千年にわたり受け継がれてきた因縁は、
一つの死によって、再び動き出した。
完全密室の中で、ひとりの婦人が不可解な死を遂げる。
扉も窓も内側から固く閉ざされ、
外部からの侵入は不可能だった。
嘆き悲しむ夫は、誰からも称賛される理想の伴侶――
しかしその裏で、複数の妻妾を囲っていた事実が明らかになる。
財政破綻寸前の屋敷は、
彼女の裕福な実家からの援助を今も待ち続けている。
さらに、異母妹の正体は
彼女の舅が隠してきた「実の娘」だった。
嫉妬、金、血縁、裏切り。
すべてが動機に見える。
だが――
彼女が殺された理由は、そのどれでもなかった。
真実に辿り着いたとき、
読者は“動機”という概念そのものを疑うことになる。
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