人魚のメリカには友だちがたくさん。でもなんだかいつも息苦しい。キラキラと笑い合う仲間の後ろを、ただついていく日々。「私、なんでここにいるのかな」。ある日、メリカは鋭く尖ったムール貝の縁で自身の鱗を剥がし、尾を削ぎ、人となる。これは居場所を求める旅のお話。NovelJam 2025参加作品
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NovelJam2024では天真爛漫な流木シタラを描いた著者が挑む第二弾。前回と同じ様に自然豊かな世界が著者の得意な筆致で描かれていますが、今回の物語の主人公は、その自然の流れに逆らうかの様に人魚を辞めて人間になったり、それが上手くいかなかったからまた人魚に戻ろうとしても戻れないことに葛藤します。あっちにふらふら、こっちにふらふらすることは若いうちにはよくあること。そんなあるある感がよく表れている物語です。そう簡単に居場所は決まらない。それでもめげずに頑張るんだ!そんなエールを送りたくなりますね。
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10inch版 2,508円
電子版 1,320円