、感覚が鈍い人と、鋭い人では受ける痛さが違うだろう。仮に、百倍感覚が鋭いとしたら百倍痛く感じるわけで、詩人に適する性格か。こんな心身に生まれたくはなかった。  町の同じ音を聞いて、同じものを見て、健常な人の百倍、千倍も、その音や物や、言葉の内容が強烈に響く。わが心身を打つ。文字通りに「耳が痛い」「目が痛い」「心が痛いのです」。だから六本木だの渋谷だのへは決して寄りつかない。刺激が多すぎて、私の負荷能力を遙かに超えている。拷問だ。その代わりにお寺と公園と図書館へゆく。  このことを人に語っても、健常な人びとにとってなんでもないことだから、むしろ痺れるくらいに快楽なことだから全く取り合ってくれない。しつく言えば、うるさがれらてしまったこと、ようやく気づいて、うろたえ、しどろもどろ。冷汗滲出。顔面紅潮。その場を逃げ出す。一人に帰れる狭い場所に閉じこもり、可視または不可視のドアをぱたんと閉め深呼吸。弾む呼吸が再び沈まることをひたすらねがる。  鈍感な健常な人たち(すなわち世の中のほとんで全部の人)は「善意」で、ずかずかと私たちの内側に踏み込んで来る。情け容赦無し。こちらは痛くてたまらない。文字通りに心身が痛い。しかし向うは善意なのだから、さすがそれくらいは「理論的に」判かるから、抗議もできぬ。また言っても言葉が通じない。わたしたちはここち絶対の孤独を感じて毎日生きている。  その恐怖予期から私たちが人と接触を避けたり、視線を合わせないようにしてしまう。身を守るためにやむを得ず。人が嫌いで避けるのではない。人が大好きだ。だが他人から、変な人と思われているだろうことに狼狽して右往左往。あっちで躓き、こっちで人にぶつかったり。  相手の要求が分からない。こんなことはあたりまえ過ぎるからと、音声化しないで省略してしまうらしい言葉が多過ぎるのだ。その「あたりまえ」が解らない私は、人から要求されている(らしい)ことの意味を考える。何日も何日も。そうしてようやく朧げながらそれを理解し得たと思う頃には、みんなが共有している(らしい)「あたりまえ」は、もう次のに変わってしまった後だ。ふつうのひとがあたりまえにできる易しいことを私はできず、ふつうのひとができない難しいことが私はできる。できるけれどもそれにふつうのひとが興味魅力を感じることはなく、お金になることはもっと無い。  この本は、その思考の跡の記録のようなものである。 ・東京模様二〇二〇 ・健康絶対主義 ・どうすれば楽になれるか(仏教のメソッド) の三つの部分から成り、それぞれ私の既刊書からの抜粋である。あまりにも長く、理屈っぽい原書を敬遠したい皆さまにお薦めしたい。  宗教アレルギーある方は、第三節「楽になる方法」は読まず捨てることも一興かとおもう。

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  • 『フーコーの唯識』

    金井隆久

    遇光書林

    学問全般

    権限:管理者

    【データ本】

    2022.09.13

    文庫版 30 無料

    【紙本】

    販売中

    2022.09.13

    文庫版 48 550円

    フーコーの唯識

    2022年9月12日更新 誤字脱字を修正しました ………………………… 自己粛清につぐ自己粛清。無理に自己抑制するとじこもり対策はストレスがかかって逆効果。病気への抵抗力が弱まりかえって感染しやすくなってしまうばかりか、がんや普通の風邪にかかる危険性が上がる。 自制をやめて人生を思いきりエンジョイしよう。旅に出よう。遊びに行こう。買い物しよう。内向きになるな。人の免疫力は楽しいことをするとき最高に上がる。生命力が上がればウイルスをはね返す。明るい希望こそ最高のクスリである。人生を取り戻すための緊急出版パンフレット。希望の本。

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  • 『現代語訳 田中正造自伝第二巻 朱夏熱情篇』

    金井隆久

    遇光書林

    文芸

    権限:管理者

    【データ本】

    2022.05.22

    A5変形版 90 902円

    【紙本】

    販売中

    2022.05.22

    A5変形版 96 2,090円

    現代語訳 田中正造自伝第二巻 朱夏熱情篇

    田中正造(1841〜1913)自伝の現代語訳です。 原文は1895(明治28)年に読売新聞上に連載されました。 徳川末期、領主六角家の悪政を退治した若き田中の活躍を「第一巻・青春立志篇」に描きました。 つづいて明治の暴君三島通庸(栃木県令)の独裁政治と対決します。三島は県知事でありながら泥棒と詐欺と人殺しを実行していたのでした。 弱きものをたすけ威張るものをこらしめる。壮年時代の正造が躍動します。 夏目漱石の「坊っちゃん」を彷彿とさせる竹を割ったような勧善懲悪ストーリーで、スピード感あるたいへん面白い本なのですが、文体が古めかしいことと、舞台が主として北関東と秋田岩手両県という多くの読者にとって、おそらくは、ぴんとこない土地であるため、残念なことに現代人はなかなか読めないと思います。そこで現代語訳することとしました。 底本は「田中正造選集第1巻民権への道」岩波書店1989年であります。 愉しみ読めるよう意訳調としています。

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  • 『親鸞からのメッセージ』

    金井隆久

    遇光書林

    人文学

    権限:管理者

    【データ本】

    2022.04.07

    新書版 184 1,045円

    【紙本】

    販売中

    2022.04.07

    新書版 192 1,400円

    親鸞からのメッセージ

    いまからおよそ750年前の僧、親鸞。 親鸞は多くの本を書き遺しましたが、古文のため、いまのわたしたちにはよみにくいものです。 そこで親鸞の著作中殊に重要な文を選びだし平易な今の日本語に現代語訳しました。かなと画数の少ない漢字だけ使うようこころがけています。

    データ本
    1,045円
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  • 『抑制装置としての宗教』

    金井隆久

    遇光書林

    学問全般

    権限:管理者

    【データ本】

    2022.04.06

    文庫版 44 275円
    閲覧数1冊
    タチヨミ数43冊
    デバイスDL数2冊
    EPUB DL数3冊

    【紙本】

    販売中

    2022.04.06

    文庫版 48 825円

    抑制装置としての宗教

    2022年4月6日更新 いくつか誤字脱字を修正しました。若干の加筆をしました。 ………………………… 地球上のあらゆる人間の集団が宗教もしくは神話をもっている。それをもたない民族や文明は無いといっていい。それはいわゆる高等宗教でなくても、この世の発生のいわれとか、そういったことである。なぜそうなのか。なぜ宗教をもたない民族がないのか。宗教をもたない民族がないということは、宗教現象にはそれなしには済まされない必然の理由があるのだろう。社会に必要だから宗教の現象があるのだろう。その理由をかんがえよう。この本は宗教社会学、宗教の歴史学、宗教の文明論および人間学。 試し読みに内容の一部分をここに転載。 宗教の社会的欲望抑制機能を理論的に分析すると、 一、人びとに安心を与え、現状に安住させる作用。 二、世俗価値を批判し否定する作用。 の二様がある。前者を消極的抑制、後者を積極的抑制機能と呼んでいいだろう。前者は現況に安住させそれ以上の欲望を捨てさせる。「足るを知る」ことである。後者は現在進行中の欲望の暴走を、超世俗価値をもって批判否定し停止させる。喩えるに、前者は火災予防で、後者は消火活動のようなことである。  この二つがあいまって健全な抑制効果を発揮する。二つが上手にバランスを取り、相より相たすけるところに本当の宗教がある。いずれかが強くなりすぎて、バランスを崩すと不健全な宗教に早変わりする。ないほうがかえって世の中のために良い邪教に変わってしまう。  前者ばかり強調されると、時の世俗権力と宗教が結託し、人間抑圧装置となる。世俗界と超世俗界両面からの強力な暴力装置になってしまう。差別行為やさまざまな社会悪を神仏の名を以て認め助長する。マルクスはこれをアヘンと呼んだ。実に正当な批判である。こころある宗教者はみなこの弊害に気づいている。警邏を鳴らす書物はいっぱいある。  つぎに後者のみ強調されると今度は社会的に危険な閉鎖的カルト団体になる。自善他悪・自尊排他ばかり主張し、他人の意見に耳をかさない。狭い範囲に凝り固まって、いつでも自派だけ正義で他はすべて悪であり、穢れていると考える。また自派は悪に取り囲まれて迫害されていると被害妄想をする。甚だしい場合は閉鎖的小宗教内部が細かに割れ、派閥抗争から各派それぞれ自善他悪を主張し陰惨な内ゲバ暴力を起す。後者の批判作用だけが強調されるとこのように宗教が抑制機能を失ってしまう。 この本の副題は Do cats religion ? (猫は信心するか?)だ。熟読するとその意味が自然に解かるようになっている。

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  • 『田中正造自伝(現代語翻訳)第一巻青春立志篇』

    金井隆久

    遇光書林

    権限:管理者

    【データ本】

    2022.04.06

    文庫版 62 715円

    【紙本】

    販売中

    2022.04.06

    文庫版 64 1,716円

    田中正造自伝(現代語翻訳)第一巻青春立志篇

    田中正造(1841〜1913)自伝の現代語訳です。 原文は1895(明治28)年に読売新聞上に連載されました。 「幼時の出来事」「六角家払奸始末」「陸中国の殺人疑獄」「三島県令に対する反抗運動」の四つの章からなります。この本はその第一章「幼時の出来事」と第二章「六角家払奸始末」を現代語に翻訳したものです。

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    715円
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  • 『認知行動療法と仏教思想』

    金井隆久

    遇光書林

    評論

    権限:管理者

    【データ本】

    2020.09.19

    新書版 36 286円

    【紙本】

    販売中

    2022.04.05

    新書版 48 627円

    認知行動療法と仏教思想

     大きなストレスにさらされる生活をよぎなくされる2020年。  人は楽しいこと、好きなことをしているとき免疫力(生命力=病気への抵抗力)がいちばんアップします。反対に楽しいことができないとき、将来的に好きなことができそうにないと悲観したとき(=希望を喪失したとき)に免疫力がダウンします。  私はアウシュヴィッツ強制収容所の話を聞きました。そこではときどき「何月何日に解放されるらしい」と根拠薄弱な噂が流れたことがあったそうです。しかし期待した解放がないまま噂の日が過ぎると、翌日からばたばたと病死する人が増えたそうです。がっかりすると生命力がくっと落ちるのです。  わたしたちは毎日強いストレスを受けて暮らしています。  人の体はストレスを受けると副腎皮質からコーチゾールというホルモンが出て鬱状態になるのです。うつ状態になると人の生命力(=免疫力、病気への抵抗力)がぐっと下がってしまいます。  ストレスを受け続けた体はほかの病気にかかりやすくなります。ふつうの風邪をひいて肺炎になるかもしれません。人が感染症にかかるかどうかは、病原微生物と人体の力比べの結果です。人体側が生命力を落としてしまったら、ただの風邪にかかりやすく、重症化しやすくなってしまいます。  ガンや糖尿病の発症率も上がるでしょう。ストレスを受けて分泌される副腎皮質ホルモンは糖尿病が発症するきっかけを作ります。血糖値を上げるのですね。例えばシマウマはライオンから逃げるわけです。ストレスを受けた動物は危機が迫ったと察知して、そのホルモンを分泌し「戦闘状態」に入るんです。それは血圧を上げ、血糖値を上げます。また免疫を下げます。その結果として、ストレスを受けると、ご飯がまずく感じ、便秘になり、眠れなくなるわけです。私たちを含む動物の体はそういうふうにできています。考えてみれば当然ですね。ライオンに襲われそうなときに、のんびり草を食べたりウンチしてる場合じゃないから。  一時的なストレスにより一時的に血糖値が上がるだけなら問題ありませんが、常時ストレスを受け慢性的に血糖値と血圧が高い状況が続くと危険です。  わたしたちの体の中では毎日のように、がん細胞が発生しています。しかし癌になる人は多くはありません。がん患者が増えたと言っても、人口の半分以下です。言い換えれば、人口の半分以上の人は一生ガンにならないわけです。頻繁にガン細胞が発生しているのにもかかわらずガンにならないのは、私たちの免疫力が、生まれたてのガン細胞をたちまちに破壊してくれているからです。  しかしながら、毎日強いストレスを感じて免疫力が低下したら、発生したがん細胞がそのまま大きく成長するかもしれないのです。ある程度以上に大きくなったがん細胞に対しては免疫は無力です。  うつやあせり不安に悩まされる人もおおいでしょう。精神的な不調を治す治療法は主として抗うつ薬服用する薬物療法と心理療法があります。その両方を併用することが治療結果が良いようです。  そんな現代の心理療法と、とても似たかんがえかたをするのが仏教です。2500年昔から存続する心理療法だと仏教思想を言えるかもしれません。薬物療法と心理療法に加え、仏教の修道をすることが、2020年の私たちをたすける最良の方法かもしれません。 見本として本文の一部分を以下に写します。 「幼少時の生育環境等で心の深い無意識下に植えつけられた世界観が、その人の認知の歪みとなって、鬱や不安を引き起こすと見るのが認知行動療法の基本だと第一節で述べた。それは仏教的に表現すると「生苦」である。四つの思うようにならぬことの第一に挙げられる生苦。  仏教は一人ひとりが世の中をありのままに見ているとは決してかんがえない。それぞれ独特のものの観方をしており、客観的に公正にみてはいないと人間をとらえる。そんな私たちが世の中を他人をそうして自分自身を見る視点は機械のように公平無私ではない。それはありえないのだ。私たちが見て判断する世界像はいつも必ずその人流にゆがんでいる。ひずんでいる。  ちゃんとみることはない。けれどもそんな世界像をだれもが正しいと信用して暮らしている。間違っていることを正しいと思いこんでいる。ほんとうは正しくないのだ。ゆがんでいるのだ。だから私たちのそんな世界観や判断を、「空」と仏教の専門語でよぶのである。「空」はクーと発音する。からっぽ、の意味である。般若心経の「色即是空、 空即是色」で一般にも有名な言葉だ。「色」はシキと発音する仏教語。眼で見る景色、耳で聞く音、鼻で嗅ぐ匂い、手で触る感触、頭で考える意識。そんな人間の感覚と思考の一切を「色」と表現する。 「色」は即ち「空」である。人間の感覚と思考の一切はからっぽだ、と言う意味だ。空っぽとは事実でない、真実でないということ。例えば、初めて再生機械を通した自分の声をきいたとき、びっくり仰天した経験があるだろう。けれども友達の声の録音音声ならば違和感を全然受けない。友達の肉声も録音された声も、紛れもなく友人の声だ。違わない。将来もしも「録臭機」が発明されたら、誰でも機械を通した自分の体臭を嗅げることになる。初めて自己臭を嗅いだらこれまた驚愕することだろう。自分についての自分の思い込みが、客観的事実とずれているから、こうした事態が起こるのだ。  事実でないことを事実と思いこんで自ら苦しんでいるということ。そのことに気づけば楽になる。  認知行動療法が目指すところの認知ゆがみの自覚とその是正を仏教的に表現するとこうなる。 「クライエントさん、あなたの判断の癖は客観的事実じゃないのですよ。空っぽなのですよ。それに気づけたらうつ病が治るんですよ」。

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  • 『東国の佛教』

    金井隆久

    OfficeKanai

    人文学

    権限:管理者

    【データ本】

    2019.04.18

    新書版 112 220円
    閲覧数0冊
    タチヨミ数32冊
    デバイスDL数1冊
    EPUB DL数0冊

    【紙本】

    販売中

    2019.06.26

    新書版 128 1,059円

    東国の佛教

    東国の佛教

    金井隆久著

    OfficeKanai発行

    こんにちは。著者です。 長野県の峻険な山岳が突然途切れ、まったいらな西関東平野がひろがる。それが上信の国境です。群馬県側から見あげる信州は、まさに山の上の天にちかい国。古来、その高く、爽やかな国から、低く、湿って泥のような大地が、平らにひろがる関東平野へと、おおくの人びとが、物資と知識と技術を運びました。それはこの列島内部の人ばかりでなく、海のかなたの大陸からやってきた人びともおおくいたのです。 この本は、関東平野の仏教の歴史について語る、ごく軽い随筆です。 全体は、前書きと、前半と、後半の三部からなります。前半で、昔の関東平野の文化状況と、仏教全般について語ります。後半では、鎌倉時代の北関東に住んだ、親鸞の足跡をたどります。 拙著『群萠のうた、大地に生きる人たち』の姉妹作です。どうぞ、ごゆっくりお楽しみください。

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  • 『教育と称するもの』

    金井隆久

    Office Kanai

    社会学

    権限:管理者

    【データ本】

    2018.05.19

    10inch版 90 220円
    閲覧数0冊
    タチヨミ数25冊
    デバイスDL数1冊
    EPUB DL数0冊

    【紙本】

    販売中

    2018.05.19

    10inch版 96 1,157円

    教育と称するもの

    現代社会を教育をとおして考える。外向的性格者とは明るい人で内向的性格者は暗い性格とされるがそれはちがう。前者はこころの温度がやや低い人で、心の温度を上げるために積極的に社交するのである。後者は常時こころの温度が高いため、ひとと付き合いすぎると心温が上がりすぎてしまう。こころのヒートアップ破裂を防ぐため、社交に消極的なのである。こんなところから教育、経済、社会を根元的に考究する。

    データ本
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  • 『モダンタイムズ』

    金井隆久

    Office Kanai

    評論

    権限:管理者

    【データ本】

    2018.04.03

    新書版 52 220円
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    タチヨミ数8冊
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    【紙本】

    販売中

    2018.04.22

    新書版 64 860円

    モダンタイムズ

    私たちの体は、内臓や筋肉、それをコントロールする神経やホルモンといった仕組みに外界の状況に合わせてその状態を変化させてゆく自然なシステムが備わっています。それは通常は私たちの意志とは関わりなく自然に働くシステムです。意志によってコントロールできません。 朝、日の光を感じて目を覚ませば、心臓の拍動は早く、血圧も高まり、爽快な気分とともに全体に活動的な状態になります。反対に日が暮れれば安静な状態になって眠りに就く。暑いときは自然に汗を出して体温を調節します。 ところが私たちが過度に内面を意識しすぎて、そこに注目の眼差しを向けると、この自然な流れに滞りが起こりいろいろな体調不良を起こします。これが心身症です。心理的な面のみに着目すれば不眠症や自意識過剰といったノイローゼ症ということになります。 こういった近現代の豊かさの影の部分の起源を西洋近代哲学の枠組みの中に探ります。拙著「コインの裏おもて」の難しいバージョンです。

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  • 『ハイドンとモーツァルト』

    金井隆久

    Office Kanai

    社会学

    権限:管理者

    【データ本】

    2018.03.20

    新書版 76 220円
    閲覧数0冊
    タチヨミ数23冊
    デバイスDL数1冊
    EPUB DL数0冊

    【紙本】

    販売中

    2018.03.20

    新書版 96 959円

    ハイドンとモーツァルト

    芸術家論の本です。アーティスト、クリエーター、コンポーザー論。創作者の創作の構造をかんがえます。あわせて近代社会の特質についても考察します。音楽評論ではありません。

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  • 『コインの裏おもて』

    金井隆久

    Office Kanai

    学問全般

    権限:管理者

    【データ本】

    2018.03.05

    文庫版 42 220円
    閲覧数0冊
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    デバイスDL数1冊
    EPUB DL数0冊

    【紙本】

    販売中

    2018.03.13

    文庫版 48 717円

    コインの裏おもて

    ものがあふれるほどある豊かな世界に暮らす私たち。しかし物の豊かさに反比例して心の貧しさが増すような気もします。その原因と構造を、近世初期のデカルトの哲学の仕方にさかのぼって根源的にしらべます。敬体の語りかける文体でつづるよみやすい思想史の書です。

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  • 『ドンキホーテたち』

    金井隆久

    Office Kanai

    学問全般

    権限:管理者

    【データ本】

    2018.02.25

    文庫版 52 220円
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    【紙本】

    販売中

    2018.02.25

    文庫版 64 783円

    ドンキホーテたち

    スペインの文豪、セルバンテス作である小説「ドン・キホーテ」ほど人々に愛惜される作品もないだろう。笑いと涙、浪漫とペーソスがつまっている。17世紀に出版されて以降、ドン・キホーテの変奏曲といってもいい小説や映画が多数製作されてきた。それらの知られざるドン・キホーテたちをとおして、人間と人間が織りなす社会模様の本質を考察するノンフィクション批評文。

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