宿主の死期を感知した寄生虫は、移住の準備を始める。その過程で生じる内面の揺らぎに名はあるか。葛藤とともに移住した先は白血病患者だった。迫りくる死の前で浮かぶ前宿主。壊したくない、ただ生きたい 。生と死のあわい、最後の想いとは――『死ぬのが怖くてたまらない。だから、その正体が知りたかった。』(SB新書)の著者が贈る、命のパラドックスを描いた異色作。
―可能でしたら明朝体表記でお読みください。
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この物語はキャプションから察する通り『寄生獣』を彷彿させる物語であるが、漫画みたいにエンタメに徹していなくて、寧ろ読めばわかるが著者の文章力が物凄く達者なので、エンタメというよりも純文学的に、より哲学的に形而上学的に物語が進行していく所に知的刺激を得た。正直に言えば読者の想像力に委ねる部分が多いので、この物語に描かれている寄生者とは何者なのか?が明確に掴めないと物語が失速する危険性を孕んでいるが、詩的に解釈できるのならまた違った喜びを見出せるかもしれない。そんな小説だと思った。
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10inch版 2,508円
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