共幻社

共幻社

冊数 11

紙本 0

更新 2017.07.17

ジャンル 文芸11

このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 『共幻文庫 短編小説コンテスト2016』

    共幻社著

    株式会社共幻社発行

    文芸

    2018.02.28

    d本:412㌻ 文庫版

    -

    レビュー 0

    データ本

    270円

    クーポンコードをお持ちの方はこちら

    『共幻文庫短編小説コンテスト2016』 応募総数323作品から選ばれた優秀賞10作品・佳作10作品」をお届けいたします。

    データ本
    270円
    購入
    紙の本
    -
    購入

    『共幻文庫 短編小説コンテスト2016』

    共幻社著

    株式会社共幻社発行

    文芸

    -

    『共幻文庫短編小説コンテスト2016』

    応募総数323作品から選ばれた優秀賞10作品・佳作10作品」をお届けいたします。

    データ本:270円

  • d本:1410㌻ 文庫版

    -

    レビュー 0

    データ本

    270円

    クーポンコードをお持ちの方はこちら

    『共幻文庫短編小説コンテスト2015』 応募総数793作品から選ばれた「優秀賞12作品」「佳作65作品」をまとめてお届けいたします。

    データ本
    270円
    購入
    紙の本
    -
    購入

    『共幻文庫 短編小説コンテスト2015』

    共幻社著

    共幻文庫発行

    文芸

    -

    『共幻文庫短編小説コンテスト2015』

    応募総数793作品から選ばれた「優秀賞12作品」「佳作65作品」をまとめてお届けいたします。

    データ本:270円

  • d本:82㌻ 文庫版

    -

    レビュー 0

    データ本

    216円

    クーポンコードをお持ちの方はこちら

    〈作品紹介〉 ソムリエール頼子は黒、料理人美奈は白のタブリエ(エプロン)をつけて働く三十歳目前の女の子。タブリエの色と同じく、性格も正反対のふたりの仕事と恋の物語。 * 「美奈……私、明日、最高に不細工な顔して働くことになるんやろうと思うわ」 「そんな日もありますよ、人間なんやから」 「一応接客サービスのプロやのに」 「ほんなら、そういう日は不機嫌な顔をごまかす技術つけたらええんです。頼子さんがここへ働きに来る前に、シェフはめっちゃ頼子さんのこと調べてました。いろんな人に頼子さんのこと聞いて。それで評判がいいことを知って引き抜きに行ったんです。そやから、頼子さんはもっと自信を持ってええんです」 ぽろりと涙が頬を伝って、美奈の頭の上に落ちた。 一粒また一粒、美奈の黒い髪が頼子の涙を吸いこんで濡れていく。 ただ地味で鈍感な人だと思って美奈を軽く見ていた。 美奈は人に甘えずひとりでしっかり立っているのに、こんなに人に寄り添うのが上手なのだ。 * 仕事に、恋に。 悩める女性に読んで欲しい。 共幻文庫 短編小説コンテスト2015 最優秀作品賞『恋の章の終わりに』連載化作品 * 〈著者紹介〉 浜野稚子(はまのわかこ) 関西在住の主婦。 「自分だけの切り口を見つけて、普通の人の日常をよりリアルに感じていただけるような物語を書きたいと思います」

    データ本
    216円
    購入
    紙の本
    -
    購入

    『恋するタブリエ Ⅰ.頼子と美奈』

    浜野稚子著

    共幻社発行

    文芸

    -

    〈作品紹介〉
    ソムリエール頼子は黒、料理人美奈は白のタブリエ(エプロン)をつけて働く三十歳目前の女の子。タブリエの色と同じく、性格も正反対のふたりの仕事と恋の物語。



    「美奈……私、明日、最高に不細工な顔して働くことになるんやろうと思うわ」
    「そんな日もありますよ、人間なんやから」
    「一応接客サービスのプロやのに」
    「ほんなら、そういう日は不機嫌な顔をごまかす技術つけたらええんです。頼子さんがここへ働きに来る前に、シェフはめっちゃ頼子さんのこと調べてました。いろんな人に頼子さんのこと聞いて。それで評判がいいことを知って引き抜きに行ったんです。そやから、頼子さんはもっと自信を持ってええんです」

    ぽろりと涙が頬を伝って、美奈の頭の上に落ちた。
    一粒また一粒、美奈の黒い髪が頼子の涙を吸いこんで濡れていく。
    ただ地味で鈍感な人だと思って美奈を軽く見ていた。
    美奈は人に甘えずひとりでしっかり立っているのに、こんなに人に寄り添うのが上手なのだ。



    仕事に、恋に。
    悩める女性に読んで欲しい。

    共幻文庫 短編小説コンテスト2015
    最優秀作品賞『恋の章の終わりに』連載化作品



    〈著者紹介〉
    浜野稚子(はまのわかこ)
    関西在住の主婦。
    「自分だけの切り口を見つけて、普通の人の日常をよりリアルに感じていただけるような物語を書きたいと思います」

    データ本:216円

  • d本:112㌻ 文庫版

    -

    レビュー 0

    データ本

    216円

    クーポンコードをお持ちの方はこちら

    ソムリエール頼子は黒、料理人美奈は白のタブリエ(エプロン)をつけて働く三十歳目前の女の子。タブリエの色と同じく、性格も正反対のふたりの仕事と恋の物語。 *  人はすぐに快適なものの方へ流される。  美奈はそれが怖い。  一度心地よさを知ると、失ったときの苦しさは耐え難い。  だから美奈はなるべく人と関わらないようにしてきたし、物をあまり持たない。  誰かの肩に寄りかかってはいけない。もちろん、頼子にも。  美奈はキュッと唇を結ぶ。  頼子は前に終わった恋愛で人肌の温かさを知ったと言った。  美奈はそれ以上に、失った後の冷たさのことを強く覚えている。 * 仕事に、恋に。 悩める女性に読んで欲しい。 共幻文庫 短編小説コンテスト2015 最優秀作品賞『恋の章の終わりに』連載化作品 * 〈著者紹介〉 浜野稚子(はまのわかこ) 関西在住の主婦。 「自分だけの切り口を見つけて、普通の人の日常をよりリアルに感じていただけるような物語を書きたいと思います」

    データ本
    216円
    購入
    紙の本
    -
    購入

    『恋するタブリエ Ⅱ.恋の章の終わりに』

    浜野稚子著

    共幻社発行

    文芸

    -

    ソムリエール頼子は黒、料理人美奈は白のタブリエ(エプロン)をつけて働く三十歳目前の女の子。タブリエの色と同じく、性格も正反対のふたりの仕事と恋の物語。



     人はすぐに快適なものの方へ流される。
     美奈はそれが怖い。
     一度心地よさを知ると、失ったときの苦しさは耐え難い。
     だから美奈はなるべく人と関わらないようにしてきたし、物をあまり持たない。
     誰かの肩に寄りかかってはいけない。もちろん、頼子にも。

     美奈はキュッと唇を結ぶ。
     頼子は前に終わった恋愛で人肌の温かさを知ったと言った。
     美奈はそれ以上に、失った後の冷たさのことを強く覚えている。



    仕事に、恋に。 悩める女性に読んで欲しい。

    共幻文庫 短編小説コンテスト2015
    最優秀作品賞『恋の章の終わりに』連載化作品



    〈著者紹介〉
    浜野稚子(はまのわかこ)
    関西在住の主婦。
    「自分だけの切り口を見つけて、普通の人の日常をよりリアルに感じていただけるような物語を書きたいと思います」

    データ本:216円

  • 『恋するタブリエ Ⅲ.出来の良い後輩』

    浜野稚子著

    株式会社共幻社発行

    文芸

    2017.07.15

    d本:84㌻ 文庫版

    -

    レビュー 0

    データ本

    216円

    クーポンコードをお持ちの方はこちら

    ソムリエール頼子は黒、料理人美奈は白のタブリエ(エプロン)をつけて働く三十歳目前の女の子。タブリエの色と同じく、性格も正反対のふたりの仕事と恋の物語。 *  正直に言えば、美奈はけして遠山にどの仕事をさせたらいいのかわからなかったのではない。  どれも遠山に奪われたくなかっただけだ。  仕事覚えも良くて器用な遠山はきっと美奈が仕事を与えれば与えただけすぐに自分の物にしていく。  美奈はそれに怯えていた。  『遠山ができるようになっても、美奈にとって当たり障りのない仕事』  それを探すのに頭を悩ませて。  岩崎は今まで坊主に自分から仕事を教えることはあまりなかった。  坊主への仕事はいつも美奈を通して指示していた。  それなのに、遠山は。やはり素質があるということだろうか。  岩崎は美奈の遠山への嫉妬心を見抜き、美奈には委ねられないと判断したのか。  苛立ちと羞恥が混じりあって美奈の体温を上げる。  握った掌にはじっとりと汗をかいていた。 * 仕事に、恋に。 悩める女性に読んで欲しい。 共幻文庫 短編小説コンテスト2015 最優秀作品賞『恋の章の終わりに』連載化作品 * 〈著者紹介〉 浜野稚子(はまのわかこ) 関西在住の主婦。 「自分だけの切り口を見つけて、普通の人の日常をよりリアルに感じていただけるような物語を書きたいと思います」 ☆Twitter:https://twitter.com/hamano_wakako ★作品HP:http://koisurutablier.officialblog.jp

    データ本
    216円
    購入
    紙の本
    -
    購入

    『恋するタブリエ Ⅲ.出来の良い後輩』

    浜野稚子著

    株式会社共幻社発行

    文芸

    -

    ソムリエール頼子は黒、料理人美奈は白のタブリエ(エプロン)をつけて働く三十歳目前の女の子。タブリエの色と同じく、性格も正反対のふたりの仕事と恋の物語。



     正直に言えば、美奈はけして遠山にどの仕事をさせたらいいのかわからなかったのではない。
     どれも遠山に奪われたくなかっただけだ。
     仕事覚えも良くて器用な遠山はきっと美奈が仕事を与えれば与えただけすぐに自分の物にしていく。
     美奈はそれに怯えていた。

     『遠山ができるようになっても、美奈にとって当たり障りのない仕事』
     それを探すのに頭を悩ませて。

     岩崎は今まで坊主に自分から仕事を教えることはあまりなかった。
     坊主への仕事はいつも美奈を通して指示していた。
     それなのに、遠山は。やはり素質があるということだろうか。
     岩崎は美奈の遠山への嫉妬心を見抜き、美奈には委ねられないと判断したのか。

     苛立ちと羞恥が混じりあって美奈の体温を上げる。
     握った掌にはじっとりと汗をかいていた。



    仕事に、恋に。 悩める女性に読んで欲しい。

    共幻文庫 短編小説コンテスト2015
    最優秀作品賞『恋の章の終わりに』連載化作品



    〈著者紹介〉
    浜野稚子(はまのわかこ)
    関西在住の主婦。
    「自分だけの切り口を見つけて、普通の人の日常をよりリアルに感じていただけるような物語を書きたいと思います」

    ☆Twitter:https://twitter.com/hamano_wakako
    ★作品HP:http://koisurutablier.officialblog.jp

    データ本:216円

  • 『恋するタブリエ Ⅳ.ワインノート』

    浜野稚子著

    株式会社共幻社発行

    文芸

    2017.07.15

    d本:100㌻ 文庫版

    -

    レビュー 0

    データ本

    216円

    クーポンコードをお持ちの方はこちら

     ソムリエール頼子は黒、料理人美奈は白のタブリエ(エプロン)をつけて働く三十歳目前の女の子。タブリエの色と同じく、性格も正反対のふたりの仕事と恋の物語。 *  すべての客がほぼ同じ時間にやってきて、店内は一時混沌とした。  上着の預かりや席への案内だけでも手を焼き、コックコート姿の遠山に力を借りることになる。  前菜の盛り付けやメインディッシュに沿える野菜の準備、デセールの仕上げ、洗い物、遠山には遠山の仕事がたくさんあるというのに。  「ごめんね」  頼子はおしぼりを運ぶ遠山にすれ違いざまに声を掛ける。 「大丈夫です。ホールの仕事で判断できない時は、頼子さんの目を見て困ってることを知らせて指示を仰ぐようにって、美奈さんが」 (美奈が……)  いつからなのか。美奈は少しずつ頼もしくなっている。  後輩との呼吸があってきたことで作業に余裕が出来たせいか、周りがよく見えている。  ランチメニューを任され自信をつけてきたし、実際料理技術も上げていた。   (私は何か変われるんやろか)  自分を成長させるような出来事が起きるような気がしない。  回る長縄跳びの輪に一人だけリズムが合わずに入れないような焦りが頼子を支配する。 * 〈著者紹介〉 浜野稚子(はまのわかこ) 関西在住の主婦。 「自分だけの切り口を見つけて、普通の人の日常をよりリアルに感じていただけるような物語を書きたいと思います」 ☆Twitter:https://twitter.com/hamano_wakako ★作品HP:http://koisurutablier.officialblog.jp

    データ本
    216円
    購入
    紙の本
    -
    購入

    『恋するタブリエ Ⅳ.ワインノート』

    浜野稚子著

    株式会社共幻社発行

    文芸

    -

     ソムリエール頼子は黒、料理人美奈は白のタブリエ(エプロン)をつけて働く三十歳目前の女の子。タブリエの色と同じく、性格も正反対のふたりの仕事と恋の物語。



     すべての客がほぼ同じ時間にやってきて、店内は一時混沌とした。
     上着の預かりや席への案内だけでも手を焼き、コックコート姿の遠山に力を借りることになる。
     前菜の盛り付けやメインディッシュに沿える野菜の準備、デセールの仕上げ、洗い物、遠山には遠山の仕事がたくさんあるというのに。

     「ごめんね」

     頼子はおしぼりを運ぶ遠山にすれ違いざまに声を掛ける。

    「大丈夫です。ホールの仕事で判断できない時は、頼子さんの目を見て困ってることを知らせて指示を仰ぐようにって、美奈さんが」

    (美奈が……)

     いつからなのか。美奈は少しずつ頼もしくなっている。
     後輩との呼吸があってきたことで作業に余裕が出来たせいか、周りがよく見えている。
     ランチメニューを任され自信をつけてきたし、実際料理技術も上げていた。  

    (私は何か変われるんやろか)

     自分を成長させるような出来事が起きるような気がしない。
     回る長縄跳びの輪に一人だけリズムが合わずに入れないような焦りが頼子を支配する。



    〈著者紹介〉
    浜野稚子(はまのわかこ)
    関西在住の主婦。
    「自分だけの切り口を見つけて、普通の人の日常をよりリアルに感じていただけるような物語を書きたいと思います」

    ☆Twitter:https://twitter.com/hamano_wakako
    ★作品HP:http://koisurutablier.officialblog.jp

    データ本:216円

  • d本:98㌻ 文庫版

    -

    レビュー 0

    データ本

    216円

    クーポンコードをお持ちの方はこちら

    ソムリエール頼子は黒、料理人美奈は白のタブリエ(エプロン)をつけて働く三十歳目前の女の子。タブリエの色と同じく、性格も正反対のふたりの仕事と恋の物語。 *  皿をひっくり返せばブランド名が記されているとは思うが、それをチェックするのはやめた。  高級な洋食器ブランドの名前など美奈にはどうせわからない。  自分の店を持つとしたら―――。  買ってもいない宝くじの賞金の使い道を夢想するように考えることはある。  自分なりにこだわった食器を使って、自分なりの店を、と。  しかし、美奈の考える「こだわり」はこの店のような高級さとは違う。  河田と一緒に店を、なんて一瞬でも夢見たあの頃の自分の若さに美奈はにが笑いした。  描いていた未来はもともと違うものだったようだ。 「すごいなぁと思うんですけど、俺のしたいのとは違います。資金とか度外視しても」  ガラスの向こうの庭を真っ直ぐ見て話す遠山の瞳に、照明の光が映りこんで暖かいオレンジ色に光る。 「うん。私も」 「ですよね。美奈さんもこういう感じやないやろうと思いました」  ふっ、と同時に息をついて笑う。  良かった。一緒に働く遠山が自分と全く違う方を向いてなくて。  美奈はテーブルの上の遠山の大きな左手を握りたいような気持ちになった。 * 〈著者紹介〉 浜野稚子(はまのわかこ) 関西在住の主婦。 「自分だけの切り口を見つけて、普通の人の日常をよりリアルに感じていただけるような物語を書きたいと思います」 ☆Twitter:https://twitter.com/hamano_wakako ★作品HP:http://koisurutablier.officialblog.jp

    データ本
    216円
    購入
    紙の本
    -
    購入

    『恋するタブリエ Ⅴ.どうなりたいの?』

    浜野稚子著

    株式会社共幻社発行

    文芸

    -

    ソムリエール頼子は黒、料理人美奈は白のタブリエ(エプロン)をつけて働く三十歳目前の女の子。タブリエの色と同じく、性格も正反対のふたりの仕事と恋の物語。


     皿をひっくり返せばブランド名が記されているとは思うが、それをチェックするのはやめた。
     高級な洋食器ブランドの名前など美奈にはどうせわからない。
     自分の店を持つとしたら―――。
     買ってもいない宝くじの賞金の使い道を夢想するように考えることはある。
     自分なりにこだわった食器を使って、自分なりの店を、と。
     しかし、美奈の考える「こだわり」はこの店のような高級さとは違う。
     河田と一緒に店を、なんて一瞬でも夢見たあの頃の自分の若さに美奈はにが笑いした。
     描いていた未来はもともと違うものだったようだ。

    「すごいなぁと思うんですけど、俺のしたいのとは違います。資金とか度外視しても」
     ガラスの向こうの庭を真っ直ぐ見て話す遠山の瞳に、照明の光が映りこんで暖かいオレンジ色に光る。
    「うん。私も」
    「ですよね。美奈さんもこういう感じやないやろうと思いました」
     ふっ、と同時に息をついて笑う。
     良かった。一緒に働く遠山が自分と全く違う方を向いてなくて。
     美奈はテーブルの上の遠山の大きな左手を握りたいような気持ちになった。


    〈著者紹介〉
    浜野稚子(はまのわかこ)
    関西在住の主婦。
    「自分だけの切り口を見つけて、普通の人の日常をよりリアルに感じていただけるような物語を書きたいと思います」

    ☆Twitter:https://twitter.com/hamano_wakako
    ★作品HP:http://koisurutablier.officialblog.jp

    データ本:216円

  • 『恋するタブリエ Ⅵ.あなたがほしい』

    浜野稚子著

    株式会社共幻社発行

    文芸

    2017.07.15

    d本:100㌻ 文庫版

    -

    レビュー 0

    データ本

    216円

    クーポンコードをお持ちの方はこちら

    「でも、その……一応、そういうんは……はっきりしといた方がよくないですか?」  美奈も納得がいかないといった表情だ。 「何をどうやってはっきりさせんねんな。まぁ、野村さんには後で電話はしてみるけど」  頼子は左手に持った携帯を振って見せる。  いっそ野村が踏み込んできてくれたら、頼子は余計なことを考えずに済んで意外と上手くいくかもしれない。 「頼子さん、……頼子さんの気持ちを大事にしてくださいね……流されんように……よく、考えて。その……私……なんかちょっと、心配です」  まるで美奈に脳内を覗かれたみたいでひやりとした。  核の部分をわざと避けるような言い方で、美奈は忠告めいたことを口にする。  辛気臭い美奈の気遣いが気に障った。  はっきり言えばいいのに。心の中で強がって突っかかる。  実際にはっきり言われたら困るのは頼子だ。  自分の気持ちをどう動かしたらこのもどかしさから解放されるのか、頼子自身わかっていない。 (美奈やって何か悩んどるんやろうが。他人の心配しとる場合ちゃうやろ)  沈黙する頼子と美奈の間を遠山の視線がウロウロとさまよう。 「あの……美奈さん、頼子さん、そろそろケーキ切りましょか。明日も早いですし」  遠山が立ち上がって、冷製料理とデセール用の調理スペースに設置されたナイフラックから長いケーキナイフを抜く。  コックコートを着た遠山は白い騎士のようで、こんな彫刻なかったやろうかと頼子は考える。  おそらく遠山は、最後には美奈のことを颯爽と抱きかかえて救うのだと思う。  羨ましい。  白いトラックに乗った次郎さんが一瞬頼子の頭の中を横切って、止まらずに行ってしまった。

    データ本
    216円
    購入
    紙の本
    -
    購入

    『恋するタブリエ Ⅵ.あなたがほしい』

    浜野稚子著

    株式会社共幻社発行

    文芸

    -

    「でも、その……一応、そういうんは……はっきりしといた方がよくないですか?」
     美奈も納得がいかないといった表情だ。
    「何をどうやってはっきりさせんねんな。まぁ、野村さんには後で電話はしてみるけど」
     頼子は左手に持った携帯を振って見せる。
     いっそ野村が踏み込んできてくれたら、頼子は余計なことを考えずに済んで意外と上手くいくかもしれない。
    「頼子さん、……頼子さんの気持ちを大事にしてくださいね……流されんように……よく、考えて。その……私……なんかちょっと、心配です」
     まるで美奈に脳内を覗かれたみたいでひやりとした。
     核の部分をわざと避けるような言い方で、美奈は忠告めいたことを口にする。
     辛気臭い美奈の気遣いが気に障った。
     はっきり言えばいいのに。心の中で強がって突っかかる。
     実際にはっきり言われたら困るのは頼子だ。
     自分の気持ちをどう動かしたらこのもどかしさから解放されるのか、頼子自身わかっていない。

    (美奈やって何か悩んどるんやろうが。他人の心配しとる場合ちゃうやろ)

     沈黙する頼子と美奈の間を遠山の視線がウロウロとさまよう。
    「あの……美奈さん、頼子さん、そろそろケーキ切りましょか。明日も早いですし」
     遠山が立ち上がって、冷製料理とデセール用の調理スペースに設置されたナイフラックから長いケーキナイフを抜く。
     コックコートを着た遠山は白い騎士のようで、こんな彫刻なかったやろうかと頼子は考える。
     おそらく遠山は、最後には美奈のことを颯爽と抱きかかえて救うのだと思う。
     羨ましい。
     白いトラックに乗った次郎さんが一瞬頼子の頭の中を横切って、止まらずに行ってしまった。

    データ本:216円

  • d本:110㌻ 文庫版

    -

    レビュー 0

    データ本

    216円

    クーポンコードをお持ちの方はこちら

    《大好評の恋タブシリーズ、感動の最終回!》  頼子は自分のことをよく話す。  一つの出来ごとについて、自分の思ったことをああだこうだ。 「なぁ、美奈どう思う?」  笑い話も腹が立った話もくだらない話も、表情を変え身振りもつけて忙しく。   そのくせ頼子はあまり恋の話をしない。  見た目が派手なため恋愛に積極的そうに見えるが、その方面には意外と弱腰だ。  しかし、美奈はわかっている。頼子の口からよく出て来る名前で、頼子が誰のことを想っているのか。  無駄に一緒に暮らしているわけではない。頼子は美奈の同僚であり、同居人であり、友人だ。  重たいと思ってなるべく人とのかかわりを持たないように気を付けていたのに、一人で三役も持っている近しい人を作ってしまった。放っておけるわけがない。 「さぁ、うちらも行こか」  美奈は白いタブリエを緩める。 「おう」  遠山が腰に手を当て掛け声のような返事をした。

    データ本
    216円
    購入
    紙の本
    -
    購入

    『恋するタブリエ Ⅶ.幸せのマリアージュ(完)』

    浜野稚子著

    株式会社共幻社発行

    文芸

    -

    《大好評の恋タブシリーズ、感動の最終回!》

     頼子は自分のことをよく話す。
     一つの出来ごとについて、自分の思ったことをああだこうだ。
    「なぁ、美奈どう思う?」
     笑い話も腹が立った話もくだらない話も、表情を変え身振りもつけて忙しく。 

     そのくせ頼子はあまり恋の話をしない。
     見た目が派手なため恋愛に積極的そうに見えるが、その方面には意外と弱腰だ。
     しかし、美奈はわかっている。頼子の口からよく出て来る名前で、頼子が誰のことを想っているのか。
     無駄に一緒に暮らしているわけではない。頼子は美奈の同僚であり、同居人であり、友人だ。
     重たいと思ってなるべく人とのかかわりを持たないように気を付けていたのに、一人で三役も持っている近しい人を作ってしまった。放っておけるわけがない。

    「さぁ、うちらも行こか」

     美奈は白いタブリエを緩める。

    「おう」

     遠山が腰に手を当て掛け声のような返事をした。

    データ本:216円

  • 『私と光石君の恋物語』

    山﨑歩帆著

    共幻文庫発行

    文芸

    2018.04.04

    d本:154㌻ 文庫版

    -

    レビュー 0

    データ本

    216円

    クーポンコードをお持ちの方はこちら

    【キャラクター紹介】 〈小池マリ(主人公)〉 恋に悩める女の子。光石君のことになると思考がおかしくなる。時おり出てくる妙な英語表現とキレのあるツッコミが持ち味。 〈光石君〉 野菜を愛する新感覚系ジェントルマン。キザなセリフが嫌味に聞こえないほどに独自の世界観を醸し出している。 〈坂本眞子〉 マリとは保育園からの腐れ縁。『美しすぎるこけしを守る会』が発足されるほどの容姿の持ち主だが、中身はわりとサタン。 【著者紹介】 ・山﨑 歩帆(やまざき あゆほ) ラジオ、映画、ゲーム、海外ドラマを主食とするほ乳類。 関東圏内の「娘夫婦と一緒に暮らしたい町ナンバー1※私調べ」の某地域にて生息中。 『人類皆兄弟説』を「笑える小説」で具現化すべく奮闘中である。 今現在の目標はイチゴを野菜と認めること。 Twitter:@zakiyamaayuho

    データ本
    216円
    購入
    紙の本
    -
    購入

    『私と光石君の恋物語』

    山﨑歩帆著

    共幻文庫発行

    文芸

    -

    【キャラクター紹介】
    〈小池マリ(主人公)〉
    恋に悩める女の子。光石君のことになると思考がおかしくなる。時おり出てくる妙な英語表現とキレのあるツッコミが持ち味。

    〈光石君〉
    野菜を愛する新感覚系ジェントルマン。キザなセリフが嫌味に聞こえないほどに独自の世界観を醸し出している。

    〈坂本眞子〉
    マリとは保育園からの腐れ縁。『美しすぎるこけしを守る会』が発足されるほどの容姿の持ち主だが、中身はわりとサタン。

    【著者紹介】
    ・山﨑 歩帆(やまざき あゆほ)
    ラジオ、映画、ゲーム、海外ドラマを主食とするほ乳類。
    関東圏内の「娘夫婦と一緒に暮らしたい町ナンバー1※私調べ」の某地域にて生息中。
    『人類皆兄弟説』を「笑える小説」で具現化すべく奮闘中である。
    今現在の目標はイチゴを野菜と認めること。
    Twitter:@zakiyamaayuho

    データ本:216円

  • 『私と光石君の恋物語②』

    山﨑歩帆著

    共幻文庫発行

    文芸

    2017.07.16

    d本:152㌻ 文庫版

    -

    レビュー 0

    データ本

    216円

    クーポンコードをお持ちの方はこちら

    【キャラクター紹介】 〈小池マリ(主人公)〉 恋に悩める女の子。光石君のことになると思考がおかしくなる。時おり出てくる妙な英語表現とキレのあるツッコミが持ち味。 〈光石君〉 野菜を愛する新感覚系ジェントルマン。キザなセリフが嫌味に聞こえないほどに独自の世界観を醸し出している。 〈坂本眞子〉 マリとは保育園からの腐れ縁。『美しすぎるこけしを守る会』が発足されるほどの容姿の持ち主だが、中身はわりとサタン。 【著者紹介】 ・山﨑 歩帆(やまざき あゆほ) ラジオ、映画、ゲーム、海外ドラマを主食とするほ乳類。 関東圏内の「娘夫婦と一緒に暮らしたい町ナンバー1※私調べ」の某地域にて生息中。 『人類皆兄弟説』を「笑える小説」で具現化すべく奮闘中である。 今現在の目標はイチゴを野菜と認めること。 Twitter:@zakiyamaayuho

    データ本
    216円
    購入
    紙の本
    -
    購入

    『私と光石君の恋物語②』

    山﨑歩帆著

    共幻文庫発行

    文芸

    -

    【キャラクター紹介】
    〈小池マリ(主人公)〉
    恋に悩める女の子。光石君のことになると思考がおかしくなる。時おり出てくる妙な英語表現とキレのあるツッコミが持ち味。

    〈光石君〉
    野菜を愛する新感覚系ジェントルマン。キザなセリフが嫌味に聞こえないほどに独自の世界観を醸し出している。

    〈坂本眞子〉
    マリとは保育園からの腐れ縁。『美しすぎるこけしを守る会』が発足されるほどの容姿の持ち主だが、中身はわりとサタン。

    【著者紹介】
    ・山﨑 歩帆(やまざき あゆほ)
    ラジオ、映画、ゲーム、海外ドラマを主食とするほ乳類。
    関東圏内の「娘夫婦と一緒に暮らしたい町ナンバー1※私調べ」の某地域にて生息中。
    『人類皆兄弟説』を「笑える小説」で具現化すべく奮闘中である。
    今現在の目標はイチゴを野菜と認めること。
    Twitter:@zakiyamaayuho

    データ本:216円

株式会社共幻社

読むアプリ

※アプリで本を読むには
会員登録が必要です。

書店一覧
book store

その他の書店

    • お葬式

      お葬式

      髙橋 豊著

      北本世之介出版発行

      単行本『大往生の現場から』(ジャパンミックス=解散)に、朝日新聞社出版局刊の『死よ!!』(=共著)の中から筆者が取材執筆した「二億円市場の光と影」の項を加えた。  「二億円市場の光と影」が、基本的な資料価値を、現在も持っていると考えたからである。  さて、不老不死や若返りの特効薬でも発明されない限り、いずれ死は万人に訪れる普遍的な現実である。 最近は、葬儀やお墓もいらないと考える人も増えてきたが、まだまだ実際は、死を迎えたとき、多くの人々が通夜や葬儀、すなわち葬儀社やお坊さんとの関係ができることになる。  本書は、人間の死の現場、とくに葬儀の場面にまつわる人間臭いエピソードを集めてみたものだ。 泣ける話、笑える話、ホロリと心があたたまる話……等、お葬式にまつわる、生き残った人間たちのちょいとドキッとする物語集。

      データ本
      300円
      購入
      紙の本
      -
      購入
    • 背徳の海前編

      背徳の海前編

      北本世之介著

      北本世之介出版発行

      かつて、『別冊・週刊マンガタイムズ』(芳文社刊)で3年間余り連載され、1年間は他の追随を許さずアンケートぶっちぎりトップ人気を続けた評判作品。『マル秘 欲望ファイル』の書名で黒田出版興文社(=解散)から文庫化出版。(前編)    世間の常識を打ちのめす人間のリアルな姿、タブー知らずの男と女の愛の形、ハレンチという言葉も及ばない放胆な蜜戯、飽むことなき猟色……。因果な商売の探偵が見た、現代ニッポンの光と影、人間の浅ましき強欲、底知れぬ欲望の闇、そして希望……。 この世に男と女が存在する限り、日本全国津々浦々、引きも切らずに怪異事件や驚嘆ドラマが生まれては消える。ときにはウンザリするような、ときには目もくらむばかりの官能的世界が姿を現わす。 そんな百花繚乱の世界に、ベテラン一匹狼探偵の目を通して迫る衝撃のレポート!

      データ本
      300円
      購入
      紙の本
      -
      購入
    • JUNE. JULY. 2013. CHIGASAKI. SAPPORO. NAYORO.

      2013年7月4日更新 後半にエラーが出るため、Version-2.0 へ、データを移行。 ………………………… 2013年7月4日更新 表紙の変更。10. Photoshop Date 追加。 ………………………… 2013年7月3日更新 「01. CHIGASAKI」の画像4点を追加。 「07. SAPPORO」の画像4点を追加。 ………………………… JUNE. JULY. 2013. CHIGASAKI. SAPPORO. NAYORO.

      データ本
      無料
      読む
      紙の本
      -
      購入
    • ALWAYS STAND BY ME

      ALWAYS STAND BY ME

      hukahuka ( hideki . u )著

      kolemoyondokiya 図書発行

      2013年7月12日更新 ■絵本のムービーを作ってみました。 YouTubeでも見えるようになってます↓ _ golden_retriever_non_2013.mp4 (2:19) http://youtu.be/2myDHxodRaA ………………………… 2013年7月4日更新 表紙カラーの変更。 ………………………… 2013年6月12日更新 22p 追加 : 20130612 : ………………………… 2013年6月10日更新 14new-20p 追加更新: 20130610 : ………………………… 2013年6月8日更新 14pを更新20130608 : ………………………… 2013年6月6日更新 表3を更新:20130607 : ………………………… 2013年6月6日更新 5p, 6p を更新:20130606 : ………………………… 2013年6月6日更新 20130606 : ………………………… 2013年6月5日更新 20130606 : ………………………… 近くのゴールデンレトリバーの のんちゃのお話。

      データ本
      無料
      読む
      紙の本
      -
      購入
    • Ability Load ⇒ Enter

      表紙イラスト:零-0 著者:ロール(文月ロク編)伊織 千景(一条源一郎編) 【あらすじ】 ゲーム好きの男子高校生「宮野卓(みやのたく)」は、ある日、地下クラブで「文月(ふみつき)ロク」という少女に出会う。「勝てば願いを叶える」という彼女とのゲームに自信満々に挑むも、その結果は惨敗。ペナルティを課された卓は「Ability Load ⇒ Enter」という不思議な能力に目覚めさせられ、ロクの下僕となることを誓わされる。謎の男や度重なる警告、予期せぬ戦いに巻き込まれる卓であったが、肝心の能力は「細長いものの長さを調節できる」という微妙な内容だった――。 【解説】 創作サークル「CLOCKWORK SQUARE」のビジュアルノベルをノベライズ。小説版のみの書き下ろしとして「一条源一郎編」を追加。敵側の視点で見た「Ability Load ⇒ Enter」は、この物語の「意味」を根底から覆す! 君はこの物語に仕込まれた「真相」を見抜けるか? ビジュアルノベルゲームその他の情報は「CLOCKWORK SQUARE」特設サイトをチェック! http://clockworksquare.kotobanova.com/abirou-sp/

      データ本
      519円
      購入
      紙の本
      -
      購入
    • コンビニ宇宙人

      コンビニ宇宙人

      森守 弥仁著

      CLOCKWORK SQUARE発行

      地球潜入なんて、簡単だと思っていたのにーー 滅びゆく同胞のため新天地を求めて地球へやってきた宇宙人のニケは、名古屋にある大須商店街で行方不明の仲間を探している最中に、宇宙船の鍵を失くしてしまう。 仕方なく大須商店街で捜索活動を続けるニケ。猫の体を借りての地上生活は危険が多く、鍵も仲間も見つけられずに戸惑うばかりの毎日だった。 地球人など下等で野蛮だと思っていたが、動物行動学を研究しているハカセや、コンビニの学生アルバイトでメガネ、同じくギター女子の梨世、変態チンピラのミキオ、ホームレスのキュータロー、野良猫のカモメ、そしてメガネたちが働くコンビニエンスストア『24』に集う人々など、ちょっとクセのある人間たちや他の地球生物と触れ合ううちにニケの心は少しずつ変わってゆく。 ニケは仲間を見つけられるのか、そして地球は新天地となりうるのか。 これは、ニケと出会った人たちが織りなす、ほのぼの群像コメディ。

      データ本
      519円
      購入
      紙の本
      1,500円
      購入
    • しげい帖

      しげい帖

      村上美香著

      マチオモイ帖発行

      「マチオモイ帖」は、日本各地のクリエイターが、それぞれのオモイが詰まった大切な町を自分だけの視点で表現するプロジェクトです。 2011年の大阪での展示に始まり、現在では日本各地で展覧会を展開し、大きな反響を呼んでいます。 この本は、これまで「マチオモイ帖」に集まった数多くのミニブックの中の1冊です。

      データ本
      無料
      読む
      紙の本
      -
      購入
    • おおの帖

      おおの帖

      中村佳苗著

      マチオモイ帖発行

      「マチオモイ帖」は、日本各地のクリエイターが、それぞれのオモイが詰まった大切な町を自分だけの視点で表現するプロジェクトです。 2011年の大阪での展示に始まり、現在では日本各地で展覧会を展開し、大きな反響を呼んでいます。 この本は、これまで「マチオモイ帖」に集まった数多くのミニブックの中の1冊です。

      データ本
      無料
      読む
      紙の本
      -
      購入