東京の高校に通う野上彰は、母親と共に夏休みを利用して、母親の実家がある宮崎県日南市を訪れていた。
母親の実家に滞在する予定は一週間であり、そのうちに母親の実家にいてもすることがなくなってしまった彼は、退屈しのぎに、バスで向かうことができる、日南市の繁華街へと向かって移動を開始する。
やがて日南市の繁華街へと辿り着いた彼は、目についたデパートへ向かって歩き出すのだが、しかし、そのとき、突然激しい眩暈に襲われることになる。
そしてその眩暈が収まったとき、彼は全く見知らぬ場所に立っていた。
そこはかつて大きな街が存在していたと思われる、しかし、現在は瓦礫の山と化している場所だった。
どうして自分がこんな場所に立っているのか、大いに混乱することになる彼だったが、そこへ突然、モンスターとしか言いようのない生物が姿を現す。
それは二足歩行する、牛の怪物であった。牛の怪物の体高は軽く二十メートルを超えており、一軒家程の大きさはあろうかという頭部には逆L字型に湾曲した、巨大な角が生えていた。そしてその怪物は、彼に対して襲いかかってきた。
あまりのことに反応することができない彼だったが、その彼を救ってくれた人物がいた。彼は自分の名前をヨウ・フルカワと名乗り、この世界はかつてアメリカ軍が行った異次元の扉を開く実験の結果によって、化け物が蠢く世界に変わってしまったのだと述べるのだったが……。
一方、東京の某出版社で、主にオカルト雑誌のライターをつとめる遠山美咲は、先日、宮崎県日南市で発生した、高校生の失踪事件に興味を覚えて、宮崎県日南市を訪れていた。新聞の記事によれば、現在行くへがわからなくなってしまっているのは、東京の高校に通う野上彰という名前の高校生であるようだった。
彼は夏休みを利用して、母親と共に母親の実家へ帰省していたところ、
突然行方へわからなくなってしまったとのことらしい。警察の調べによれば、今のところ少年の失踪に関して、事件性らしい証拠は何も見つかっていないとのことであった。彼はまるで神隠しにでもあってしまったかのように、突然ぱったりと姿を消してしまっているという。
遠山美咲はこの少年の失踪事件に関して、気になっていることがあった。というのは、彼女の双子の姉も、やはり少年と同じようにかつて彼女が幼い頃、宮崎県日南市で突然姿を消してしまっていたのだ。世間一般的には彼女の姉は変質者に誘拐されて、その後殺されてしまったのだろうという話になっていたが、しかし、彼女は漠然とそうではないのではないかと疑っていた。自分の姉はひょっとすると、どこか別の世界で生きているのではないかと彼女は思っていた。そしてこの宮崎県日南市という場所には、どこか異次元へ通じる扉のようものが存在している
のではないかと彼女は考えていた。
その後、彼女は宮崎県日南市で取材を続けるうちに、信じられない現象を目撃することになるのだったが……。
果たして宮崎県日南市で何が起こっているのか⁉ 少年が迷い込んでしまった世界はどんな世界なのか⁉ こちにらは既にKindleで発売している『BROKEN WORLD』の1巻から2巻までを一冊にまとめたものになっています。
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