細かな雨粒が頬に触れて、まるで優しい指先でわたしに挨拶をしてるみたいにタッチしてくる。その時にね。なんだか生きてるって、すごくそんな気持ちになるんだ。(『雨の季節と傘と空と』より)5篇の人生賛歌のような短篇集になります。5篇の物語の一つ一つがほんのひと時でも、読んでくださる方の心に寄り添うことができたなら、とっても嬉しいです。
目次
1.木登りと彼
2.オニオンスープ
3.ワインバー
4.雨の季節と傘と空と
5.インディアンの手
本を入手していないとコメントは書けません。
この物語たちのそれぞれの主人公と自分を重ね合わせてみると、
自分の中にも存在する部分や、自分には無い部分を見つけたりできます。
そのようにして物語と寄り添っていると、それまで見えなかったものや、忘れていたものが現れてくるのです。
物語が私に語りかけてくれているのだなあ、と感じます。
そう感じるのは、文章の中に愛や慈しみが流れているから。
その光る想いにこうして出逢えた事に、私は心から幸福と歓びを感じます。
物語の風景が生み出す希望が、ずっと胸に残っています。
それは、涙が出るほど愛しさでいっぱいの希望です。
ひとすじの光のような希望は、これからもずっとずっと、私に大切なメッセージを届けてくれます。
愛や慈しみの風景とともに。