作品紹介
認知症の夫と二人暮らしのサエ。日に日に症状が重くなっていく夫に疲れを感じ、施設に入ってもらいたいと考えるサエだったが夫にその気はなく、施設の話に怒り狂うばかり。
しかし、夫には施設に入りたくない理由があった。それは、妻であるサエと交わした記念日の『約束』。わずかに記憶に残った約束を守るため、夫はある日、行動に出るのだった。
NovelJam2018秋参加作品
藤谷治賞受賞作品
この本のコメント
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本を入手していないとコメントは書けません。
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福島達也 2018.12.11
初めて拝見致しました。
情景描写の表現が見事で、丘の上の桜の木も想像することが出来ました。
文章の構成もシンプルで読みやすく、ストーリーが明確に伝わってきました。
「約束を果たそう」という聡一さんの言葉が印象的でした。
なかなか良い作品だったと思います。これからも頑張ってください。 -
Ｍ☆Ａ☆Ｓ☆Ｈ 2018.12.02
今回のNovelJamの審査で「古民家とカフェを舞台にしたものは読み飽きた」という意見が出ましたが、ふと思ったのですが、前述の発言をされた米光一成さんは「東京マッハ」という俳句イベントの常連なんですよね。俳句は、できるだけ類想類句を避ける傾向があります。そういう意味では、瞬発力のある小説イベントのNovelJamも、俳句の互選句会のような文芸ゲームになり得る可能性があるのかもしれませんね。
前述の考察を踏まえれば、この小説『あなたの帰る場所は』も、前回のNovelJamの医療を主題にした小説『グッバイ、スプリング』に重なるところを見出だしてしまいます。ただ、微妙な差異を楽しむことはできますね。『あなたの帰る場所は』には、優しさがあります。常に優しさが通奏低音で流れている物語だと思いました。それは、作者のお人柄によるところもあるのかな、と思っています。
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