ディープなファンが今も世界中にいる奇才絵師・河鍋暁斎が描いた、この世とあの世の混沌。世界が驚いたそのイマジネーションと驚異的な画力、ユーモアあふれる奇想天外な表現――
そんな暁斎の傑作戯画96図を大収録しています!
【狂斎百図】とは……
この『狂斎百図』は文久三年(1863)から慶応二年(1866)にかけて刊行されたシリーズ作品です。
当時来日した外国人からも評価が高く、みなこぞって買い求めました。
フランス人実業家のエミール・ギメは、その著書 『東京日光散策』の挿絵に、この「狂斎百図」を使用してます。
伝統的な妖怪画の表現を踏襲しながらも、当時流行した風刺的要素がふんだんに込められたユーモアあふれる作品ばかりです。
本書収録96図の中に個性豊かに描かれた妖怪や町人たちの姿が、鑑賞する者の心を和ませます。
【河鍋暁斎】とは……
幕末から明治にかけて活躍した浮世絵師。歌川国芳の弟子。
同門には「最後の浮世絵師」と呼ばれた月岡芳年がいる。
そのすさまじい画力から海外でも高く評価されており、
鹿鳴館などの設計で知られるイギリス人建築家ジョサイア・コンドルが暁斎に弟子入りしている。
数多くの戯画や役人を風刺する作品を残しており、
その反骨精神が災いして明治政府から逮捕投獄されたこともあった。
狩野派の流れを受けていたが、流派にとらわれることなく様々な画法を貪欲に吸収し、自らを「画鬼」と呼んだ。
奇想天外な絵にその才能を存分に発揮した河鍋暁斎。
浮世絵と狩野派という全く違うジャンルを往来し、独自の画法を確立した、まさに奇才と呼ぶにふさわしい人物である。
本を入手していないとコメントは書けません。