光の木。その木は朝も昼も夜も光を放ち続ける。その木の光は見える者にだけしか見えず、聞こえる者にだけ言葉を話し、そして、その木には表情があった。優しいそよ風が吹くとその木は微笑み、冷たい風にはいつも知らんぷりをして相手にすることもない。水に濡れることが好きなようで、雨が降ると心地よさそうに口笛を吹き、太陽が昇る朝にはいつも伸びをしながら、大きなあくびをする。光の木は側に近づいた人のことをいつもよく見ており、沢山の人たちと出逢ってきた。時代の流れとともに周辺の様子も変わり、その木の側に訪れる人たちの種類も変わっていくことになる。そんななか、ある夏の昼下がりに一人の心優しい女性がこの光の木の下に訪れる。
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