

Nekoによる旅のほんや
MANGO BOOKS
冊数 5 冊
紙本 0 冊
更新 2015.02.01
ジャンル 旅行5
Nekoによる
旅 の ほ ん や
南国うろうろ歩き。そこで見たもの。
なんでもない日、
なんでもない人、
なんでもない風景。
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『Madurai,Madurai』
MANGO BOOKS発行
旅行
2015.02.01
『Madurai,Madurai』
MANGO BOOKS発行
旅行
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ヒンドゥーの朗唱とアザーンと賛美歌と。
嵐と落雷、行き会った人々。天使。おしよせる神々。
南インド、マドゥライ日記。データ本:無料
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『MYSORE days』
MANGO BOOKS発行
旅行
2014.03.02
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『jasmin』
MANGO BOOKS発行
旅行
2013.08.25
『jasmin』
MANGO BOOKS発行
旅行
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2013年8月25日更新
「TOY TRAIN etc」の項を加筆しました。
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南インドの小さくて、でもカラフルな世界。
個人的 Mamallapuram 本。データ本:無料
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『旅の途中』
MANGO BOOKS発行
旅行
2012.08.05
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『光と闇、蝶のいる庭』
MANGO BOOKS発行
旅行
2013.04.10
『光と闇、蝶のいる庭』
MANGO BOOKS発行
旅行
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2013年3月4日更新
「旅の途中」vol.2の改訂版です。
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南の島を出てミャンマー→タイ→カンボジア→タイを巡る日々のスケッチ。データ本:無料
book List
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Madurai,Madurai Neko
MANGO BOOKS
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MYSORE days Neko
MANGO BOOKS
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jasmin Neko
MANGO BOOKS
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旅の途中 sasaberi
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光と闇、蝶のいる庭 sasaberi
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ソムリエール頼子は黒、料理人美奈は白のタブリエ(エプロン)をつけて働く三十歳目前の女の子。タブリエの色と同じく、性格も正反対のふたりの仕事と恋の物語。 * 皿をひっくり返せばブランド名が記されているとは思うが、それをチェックするのはやめた。 高級な洋食器ブランドの名前など美奈にはどうせわからない。 自分の店を持つとしたら―――。 買ってもいない宝くじの賞金の使い道を夢想するように考えることはある。 自分なりにこだわった食器を使って、自分なりの店を、と。 しかし、美奈の考える「こだわり」はこの店のような高級さとは違う。 河田と一緒に店を、なんて一瞬でも夢見たあの頃の自分の若さに美奈はにが笑いした。 描いていた未来はもともと違うものだったようだ。 「すごいなぁと思うんですけど、俺のしたいのとは違います。資金とか度外視しても」 ガラスの向こうの庭を真っ直ぐ見て話す遠山の瞳に、照明の光が映りこんで暖かいオレンジ色に光る。 「うん。私も」 「ですよね。美奈さんもこういう感じやないやろうと思いました」 ふっ、と同時に息をついて笑う。 良かった。一緒に働く遠山が自分と全く違う方を向いてなくて。 美奈はテーブルの上の遠山の大きな左手を握りたいような気持ちになった。 * 〈著者紹介〉 浜野稚子(はまのわかこ) 関西在住の主婦。 「自分だけの切り口を見つけて、普通の人の日常をよりリアルに感じていただけるような物語を書きたいと思います」 ☆Twitter:https://twitter.com/hamano_wakako ★作品HP:http://koisurutablier.officialblog.jp
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- 220円
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「でも、その……一応、そういうんは……はっきりしといた方がよくないですか?」 美奈も納得がいかないといった表情だ。 「何をどうやってはっきりさせんねんな。まぁ、野村さんには後で電話はしてみるけど」 頼子は左手に持った携帯を振って見せる。 いっそ野村が踏み込んできてくれたら、頼子は余計なことを考えずに済んで意外と上手くいくかもしれない。 「頼子さん、……頼子さんの気持ちを大事にしてくださいね……流されんように……よく、考えて。その……私……なんかちょっと、心配です」 まるで美奈に脳内を覗かれたみたいでひやりとした。 核の部分をわざと避けるような言い方で、美奈は忠告めいたことを口にする。 辛気臭い美奈の気遣いが気に障った。 はっきり言えばいいのに。心の中で強がって突っかかる。 実際にはっきり言われたら困るのは頼子だ。 自分の気持ちをどう動かしたらこのもどかしさから解放されるのか、頼子自身わかっていない。 (美奈やって何か悩んどるんやろうが。他人の心配しとる場合ちゃうやろ) 沈黙する頼子と美奈の間を遠山の視線がウロウロとさまよう。 「あの……美奈さん、頼子さん、そろそろケーキ切りましょか。明日も早いですし」 遠山が立ち上がって、冷製料理とデセール用の調理スペースに設置されたナイフラックから長いケーキナイフを抜く。 コックコートを着た遠山は白い騎士のようで、こんな彫刻なかったやろうかと頼子は考える。 おそらく遠山は、最後には美奈のことを颯爽と抱きかかえて救うのだと思う。 羨ましい。 白いトラックに乗った次郎さんが一瞬頼子の頭の中を横切って、止まらずに行ってしまった。
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