『花嫁人形』の歌の調べが聞こえる。
結婚の前後を一雫の涙が落ちていく。
NovelJam 2024参加作品
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NovelJam2024新潟会場作品。この作品に於いて著者の高松燐太郎さんと編集の一徳元就さんが取り組んだ主題は、叙情性溢れる純文学性、と捉えました。その上で敢えて言うならば、歴史時代物と言っても戦国時代などの中世日本の武家社会を中心にした物語ではなく、どちらかと言うと近代日本の明治大正時代を中心に捉えた、例えるなら森鴎外や二葉亭四迷、泉鏡花などの日本近代小説の黎明期の匂いを現代に踏襲した純文学の子供として機能しているかと思います。
そこまで言うと個人的には、あくまでも個人的にですが、文体全体を旧字体仮名遣いで統一して推敲を重ねて物語構成や台詞回しを練って欲しかったなと思いましたが、あくまでも個人的な意見です。
そういう意味ではこの作品は三日間の短期間でよく書けた純文学だと捉えられるし、ここから更なる展開が期待できる序章としても捉えられますね。著者である男性視点で嫁ぎ先に赴く女性心理を描いた姿勢も興味深く捉えられます。