十九世紀末。夕暮れ時に、由緒正しい家柄であるジュリアンの一族の屋敷に、ミリーという名の若い娘が訪れてくる。まだ十代であろうか。その娘は自分をメイドとして雇ってほしいと、そうジュリアンの父に伝える。その願いは懇願といったものとは違うものであった。赤の色を愛する赤色のメイド。ミリーの物語、『赤色のミリー』。愛する人を救うために命懸けで岩山へと一凛の花を取りにいくクロシェット。彼が愛するオーベルジーヌとの愛の物語、『赤色のミリー』の話と連なる『一凛の花』の二話を収録。
※この物語はフィクションです。実在の人物、団体、出来事などとは一切関係ありません。
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