共幻社

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更新 2017.07.17

ジャンル 文芸11

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  • 『共幻文庫 短編小説コンテスト2016』

    共幻社著

    株式会社共幻社発行

    文芸

    2018.02.28

    d本:412㌻ 文庫版

    ★★★★★

    -

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    『共幻文庫短編小説コンテスト2016』 応募総数323作品から選ばれた優秀賞10作品・佳作10作品」をお届けいたします。

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    『共幻文庫 短編小説コンテスト2016』

    共幻社著

    株式会社共幻社発行

    文芸

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    『共幻文庫短編小説コンテスト2016』

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  • d本:1410㌻ 文庫版

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    『共幻文庫短編小説コンテスト2015』 応募総数793作品から選ばれた「優秀賞12作品」「佳作65作品」をまとめてお届けいたします。

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    『共幻文庫 短編小説コンテスト2015』

    共幻社著

    共幻文庫発行

    文芸

    ★★★★★

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    『共幻文庫短編小説コンテスト2015』

    応募総数793作品から選ばれた「優秀賞12作品」「佳作65作品」をまとめてお届けいたします。

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  • d本:82㌻ 文庫版

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    〈作品紹介〉 ソムリエール頼子は黒、料理人美奈は白のタブリエ(エプロン)をつけて働く三十歳目前の女の子。タブリエの色と同じく、性格も正反対のふたりの仕事と恋の物語。 * 「美奈……私、明日、最高に不細工な顔して働くことになるんやろうと思うわ」 「そんな日もありますよ、人間なんやから」 「一応接客サービスのプロやのに」 「ほんなら、そういう日は不機嫌な顔をごまかす技術つけたらええんです。頼子さんがここへ働きに来る前に、シェフはめっちゃ頼子さんのこと調べてました。いろんな人に頼子さんのこと聞いて。それで評判がいいことを知って引き抜きに行ったんです。そやから、頼子さんはもっと自信を持ってええんです」 ぽろりと涙が頬を伝って、美奈の頭の上に落ちた。 一粒また一粒、美奈の黒い髪が頼子の涙を吸いこんで濡れていく。 ただ地味で鈍感な人だと思って美奈を軽く見ていた。 美奈は人に甘えずひとりでしっかり立っているのに、こんなに人に寄り添うのが上手なのだ。 * 仕事に、恋に。 悩める女性に読んで欲しい。 共幻文庫 短編小説コンテスト2015 最優秀作品賞『恋の章の終わりに』連載化作品 * 〈著者紹介〉 浜野稚子(はまのわかこ) 関西在住の主婦。 「自分だけの切り口を見つけて、普通の人の日常をよりリアルに感じていただけるような物語を書きたいと思います」

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    『恋するタブリエ Ⅰ.頼子と美奈』

    浜野稚子著

    共幻社発行

    文芸

    ★★★★★

    -

    〈作品紹介〉
    ソムリエール頼子は黒、料理人美奈は白のタブリエ(エプロン)をつけて働く三十歳目前の女の子。タブリエの色と同じく、性格も正反対のふたりの仕事と恋の物語。

    *

    「美奈……私、明日、最高に不細工な顔して働くことになるんやろうと思うわ」
    「そんな日もありますよ、人間なんやから」
    「一応接客サービスのプロやのに」
    「ほんなら、そういう日は不機嫌な顔をごまかす技術つけたらええんです。頼子さんがここへ働きに来る前に、シェフはめっちゃ頼子さんのこと調べてました。いろんな人に頼子さんのこと聞いて。それで評判がいいことを知って引き抜きに行ったんです。そやから、頼子さんはもっと自信を持ってええんです」

    ぽろりと涙が頬を伝って、美奈の頭の上に落ちた。
    一粒また一粒、美奈の黒い髪が頼子の涙を吸いこんで濡れていく。
    ただ地味で鈍感な人だと思って美奈を軽く見ていた。
    美奈は人に甘えずひとりでしっかり立っているのに、こんなに人に寄り添うのが上手なのだ。

    *

    仕事に、恋に。
    悩める女性に読んで欲しい。

    共幻文庫 短編小説コンテスト2015
    最優秀作品賞『恋の章の終わりに』連載化作品

    *

    〈著者紹介〉
    浜野稚子(はまのわかこ)
    関西在住の主婦。
    「自分だけの切り口を見つけて、普通の人の日常をよりリアルに感じていただけるような物語を書きたいと思います」

    データ本:220円

  • d本:112㌻ 文庫版

    ★★★★★

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    ソムリエール頼子は黒、料理人美奈は白のタブリエ(エプロン)をつけて働く三十歳目前の女の子。タブリエの色と同じく、性格も正反対のふたりの仕事と恋の物語。 *  人はすぐに快適なものの方へ流される。  美奈はそれが怖い。  一度心地よさを知ると、失ったときの苦しさは耐え難い。  だから美奈はなるべく人と関わらないようにしてきたし、物をあまり持たない。  誰かの肩に寄りかかってはいけない。もちろん、頼子にも。  美奈はキュッと唇を結ぶ。  頼子は前に終わった恋愛で人肌の温かさを知ったと言った。  美奈はそれ以上に、失った後の冷たさのことを強く覚えている。 * 仕事に、恋に。 悩める女性に読んで欲しい。 共幻文庫 短編小説コンテスト2015 最優秀作品賞『恋の章の終わりに』連載化作品 * 〈著者紹介〉 浜野稚子(はまのわかこ) 関西在住の主婦。 「自分だけの切り口を見つけて、普通の人の日常をよりリアルに感じていただけるような物語を書きたいと思います」

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    『恋するタブリエ Ⅱ.恋の章の終わりに』

    浜野稚子著

    共幻社発行

    文芸

    ★★★★★

    -

    ソムリエール頼子は黒、料理人美奈は白のタブリエ(エプロン)をつけて働く三十歳目前の女の子。タブリエの色と同じく、性格も正反対のふたりの仕事と恋の物語。

    *

     人はすぐに快適なものの方へ流される。
     美奈はそれが怖い。
     一度心地よさを知ると、失ったときの苦しさは耐え難い。
     だから美奈はなるべく人と関わらないようにしてきたし、物をあまり持たない。
     誰かの肩に寄りかかってはいけない。もちろん、頼子にも。

     美奈はキュッと唇を結ぶ。
     頼子は前に終わった恋愛で人肌の温かさを知ったと言った。
     美奈はそれ以上に、失った後の冷たさのことを強く覚えている。

    *

    仕事に、恋に。 悩める女性に読んで欲しい。

    共幻文庫 短編小説コンテスト2015
    最優秀作品賞『恋の章の終わりに』連載化作品

    *

    〈著者紹介〉
    浜野稚子(はまのわかこ)
    関西在住の主婦。
    「自分だけの切り口を見つけて、普通の人の日常をよりリアルに感じていただけるような物語を書きたいと思います」

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  • 『恋するタブリエ Ⅲ.出来の良い後輩』

    浜野稚子著

    株式会社共幻社発行

    文芸

    2017.07.15

    d本:84㌻ 文庫版

    ★★★★★

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    ソムリエール頼子は黒、料理人美奈は白のタブリエ(エプロン)をつけて働く三十歳目前の女の子。タブリエの色と同じく、性格も正反対のふたりの仕事と恋の物語。 *  正直に言えば、美奈はけして遠山にどの仕事をさせたらいいのかわからなかったのではない。  どれも遠山に奪われたくなかっただけだ。  仕事覚えも良くて器用な遠山はきっと美奈が仕事を与えれば与えただけすぐに自分の物にしていく。  美奈はそれに怯えていた。  『遠山ができるようになっても、美奈にとって当たり障りのない仕事』  それを探すのに頭を悩ませて。  岩崎は今まで坊主に自分から仕事を教えることはあまりなかった。  坊主への仕事はいつも美奈を通して指示していた。  それなのに、遠山は。やはり素質があるということだろうか。  岩崎は美奈の遠山への嫉妬心を見抜き、美奈には委ねられないと判断したのか。  苛立ちと羞恥が混じりあって美奈の体温を上げる。  握った掌にはじっとりと汗をかいていた。 * 仕事に、恋に。 悩める女性に読んで欲しい。 共幻文庫 短編小説コンテスト2015 最優秀作品賞『恋の章の終わりに』連載化作品 * 〈著者紹介〉 浜野稚子(はまのわかこ) 関西在住の主婦。 「自分だけの切り口を見つけて、普通の人の日常をよりリアルに感じていただけるような物語を書きたいと思います」 ☆Twitter:https://twitter.com/hamano_wakako ★作品HP:http://koisurutablier.officialblog.jp

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    『恋するタブリエ Ⅲ.出来の良い後輩』

    浜野稚子著

    株式会社共幻社発行

    文芸

    ★★★★★

    -

    ソムリエール頼子は黒、料理人美奈は白のタブリエ(エプロン)をつけて働く三十歳目前の女の子。タブリエの色と同じく、性格も正反対のふたりの仕事と恋の物語。

    *

     正直に言えば、美奈はけして遠山にどの仕事をさせたらいいのかわからなかったのではない。
     どれも遠山に奪われたくなかっただけだ。
     仕事覚えも良くて器用な遠山はきっと美奈が仕事を与えれば与えただけすぐに自分の物にしていく。
     美奈はそれに怯えていた。

     『遠山ができるようになっても、美奈にとって当たり障りのない仕事』
     それを探すのに頭を悩ませて。

     岩崎は今まで坊主に自分から仕事を教えることはあまりなかった。
     坊主への仕事はいつも美奈を通して指示していた。
     それなのに、遠山は。やはり素質があるということだろうか。
     岩崎は美奈の遠山への嫉妬心を見抜き、美奈には委ねられないと判断したのか。

     苛立ちと羞恥が混じりあって美奈の体温を上げる。
     握った掌にはじっとりと汗をかいていた。

    *

    仕事に、恋に。 悩める女性に読んで欲しい。

    共幻文庫 短編小説コンテスト2015
    最優秀作品賞『恋の章の終わりに』連載化作品

    *

    〈著者紹介〉
    浜野稚子(はまのわかこ)
    関西在住の主婦。
    「自分だけの切り口を見つけて、普通の人の日常をよりリアルに感じていただけるような物語を書きたいと思います」

    ☆Twitter:https://twitter.com/hamano_wakako
    ★作品HP:http://koisurutablier.officialblog.jp

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  • 『恋するタブリエ Ⅳ.ワインノート』

    浜野稚子著

    株式会社共幻社発行

    文芸

    2017.07.15

    d本:100㌻ 文庫版

    ★★★★★

    -

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     ソムリエール頼子は黒、料理人美奈は白のタブリエ(エプロン)をつけて働く三十歳目前の女の子。タブリエの色と同じく、性格も正反対のふたりの仕事と恋の物語。 *  すべての客がほぼ同じ時間にやってきて、店内は一時混沌とした。  上着の預かりや席への案内だけでも手を焼き、コックコート姿の遠山に力を借りることになる。  前菜の盛り付けやメインディッシュに沿える野菜の準備、デセールの仕上げ、洗い物、遠山には遠山の仕事がたくさんあるというのに。  「ごめんね」  頼子はおしぼりを運ぶ遠山にすれ違いざまに声を掛ける。 「大丈夫です。ホールの仕事で判断できない時は、頼子さんの目を見て困ってることを知らせて指示を仰ぐようにって、美奈さんが」 (美奈が……)  いつからなのか。美奈は少しずつ頼もしくなっている。  後輩との呼吸があってきたことで作業に余裕が出来たせいか、周りがよく見えている。  ランチメニューを任され自信をつけてきたし、実際料理技術も上げていた。   (私は何か変われるんやろか)  自分を成長させるような出来事が起きるような気がしない。  回る長縄跳びの輪に一人だけリズムが合わずに入れないような焦りが頼子を支配する。 * 〈著者紹介〉 浜野稚子(はまのわかこ) 関西在住の主婦。 「自分だけの切り口を見つけて、普通の人の日常をよりリアルに感じていただけるような物語を書きたいと思います」 ☆Twitter:https://twitter.com/hamano_wakako ★作品HP:http://koisurutablier.officialblog.jp

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    『恋するタブリエ Ⅳ.ワインノート』

    浜野稚子著

    株式会社共幻社発行

    文芸

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    -

     ソムリエール頼子は黒、料理人美奈は白のタブリエ(エプロン)をつけて働く三十歳目前の女の子。タブリエの色と同じく、性格も正反対のふたりの仕事と恋の物語。

    *

     すべての客がほぼ同じ時間にやってきて、店内は一時混沌とした。
     上着の預かりや席への案内だけでも手を焼き、コックコート姿の遠山に力を借りることになる。
     前菜の盛り付けやメインディッシュに沿える野菜の準備、デセールの仕上げ、洗い物、遠山には遠山の仕事がたくさんあるというのに。

     「ごめんね」

     頼子はおしぼりを運ぶ遠山にすれ違いざまに声を掛ける。

    「大丈夫です。ホールの仕事で判断できない時は、頼子さんの目を見て困ってることを知らせて指示を仰ぐようにって、美奈さんが」

    (美奈が……)

     いつからなのか。美奈は少しずつ頼もしくなっている。
     後輩との呼吸があってきたことで作業に余裕が出来たせいか、周りがよく見えている。
     ランチメニューを任され自信をつけてきたし、実際料理技術も上げていた。  

    (私は何か変われるんやろか)

     自分を成長させるような出来事が起きるような気がしない。
     回る長縄跳びの輪に一人だけリズムが合わずに入れないような焦りが頼子を支配する。

    *

    〈著者紹介〉
    浜野稚子(はまのわかこ)
    関西在住の主婦。
    「自分だけの切り口を見つけて、普通の人の日常をよりリアルに感じていただけるような物語を書きたいと思います」

    ☆Twitter:https://twitter.com/hamano_wakako
    ★作品HP:http://koisurutablier.officialblog.jp

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  • d本:98㌻ 文庫版

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    ソムリエール頼子は黒、料理人美奈は白のタブリエ(エプロン)をつけて働く三十歳目前の女の子。タブリエの色と同じく、性格も正反対のふたりの仕事と恋の物語。 *  皿をひっくり返せばブランド名が記されているとは思うが、それをチェックするのはやめた。  高級な洋食器ブランドの名前など美奈にはどうせわからない。  自分の店を持つとしたら―――。  買ってもいない宝くじの賞金の使い道を夢想するように考えることはある。  自分なりにこだわった食器を使って、自分なりの店を、と。  しかし、美奈の考える「こだわり」はこの店のような高級さとは違う。  河田と一緒に店を、なんて一瞬でも夢見たあの頃の自分の若さに美奈はにが笑いした。  描いていた未来はもともと違うものだったようだ。 「すごいなぁと思うんですけど、俺のしたいのとは違います。資金とか度外視しても」  ガラスの向こうの庭を真っ直ぐ見て話す遠山の瞳に、照明の光が映りこんで暖かいオレンジ色に光る。 「うん。私も」 「ですよね。美奈さんもこういう感じやないやろうと思いました」  ふっ、と同時に息をついて笑う。  良かった。一緒に働く遠山が自分と全く違う方を向いてなくて。  美奈はテーブルの上の遠山の大きな左手を握りたいような気持ちになった。 * 〈著者紹介〉 浜野稚子(はまのわかこ) 関西在住の主婦。 「自分だけの切り口を見つけて、普通の人の日常をよりリアルに感じていただけるような物語を書きたいと思います」 ☆Twitter:https://twitter.com/hamano_wakako ★作品HP:http://koisurutablier.officialblog.jp

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    『恋するタブリエ Ⅴ.どうなりたいの?』

    浜野稚子著

    株式会社共幻社発行

    文芸

    ★★★★★

    -

    ソムリエール頼子は黒、料理人美奈は白のタブリエ(エプロン)をつけて働く三十歳目前の女の子。タブリエの色と同じく、性格も正反対のふたりの仕事と恋の物語。

    *
     皿をひっくり返せばブランド名が記されているとは思うが、それをチェックするのはやめた。
     高級な洋食器ブランドの名前など美奈にはどうせわからない。
     自分の店を持つとしたら―――。
     買ってもいない宝くじの賞金の使い道を夢想するように考えることはある。
     自分なりにこだわった食器を使って、自分なりの店を、と。
     しかし、美奈の考える「こだわり」はこの店のような高級さとは違う。
     河田と一緒に店を、なんて一瞬でも夢見たあの頃の自分の若さに美奈はにが笑いした。
     描いていた未来はもともと違うものだったようだ。

    「すごいなぁと思うんですけど、俺のしたいのとは違います。資金とか度外視しても」
     ガラスの向こうの庭を真っ直ぐ見て話す遠山の瞳に、照明の光が映りこんで暖かいオレンジ色に光る。
    「うん。私も」
    「ですよね。美奈さんもこういう感じやないやろうと思いました」
     ふっ、と同時に息をついて笑う。
     良かった。一緒に働く遠山が自分と全く違う方を向いてなくて。
     美奈はテーブルの上の遠山の大きな左手を握りたいような気持ちになった。

    *
    〈著者紹介〉
    浜野稚子(はまのわかこ)
    関西在住の主婦。
    「自分だけの切り口を見つけて、普通の人の日常をよりリアルに感じていただけるような物語を書きたいと思います」

    ☆Twitter:https://twitter.com/hamano_wakako
    ★作品HP:http://koisurutablier.officialblog.jp

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  • 『恋するタブリエ Ⅵ.あなたがほしい』

    浜野稚子著

    株式会社共幻社発行

    文芸

    2017.07.15

    d本:100㌻ 文庫版

    ★★★★★

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    「でも、その……一応、そういうんは……はっきりしといた方がよくないですか?」  美奈も納得がいかないといった表情だ。 「何をどうやってはっきりさせんねんな。まぁ、野村さんには後で電話はしてみるけど」  頼子は左手に持った携帯を振って見せる。  いっそ野村が踏み込んできてくれたら、頼子は余計なことを考えずに済んで意外と上手くいくかもしれない。 「頼子さん、……頼子さんの気持ちを大事にしてくださいね……流されんように……よく、考えて。その……私……なんかちょっと、心配です」  まるで美奈に脳内を覗かれたみたいでひやりとした。  核の部分をわざと避けるような言い方で、美奈は忠告めいたことを口にする。  辛気臭い美奈の気遣いが気に障った。  はっきり言えばいいのに。心の中で強がって突っかかる。  実際にはっきり言われたら困るのは頼子だ。  自分の気持ちをどう動かしたらこのもどかしさから解放されるのか、頼子自身わかっていない。 (美奈やって何か悩んどるんやろうが。他人の心配しとる場合ちゃうやろ)  沈黙する頼子と美奈の間を遠山の視線がウロウロとさまよう。 「あの……美奈さん、頼子さん、そろそろケーキ切りましょか。明日も早いですし」  遠山が立ち上がって、冷製料理とデセール用の調理スペースに設置されたナイフラックから長いケーキナイフを抜く。  コックコートを着た遠山は白い騎士のようで、こんな彫刻なかったやろうかと頼子は考える。  おそらく遠山は、最後には美奈のことを颯爽と抱きかかえて救うのだと思う。  羨ましい。  白いトラックに乗った次郎さんが一瞬頼子の頭の中を横切って、止まらずに行ってしまった。

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    『恋するタブリエ Ⅵ.あなたがほしい』

    浜野稚子著

    株式会社共幻社発行

    文芸

    ★★★★★

    -

    「でも、その……一応、そういうんは……はっきりしといた方がよくないですか?」
     美奈も納得がいかないといった表情だ。
    「何をどうやってはっきりさせんねんな。まぁ、野村さんには後で電話はしてみるけど」
     頼子は左手に持った携帯を振って見せる。
     いっそ野村が踏み込んできてくれたら、頼子は余計なことを考えずに済んで意外と上手くいくかもしれない。
    「頼子さん、……頼子さんの気持ちを大事にしてくださいね……流されんように……よく、考えて。その……私……なんかちょっと、心配です」
     まるで美奈に脳内を覗かれたみたいでひやりとした。
     核の部分をわざと避けるような言い方で、美奈は忠告めいたことを口にする。
     辛気臭い美奈の気遣いが気に障った。
     はっきり言えばいいのに。心の中で強がって突っかかる。
     実際にはっきり言われたら困るのは頼子だ。
     自分の気持ちをどう動かしたらこのもどかしさから解放されるのか、頼子自身わかっていない。

    (美奈やって何か悩んどるんやろうが。他人の心配しとる場合ちゃうやろ)

     沈黙する頼子と美奈の間を遠山の視線がウロウロとさまよう。
    「あの……美奈さん、頼子さん、そろそろケーキ切りましょか。明日も早いですし」
     遠山が立ち上がって、冷製料理とデセール用の調理スペースに設置されたナイフラックから長いケーキナイフを抜く。
     コックコートを着た遠山は白い騎士のようで、こんな彫刻なかったやろうかと頼子は考える。
     おそらく遠山は、最後には美奈のことを颯爽と抱きかかえて救うのだと思う。
     羨ましい。
     白いトラックに乗った次郎さんが一瞬頼子の頭の中を横切って、止まらずに行ってしまった。

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  • d本:110㌻ 文庫版

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    《大好評の恋タブシリーズ、感動の最終回!》  頼子は自分のことをよく話す。  一つの出来ごとについて、自分の思ったことをああだこうだ。 「なぁ、美奈どう思う?」  笑い話も腹が立った話もくだらない話も、表情を変え身振りもつけて忙しく。   そのくせ頼子はあまり恋の話をしない。  見た目が派手なため恋愛に積極的そうに見えるが、その方面には意外と弱腰だ。  しかし、美奈はわかっている。頼子の口からよく出て来る名前で、頼子が誰のことを想っているのか。  無駄に一緒に暮らしているわけではない。頼子は美奈の同僚であり、同居人であり、友人だ。  重たいと思ってなるべく人とのかかわりを持たないように気を付けていたのに、一人で三役も持っている近しい人を作ってしまった。放っておけるわけがない。 「さぁ、うちらも行こか」  美奈は白いタブリエを緩める。 「おう」  遠山が腰に手を当て掛け声のような返事をした。

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    『恋するタブリエ Ⅶ.幸せのマリアージュ(完)』

    浜野稚子著

    株式会社共幻社発行

    文芸

    ★★★★★

    -

    《大好評の恋タブシリーズ、感動の最終回!》

     頼子は自分のことをよく話す。
     一つの出来ごとについて、自分の思ったことをああだこうだ。
    「なぁ、美奈どう思う?」
     笑い話も腹が立った話もくだらない話も、表情を変え身振りもつけて忙しく。 

     そのくせ頼子はあまり恋の話をしない。
     見た目が派手なため恋愛に積極的そうに見えるが、その方面には意外と弱腰だ。
     しかし、美奈はわかっている。頼子の口からよく出て来る名前で、頼子が誰のことを想っているのか。
     無駄に一緒に暮らしているわけではない。頼子は美奈の同僚であり、同居人であり、友人だ。
     重たいと思ってなるべく人とのかかわりを持たないように気を付けていたのに、一人で三役も持っている近しい人を作ってしまった。放っておけるわけがない。

    「さぁ、うちらも行こか」

     美奈は白いタブリエを緩める。

    「おう」

     遠山が腰に手を当て掛け声のような返事をした。

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  • 『私と光石君の恋物語』

    山﨑歩帆著

    共幻文庫発行

    文芸

    2018.04.04

    d本:154㌻ 文庫版

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    【キャラクター紹介】 〈小池マリ(主人公)〉 恋に悩める女の子。光石君のことになると思考がおかしくなる。時おり出てくる妙な英語表現とキレのあるツッコミが持ち味。 〈光石君〉 野菜を愛する新感覚系ジェントルマン。キザなセリフが嫌味に聞こえないほどに独自の世界観を醸し出している。 〈坂本眞子〉 マリとは保育園からの腐れ縁。『美しすぎるこけしを守る会』が発足されるほどの容姿の持ち主だが、中身はわりとサタン。 【著者紹介】 ・山﨑 歩帆(やまざき あゆほ) ラジオ、映画、ゲーム、海外ドラマを主食とするほ乳類。 関東圏内の「娘夫婦と一緒に暮らしたい町ナンバー1※私調べ」の某地域にて生息中。 『人類皆兄弟説』を「笑える小説」で具現化すべく奮闘中である。 今現在の目標はイチゴを野菜と認めること。 Twitter:@zakiyamaayuho

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    『私と光石君の恋物語』

    山﨑歩帆著

    共幻文庫発行

    文芸

    ★★★★★

    -

    【キャラクター紹介】
    〈小池マリ(主人公)〉
    恋に悩める女の子。光石君のことになると思考がおかしくなる。時おり出てくる妙な英語表現とキレのあるツッコミが持ち味。

    〈光石君〉
    野菜を愛する新感覚系ジェントルマン。キザなセリフが嫌味に聞こえないほどに独自の世界観を醸し出している。

    〈坂本眞子〉
    マリとは保育園からの腐れ縁。『美しすぎるこけしを守る会』が発足されるほどの容姿の持ち主だが、中身はわりとサタン。

    【著者紹介】
    ・山﨑 歩帆(やまざき あゆほ)
    ラジオ、映画、ゲーム、海外ドラマを主食とするほ乳類。
    関東圏内の「娘夫婦と一緒に暮らしたい町ナンバー1※私調べ」の某地域にて生息中。
    『人類皆兄弟説』を「笑える小説」で具現化すべく奮闘中である。
    今現在の目標はイチゴを野菜と認めること。
    Twitter:@zakiyamaayuho

    データ本:220円

  • 『私と光石君の恋物語②』

    山﨑歩帆著

    共幻文庫発行

    文芸

    2017.07.16

    d本:152㌻ 文庫版

    ★★★★★

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    【キャラクター紹介】 〈小池マリ(主人公)〉 恋に悩める女の子。光石君のことになると思考がおかしくなる。時おり出てくる妙な英語表現とキレのあるツッコミが持ち味。 〈光石君〉 野菜を愛する新感覚系ジェントルマン。キザなセリフが嫌味に聞こえないほどに独自の世界観を醸し出している。 〈坂本眞子〉 マリとは保育園からの腐れ縁。『美しすぎるこけしを守る会』が発足されるほどの容姿の持ち主だが、中身はわりとサタン。 【著者紹介】 ・山﨑 歩帆(やまざき あゆほ) ラジオ、映画、ゲーム、海外ドラマを主食とするほ乳類。 関東圏内の「娘夫婦と一緒に暮らしたい町ナンバー1※私調べ」の某地域にて生息中。 『人類皆兄弟説』を「笑える小説」で具現化すべく奮闘中である。 今現在の目標はイチゴを野菜と認めること。 Twitter:@zakiyamaayuho

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    『私と光石君の恋物語②』

    山﨑歩帆著

    共幻文庫発行

    文芸

    ★★★★★

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    【キャラクター紹介】
    〈小池マリ(主人公)〉
    恋に悩める女の子。光石君のことになると思考がおかしくなる。時おり出てくる妙な英語表現とキレのあるツッコミが持ち味。

    〈光石君〉
    野菜を愛する新感覚系ジェントルマン。キザなセリフが嫌味に聞こえないほどに独自の世界観を醸し出している。

    〈坂本眞子〉
    マリとは保育園からの腐れ縁。『美しすぎるこけしを守る会』が発足されるほどの容姿の持ち主だが、中身はわりとサタン。

    【著者紹介】
    ・山﨑 歩帆(やまざき あゆほ)
    ラジオ、映画、ゲーム、海外ドラマを主食とするほ乳類。
    関東圏内の「娘夫婦と一緒に暮らしたい町ナンバー1※私調べ」の某地域にて生息中。
    『人類皆兄弟説』を「笑える小説」で具現化すべく奮闘中である。
    今現在の目標はイチゴを野菜と認めること。
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    • Bedroom Orchestra

      ※音源はOTOTOYにて試聴&配信中! どうぞ物語と一緒にお楽しみ下さい* http://ototoy.jp/feature/20140122 誰もが心の奥に持つ繊細な感情や心の移り変わりを物語の主人公”ナイーブ”に映し出し、ストーリー+アートワーク(w/アートデザイナーTOMOYO)+毎月ひとつの楽曲を1作品として発表していくプロジェクトです。 -------------------------------------------- Neat’s 2.5th album 『Bedroom Orchestra』 〜chapter 1.「Hello,Alone」 〜chapter 2.「スロウモーション・ファンタジーズ」 〜chapter 3.「BBB」 〜chapter 4.「首飾り」 〜chapter 5.「モダンタイムス」 〜chapter 6.「苦いコーヒーに溶けないでシュガーキューブ」 〜chapter 7.「ミス・クラウディの場合」 〜chapter 8.「惑星」 -------------------------------------------- 8ヶ月連続で毎月1曲をデジタル・リリース。 その後2014年2月には同8曲他やサントラを収めたCDと、8ヶ月分のアートワーク+ストーリーが収められた絵本をセットにしたBOXもお届けします。 *単曲、配信音源セットのみ購入も可。

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    • Revive Japan With Music

      2011年3月11日以降、OTOTOYが2年にわたり、音楽やカルチャーに関わる人々に、 原発に対しての考え方やそれぞれの立場で復興にどう関わろうとしているのかを インタビューしてきた連載記事をまとめました。2013年3月に収録した大友良英の最新インタビューも掲載。 データ本は無料。紙本をご購入いただければ、1冊あたり735円をハタチ基金に送金します。

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    • ひかるのきみ 肆

      2022年6月3日更新 2022.6.3「源氏物語の世界」サイトリンク削除 ………………………… 四では「賢木」「花散里」「須磨」を収録しています。 桐壺帝の死を境に大きく動くヒカルの運命。六条御息所との別れから、須磨に落ちるまでを描きます。

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    • ゆめの欠片

      ゆめの欠片

      おさ子著

      みくまり庵発行

      2019年10月1日更新 もっと古い夢日記をいくつか追加しました。 ………………………… 「夢はひらめきの源泉になりうる」 と最近読んだ本にあったので、昔書いた夢日記を紐解いてみました。夢のあのカオスな世界は非常に魅力的ですが、あまり深入りしすぎるのも怖い。ひらめくかどうかはともかく、こうして文字に落とすことが何かの歯止めにもなる気がします。

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    • 俺たちが埋もれさせない

      隠れた名作を追え  隠れた名作漫画・アニメを2作ずつ紹介し、なぜ隠れているのか、なぜ名作といえるのかを読み解いていく。  人気漫画アプリで掲載されていたのに、近年で最上位の作画で描かれたアニメなのに、奇才異才作家が手がけたアニメなのに、ただ忘れ去られるのか。  そんなことはさせない。必ず多くの心を掴んで離さないはずだ。 俺たちが埋もれさせない

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    • 深夜、秘密のマイルームにて。

      今宵、貴女の部屋が秘密基地になる。 いつもと変わらない、あなたの部屋での夜。 カッコつける遊びをしながら、まったりと夜更かししませんか。 この本は、大人ぶりたい乙女に贈る私からの提案書。 ちょっとしたお部屋作りから始まり、夜にピッタリの飲み物、過ごし方、プリンセス気分になる方法までご紹介しちゃいます。 さあ、この本を手に、あなただけの楽しい夜更かしを。 『夜のおともにティーカップ、お酒好きにはカクテルグラス』 『英語で楽しむ深夜の映画鑑賞会』 『“かわいい”を身にまとう』 著:夜丸 茶々

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    • 抑制装置としての宗教

      2022年4月6日更新 いくつか誤字脱字を修正しました。若干の加筆をしました。 ………………………… 地球上のあらゆる人間の集団が宗教もしくは神話をもっている。それをもたない民族や文明は無いといっていい。それはいわゆる高等宗教でなくても、この世の発生のいわれとか、そういったことである。なぜそうなのか。なぜ宗教をもたない民族がないのか。宗教をもたない民族がないということは、宗教現象にはそれなしには済まされない必然の理由があるのだろう。社会に必要だから宗教の現象があるのだろう。その理由をかんがえよう。この本は宗教社会学、宗教の歴史学、宗教の文明論および人間学。 試し読みに内容の一部分をここに転載。 宗教の社会的欲望抑制機能を理論的に分析すると、 一、人びとに安心を与え、現状に安住させる作用。 二、世俗価値を批判し否定する作用。 の二様がある。前者を消極的抑制、後者を積極的抑制機能と呼んでいいだろう。前者は現況に安住させそれ以上の欲望を捨てさせる。「足るを知る」ことである。後者は現在進行中の欲望の暴走を、超世俗価値をもって批判否定し停止させる。喩えるに、前者は火災予防で、後者は消火活動のようなことである。  この二つがあいまって健全な抑制効果を発揮する。二つが上手にバランスを取り、相より相たすけるところに本当の宗教がある。いずれかが強くなりすぎて、バランスを崩すと不健全な宗教に早変わりする。ないほうがかえって世の中のために良い邪教に変わってしまう。  前者ばかり強調されると、時の世俗権力と宗教が結託し、人間抑圧装置となる。世俗界と超世俗界両面からの強力な暴力装置になってしまう。差別行為やさまざまな社会悪を神仏の名を以て認め助長する。マルクスはこれをアヘンと呼んだ。実に正当な批判である。こころある宗教者はみなこの弊害に気づいている。警邏を鳴らす書物はいっぱいある。  つぎに後者のみ強調されると今度は社会的に危険な閉鎖的カルト団体になる。自善他悪・自尊排他ばかり主張し、他人の意見に耳をかさない。狭い範囲に凝り固まって、いつでも自派だけ正義で他はすべて悪であり、穢れていると考える。また自派は悪に取り囲まれて迫害されていると被害妄想をする。甚だしい場合は閉鎖的小宗教内部が細かに割れ、派閥抗争から各派それぞれ自善他悪を主張し陰惨な内ゲバ暴力を起す。後者の批判作用だけが強調されるとこのように宗教が抑制機能を失ってしまう。 この本の副題は Do cats religion ? (猫は信心するか?)だ。熟読するとその意味が自然に解かるようになっている。

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    • 現代語訳 田中正造自伝第二巻 朱夏熱情篇

      田中正造(1841〜1913)自伝の現代語訳です。 原文は1895(明治28)年に読売新聞上に連載されました。 徳川末期、領主六角家の悪政を退治した若き田中の活躍を「第一巻・青春立志篇」に描きました。 つづいて明治の暴君三島通庸(栃木県令)の独裁政治と対決します。三島は県知事でありながら泥棒と詐欺と人殺しを実行していたのでした。 弱きものをたすけ威張るものをこらしめる。壮年時代の正造が躍動します。 夏目漱石の「坊っちゃん」を彷彿とさせる竹を割ったような勧善懲悪ストーリーで、スピード感あるたいへん面白い本なのですが、文体が古めかしいことと、舞台が主として北関東と秋田岩手両県という多くの読者にとって、おそらくは、ぴんとこない土地であるため、残念なことに現代人はなかなか読めないと思います。そこで現代語訳することとしました。 底本は「田中正造選集第1巻民権への道」岩波書店1989年であります。 愉しみ読めるよう意訳調としています。

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    • 木を伐る

      『私は自分がなにを考え、それをどうこの人に伝えようとしているか不安になった。雨は窓にあたった。私は川を思った。記憶にある川の光景を思い浮かべていた』 突然、義母と暮らすことになった《私》 義母は自分の部屋の窓を覆う大きな木のことで、毎日夫に文句を言ってくる。 《私》は極力それに関わらないようにしているのだが―― 林檎、川の奔流、雨、風、大きな木 幾つかのイメージが重なっていき、 最後に、それが切って落とされるような感じに書いてみました。 ある意味では、怖い話かもしれません。 あるいは、《怖いこと》というのは 主に家庭内で醸成されるものだというのを 示しているものだと思います。 ------------------------- しばらくのあいだ無料にします。

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    • 街に散らばる記号

      街に散らばる記号を集めた写真集です。 なんの思想性もなく、ただ単に街にある数字や文字を写しただけなので、なにも考えずにパラパラと捲っていって下さい。

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    • Ability Load ⇒ Enter

      表紙イラスト:零-0 著者:ロール(文月ロク編)伊織 千景(一条源一郎編) 【あらすじ】 ゲーム好きの男子高校生「宮野卓(みやのたく)」は、ある日、地下クラブで「文月(ふみつき)ロク」という少女に出会う。「勝てば願いを叶える」という彼女とのゲームに自信満々に挑むも、その結果は惨敗。ペナルティを課された卓は「Ability Load ⇒ Enter」という不思議な能力に目覚めさせられ、ロクの下僕となることを誓わされる。謎の男や度重なる警告、予期せぬ戦いに巻き込まれる卓であったが、肝心の能力は「細長いものの長さを調節できる」という微妙な内容だった――。 【解説】 創作サークル「CLOCKWORK SQUARE」のビジュアルノベルをノベライズ。小説版のみの書き下ろしとして「一条源一郎編」を追加。敵側の視点で見た「Ability Load ⇒ Enter」は、この物語の「意味」を根底から覆す! 君はこの物語に仕込まれた「真相」を見抜けるか? ビジュアルノベルゲームその他の情報は「CLOCKWORK SQUARE」特設サイトをチェック! http://clockworksquare.kotobanova.com/abirou-sp/

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    • コンビニ宇宙人

      コンビニ宇宙人

      森守 弥仁著

      CLOCKWORK SQUARE発行

      地球潜入なんて、簡単だと思っていたのにーー 滅びゆく同胞のため新天地を求めて地球へやってきた宇宙人のニケは、名古屋にある大須商店街で行方不明の仲間を探している最中に、宇宙船の鍵を失くしてしまう。 仕方なく大須商店街で捜索活動を続けるニケ。猫の体を借りての地上生活は危険が多く、鍵も仲間も見つけられずに戸惑うばかりの毎日だった。 地球人など下等で野蛮だと思っていたが、動物行動学を研究しているハカセや、コンビニの学生アルバイトでメガネ、同じくギター女子の梨世、変態チンピラのミキオ、ホームレスのキュータロー、野良猫のカモメ、そしてメガネたちが働くコンビニエンスストア『24』に集う人々など、ちょっとクセのある人間たちや他の地球生物と触れ合ううちにニケの心は少しずつ変わってゆく。 ニケは仲間を見つけられるのか、そして地球は新天地となりうるのか。 これは、ニケと出会った人たちが織りなす、ほのぼの群像コメディ。

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