好きの先にあるもの。推しから紐解く自分自身
世にあふれる「推し」という言葉。私たちはなぜ単に「好き」と言わず、あえて「推し」と表現するのだろうか。
本作は、身近な事例を手懸かりに「推し」という感情の正体を紐解いていく論考である。
惹かれる対象に潜む多面的な「魅力」や、ただの「好き」が特別な感情へと変わっていく過程を分析する。自分の心の中で何が起きているのかを丁寧に解き明かしていくことで、単なるコンテンツへの愛着にとどまらないことがわかる。
さらに、「推し」というレンズを通して見えてくる自分自身の内面や人生の価値観もあった。自らが何に救われ、何を求めているのかを見つめ直す作業は、自らの心の凹凸を映し出す「鏡」に向き合うプロセスにもなる。
読み終えた時、客観視によって「推し」の解像度を上げ、自らの中にある「好き」の輪郭が、これまで以上に鮮明かつ愛おしいものとして立ち現れてくるような一作となっている。
「鏡」未草
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