家族の思い出は、しょっぱくて酸っぱい鮒寿司の味。家を出た兄、亡き祖母と父との記憶がそこにある。引っ越しの前夜、僕はすべての記憶を味わい尽くす。ネイピア数100桁が紡ぐ不思議で切ない一夜の旅立ちの物語。
NovelJam 2025参加作品
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キャプションに書いてある通りにネイピア数の数値を覚える為の語呂合わせの言葉遊びでもある、鮒一箸二箸一箸二箸至極美味しいの一文から物語を生成させたもの。ある意味、トマス・ピンチョンのメタフィクション小説の一節に導入したら嵌まる知的遊戯を愉しませてくれます。語呂合わせの全文から一本のストーリーを生成する今回の方法も有りですが、語呂合わせ文を詩的な短文に分解した後に、それぞれの短文から想起される異世界をマルチバース的に繋ぎ合わせることも出来るかと思います。表現の可能性に溢れた作品だと言えますね。
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10inch版 2,508円
電子版 1,320円