共幻社

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冊数 11

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更新 2017.07.17

ジャンル 文芸11

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  • 『共幻文庫 短編小説コンテスト2016』

    共幻社著

    株式会社共幻社発行

    文芸

    2018.02.28

    d本:412㌻ 文庫版

    -

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    『共幻文庫短編小説コンテスト2016』 応募総数323作品から選ばれた優秀賞10作品・佳作10作品」をお届けいたします。

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    『共幻文庫 短編小説コンテスト2016』

    共幻社著

    株式会社共幻社発行

    文芸

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    『共幻文庫短編小説コンテスト2016』

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  • d本:1410㌻ 文庫版

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    『共幻文庫短編小説コンテスト2015』 応募総数793作品から選ばれた「優秀賞12作品」「佳作65作品」をまとめてお届けいたします。

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    『共幻文庫 短編小説コンテスト2015』

    共幻社著

    共幻文庫発行

    文芸

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    『共幻文庫短編小説コンテスト2015』

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  • d本:82㌻ 文庫版

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    〈作品紹介〉 ソムリエール頼子は黒、料理人美奈は白のタブリエ(エプロン)をつけて働く三十歳目前の女の子。タブリエの色と同じく、性格も正反対のふたりの仕事と恋の物語。 * 「美奈……私、明日、最高に不細工な顔して働くことになるんやろうと思うわ」 「そんな日もありますよ、人間なんやから」 「一応接客サービスのプロやのに」 「ほんなら、そういう日は不機嫌な顔をごまかす技術つけたらええんです。頼子さんがここへ働きに来る前に、シェフはめっちゃ頼子さんのこと調べてました。いろんな人に頼子さんのこと聞いて。それで評判がいいことを知って引き抜きに行ったんです。そやから、頼子さんはもっと自信を持ってええんです」 ぽろりと涙が頬を伝って、美奈の頭の上に落ちた。 一粒また一粒、美奈の黒い髪が頼子の涙を吸いこんで濡れていく。 ただ地味で鈍感な人だと思って美奈を軽く見ていた。 美奈は人に甘えずひとりでしっかり立っているのに、こんなに人に寄り添うのが上手なのだ。 * 仕事に、恋に。 悩める女性に読んで欲しい。 共幻文庫 短編小説コンテスト2015 最優秀作品賞『恋の章の終わりに』連載化作品 * 〈著者紹介〉 浜野稚子(はまのわかこ) 関西在住の主婦。 「自分だけの切り口を見つけて、普通の人の日常をよりリアルに感じていただけるような物語を書きたいと思います」

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    『恋するタブリエ Ⅰ.頼子と美奈』

    浜野稚子著

    共幻社発行

    文芸

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    〈作品紹介〉
    ソムリエール頼子は黒、料理人美奈は白のタブリエ(エプロン)をつけて働く三十歳目前の女の子。タブリエの色と同じく、性格も正反対のふたりの仕事と恋の物語。



    「美奈……私、明日、最高に不細工な顔して働くことになるんやろうと思うわ」
    「そんな日もありますよ、人間なんやから」
    「一応接客サービスのプロやのに」
    「ほんなら、そういう日は不機嫌な顔をごまかす技術つけたらええんです。頼子さんがここへ働きに来る前に、シェフはめっちゃ頼子さんのこと調べてました。いろんな人に頼子さんのこと聞いて。それで評判がいいことを知って引き抜きに行ったんです。そやから、頼子さんはもっと自信を持ってええんです」

    ぽろりと涙が頬を伝って、美奈の頭の上に落ちた。
    一粒また一粒、美奈の黒い髪が頼子の涙を吸いこんで濡れていく。
    ただ地味で鈍感な人だと思って美奈を軽く見ていた。
    美奈は人に甘えずひとりでしっかり立っているのに、こんなに人に寄り添うのが上手なのだ。



    仕事に、恋に。
    悩める女性に読んで欲しい。

    共幻文庫 短編小説コンテスト2015
    最優秀作品賞『恋の章の終わりに』連載化作品



    〈著者紹介〉
    浜野稚子(はまのわかこ)
    関西在住の主婦。
    「自分だけの切り口を見つけて、普通の人の日常をよりリアルに感じていただけるような物語を書きたいと思います」

    データ本:220円

  • d本:112㌻ 文庫版

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    ソムリエール頼子は黒、料理人美奈は白のタブリエ(エプロン)をつけて働く三十歳目前の女の子。タブリエの色と同じく、性格も正反対のふたりの仕事と恋の物語。 *  人はすぐに快適なものの方へ流される。  美奈はそれが怖い。  一度心地よさを知ると、失ったときの苦しさは耐え難い。  だから美奈はなるべく人と関わらないようにしてきたし、物をあまり持たない。  誰かの肩に寄りかかってはいけない。もちろん、頼子にも。  美奈はキュッと唇を結ぶ。  頼子は前に終わった恋愛で人肌の温かさを知ったと言った。  美奈はそれ以上に、失った後の冷たさのことを強く覚えている。 * 仕事に、恋に。 悩める女性に読んで欲しい。 共幻文庫 短編小説コンテスト2015 最優秀作品賞『恋の章の終わりに』連載化作品 * 〈著者紹介〉 浜野稚子(はまのわかこ) 関西在住の主婦。 「自分だけの切り口を見つけて、普通の人の日常をよりリアルに感じていただけるような物語を書きたいと思います」

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    『恋するタブリエ Ⅱ.恋の章の終わりに』

    浜野稚子著

    共幻社発行

    文芸

    -

    ソムリエール頼子は黒、料理人美奈は白のタブリエ(エプロン)をつけて働く三十歳目前の女の子。タブリエの色と同じく、性格も正反対のふたりの仕事と恋の物語。



     人はすぐに快適なものの方へ流される。
     美奈はそれが怖い。
     一度心地よさを知ると、失ったときの苦しさは耐え難い。
     だから美奈はなるべく人と関わらないようにしてきたし、物をあまり持たない。
     誰かの肩に寄りかかってはいけない。もちろん、頼子にも。

     美奈はキュッと唇を結ぶ。
     頼子は前に終わった恋愛で人肌の温かさを知ったと言った。
     美奈はそれ以上に、失った後の冷たさのことを強く覚えている。



    仕事に、恋に。 悩める女性に読んで欲しい。

    共幻文庫 短編小説コンテスト2015
    最優秀作品賞『恋の章の終わりに』連載化作品



    〈著者紹介〉
    浜野稚子(はまのわかこ)
    関西在住の主婦。
    「自分だけの切り口を見つけて、普通の人の日常をよりリアルに感じていただけるような物語を書きたいと思います」

    データ本:220円

  • 『恋するタブリエ Ⅲ.出来の良い後輩』

    浜野稚子著

    株式会社共幻社発行

    文芸

    2017.07.15

    d本:84㌻ 文庫版

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    ソムリエール頼子は黒、料理人美奈は白のタブリエ(エプロン)をつけて働く三十歳目前の女の子。タブリエの色と同じく、性格も正反対のふたりの仕事と恋の物語。 *  正直に言えば、美奈はけして遠山にどの仕事をさせたらいいのかわからなかったのではない。  どれも遠山に奪われたくなかっただけだ。  仕事覚えも良くて器用な遠山はきっと美奈が仕事を与えれば与えただけすぐに自分の物にしていく。  美奈はそれに怯えていた。  『遠山ができるようになっても、美奈にとって当たり障りのない仕事』  それを探すのに頭を悩ませて。  岩崎は今まで坊主に自分から仕事を教えることはあまりなかった。  坊主への仕事はいつも美奈を通して指示していた。  それなのに、遠山は。やはり素質があるということだろうか。  岩崎は美奈の遠山への嫉妬心を見抜き、美奈には委ねられないと判断したのか。  苛立ちと羞恥が混じりあって美奈の体温を上げる。  握った掌にはじっとりと汗をかいていた。 * 仕事に、恋に。 悩める女性に読んで欲しい。 共幻文庫 短編小説コンテスト2015 最優秀作品賞『恋の章の終わりに』連載化作品 * 〈著者紹介〉 浜野稚子(はまのわかこ) 関西在住の主婦。 「自分だけの切り口を見つけて、普通の人の日常をよりリアルに感じていただけるような物語を書きたいと思います」 ☆Twitter:https://twitter.com/hamano_wakako ★作品HP:http://koisurutablier.officialblog.jp

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    『恋するタブリエ Ⅲ.出来の良い後輩』

    浜野稚子著

    株式会社共幻社発行

    文芸

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    ソムリエール頼子は黒、料理人美奈は白のタブリエ(エプロン)をつけて働く三十歳目前の女の子。タブリエの色と同じく、性格も正反対のふたりの仕事と恋の物語。



     正直に言えば、美奈はけして遠山にどの仕事をさせたらいいのかわからなかったのではない。
     どれも遠山に奪われたくなかっただけだ。
     仕事覚えも良くて器用な遠山はきっと美奈が仕事を与えれば与えただけすぐに自分の物にしていく。
     美奈はそれに怯えていた。

     『遠山ができるようになっても、美奈にとって当たり障りのない仕事』
     それを探すのに頭を悩ませて。

     岩崎は今まで坊主に自分から仕事を教えることはあまりなかった。
     坊主への仕事はいつも美奈を通して指示していた。
     それなのに、遠山は。やはり素質があるということだろうか。
     岩崎は美奈の遠山への嫉妬心を見抜き、美奈には委ねられないと判断したのか。

     苛立ちと羞恥が混じりあって美奈の体温を上げる。
     握った掌にはじっとりと汗をかいていた。



    仕事に、恋に。 悩める女性に読んで欲しい。

    共幻文庫 短編小説コンテスト2015
    最優秀作品賞『恋の章の終わりに』連載化作品



    〈著者紹介〉
    浜野稚子(はまのわかこ)
    関西在住の主婦。
    「自分だけの切り口を見つけて、普通の人の日常をよりリアルに感じていただけるような物語を書きたいと思います」

    ☆Twitter:https://twitter.com/hamano_wakako
    ★作品HP:http://koisurutablier.officialblog.jp

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  • 『恋するタブリエ Ⅳ.ワインノート』

    浜野稚子著

    株式会社共幻社発行

    文芸

    2017.07.15

    d本:100㌻ 文庫版

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     ソムリエール頼子は黒、料理人美奈は白のタブリエ(エプロン)をつけて働く三十歳目前の女の子。タブリエの色と同じく、性格も正反対のふたりの仕事と恋の物語。 *  すべての客がほぼ同じ時間にやってきて、店内は一時混沌とした。  上着の預かりや席への案内だけでも手を焼き、コックコート姿の遠山に力を借りることになる。  前菜の盛り付けやメインディッシュに沿える野菜の準備、デセールの仕上げ、洗い物、遠山には遠山の仕事がたくさんあるというのに。  「ごめんね」  頼子はおしぼりを運ぶ遠山にすれ違いざまに声を掛ける。 「大丈夫です。ホールの仕事で判断できない時は、頼子さんの目を見て困ってることを知らせて指示を仰ぐようにって、美奈さんが」 (美奈が……)  いつからなのか。美奈は少しずつ頼もしくなっている。  後輩との呼吸があってきたことで作業に余裕が出来たせいか、周りがよく見えている。  ランチメニューを任され自信をつけてきたし、実際料理技術も上げていた。   (私は何か変われるんやろか)  自分を成長させるような出来事が起きるような気がしない。  回る長縄跳びの輪に一人だけリズムが合わずに入れないような焦りが頼子を支配する。 * 〈著者紹介〉 浜野稚子(はまのわかこ) 関西在住の主婦。 「自分だけの切り口を見つけて、普通の人の日常をよりリアルに感じていただけるような物語を書きたいと思います」 ☆Twitter:https://twitter.com/hamano_wakako ★作品HP:http://koisurutablier.officialblog.jp

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    『恋するタブリエ Ⅳ.ワインノート』

    浜野稚子著

    株式会社共幻社発行

    文芸

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     ソムリエール頼子は黒、料理人美奈は白のタブリエ(エプロン)をつけて働く三十歳目前の女の子。タブリエの色と同じく、性格も正反対のふたりの仕事と恋の物語。



     すべての客がほぼ同じ時間にやってきて、店内は一時混沌とした。
     上着の預かりや席への案内だけでも手を焼き、コックコート姿の遠山に力を借りることになる。
     前菜の盛り付けやメインディッシュに沿える野菜の準備、デセールの仕上げ、洗い物、遠山には遠山の仕事がたくさんあるというのに。

     「ごめんね」

     頼子はおしぼりを運ぶ遠山にすれ違いざまに声を掛ける。

    「大丈夫です。ホールの仕事で判断できない時は、頼子さんの目を見て困ってることを知らせて指示を仰ぐようにって、美奈さんが」

    (美奈が……)

     いつからなのか。美奈は少しずつ頼もしくなっている。
     後輩との呼吸があってきたことで作業に余裕が出来たせいか、周りがよく見えている。
     ランチメニューを任され自信をつけてきたし、実際料理技術も上げていた。  

    (私は何か変われるんやろか)

     自分を成長させるような出来事が起きるような気がしない。
     回る長縄跳びの輪に一人だけリズムが合わずに入れないような焦りが頼子を支配する。



    〈著者紹介〉
    浜野稚子(はまのわかこ)
    関西在住の主婦。
    「自分だけの切り口を見つけて、普通の人の日常をよりリアルに感じていただけるような物語を書きたいと思います」

    ☆Twitter:https://twitter.com/hamano_wakako
    ★作品HP:http://koisurutablier.officialblog.jp

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  • d本:98㌻ 文庫版

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    ソムリエール頼子は黒、料理人美奈は白のタブリエ(エプロン)をつけて働く三十歳目前の女の子。タブリエの色と同じく、性格も正反対のふたりの仕事と恋の物語。 *  皿をひっくり返せばブランド名が記されているとは思うが、それをチェックするのはやめた。  高級な洋食器ブランドの名前など美奈にはどうせわからない。  自分の店を持つとしたら―――。  買ってもいない宝くじの賞金の使い道を夢想するように考えることはある。  自分なりにこだわった食器を使って、自分なりの店を、と。  しかし、美奈の考える「こだわり」はこの店のような高級さとは違う。  河田と一緒に店を、なんて一瞬でも夢見たあの頃の自分の若さに美奈はにが笑いした。  描いていた未来はもともと違うものだったようだ。 「すごいなぁと思うんですけど、俺のしたいのとは違います。資金とか度外視しても」  ガラスの向こうの庭を真っ直ぐ見て話す遠山の瞳に、照明の光が映りこんで暖かいオレンジ色に光る。 「うん。私も」 「ですよね。美奈さんもこういう感じやないやろうと思いました」  ふっ、と同時に息をついて笑う。  良かった。一緒に働く遠山が自分と全く違う方を向いてなくて。  美奈はテーブルの上の遠山の大きな左手を握りたいような気持ちになった。 * 〈著者紹介〉 浜野稚子(はまのわかこ) 関西在住の主婦。 「自分だけの切り口を見つけて、普通の人の日常をよりリアルに感じていただけるような物語を書きたいと思います」 ☆Twitter:https://twitter.com/hamano_wakako ★作品HP:http://koisurutablier.officialblog.jp

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    『恋するタブリエ Ⅴ.どうなりたいの?』

    浜野稚子著

    株式会社共幻社発行

    文芸

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    ソムリエール頼子は黒、料理人美奈は白のタブリエ(エプロン)をつけて働く三十歳目前の女の子。タブリエの色と同じく、性格も正反対のふたりの仕事と恋の物語。


     皿をひっくり返せばブランド名が記されているとは思うが、それをチェックするのはやめた。
     高級な洋食器ブランドの名前など美奈にはどうせわからない。
     自分の店を持つとしたら―――。
     買ってもいない宝くじの賞金の使い道を夢想するように考えることはある。
     自分なりにこだわった食器を使って、自分なりの店を、と。
     しかし、美奈の考える「こだわり」はこの店のような高級さとは違う。
     河田と一緒に店を、なんて一瞬でも夢見たあの頃の自分の若さに美奈はにが笑いした。
     描いていた未来はもともと違うものだったようだ。

    「すごいなぁと思うんですけど、俺のしたいのとは違います。資金とか度外視しても」
     ガラスの向こうの庭を真っ直ぐ見て話す遠山の瞳に、照明の光が映りこんで暖かいオレンジ色に光る。
    「うん。私も」
    「ですよね。美奈さんもこういう感じやないやろうと思いました」
     ふっ、と同時に息をついて笑う。
     良かった。一緒に働く遠山が自分と全く違う方を向いてなくて。
     美奈はテーブルの上の遠山の大きな左手を握りたいような気持ちになった。


    〈著者紹介〉
    浜野稚子(はまのわかこ)
    関西在住の主婦。
    「自分だけの切り口を見つけて、普通の人の日常をよりリアルに感じていただけるような物語を書きたいと思います」

    ☆Twitter:https://twitter.com/hamano_wakako
    ★作品HP:http://koisurutablier.officialblog.jp

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  • 『恋するタブリエ Ⅵ.あなたがほしい』

    浜野稚子著

    株式会社共幻社発行

    文芸

    2017.07.15

    d本:100㌻ 文庫版

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    「でも、その……一応、そういうんは……はっきりしといた方がよくないですか?」  美奈も納得がいかないといった表情だ。 「何をどうやってはっきりさせんねんな。まぁ、野村さんには後で電話はしてみるけど」  頼子は左手に持った携帯を振って見せる。  いっそ野村が踏み込んできてくれたら、頼子は余計なことを考えずに済んで意外と上手くいくかもしれない。 「頼子さん、……頼子さんの気持ちを大事にしてくださいね……流されんように……よく、考えて。その……私……なんかちょっと、心配です」  まるで美奈に脳内を覗かれたみたいでひやりとした。  核の部分をわざと避けるような言い方で、美奈は忠告めいたことを口にする。  辛気臭い美奈の気遣いが気に障った。  はっきり言えばいいのに。心の中で強がって突っかかる。  実際にはっきり言われたら困るのは頼子だ。  自分の気持ちをどう動かしたらこのもどかしさから解放されるのか、頼子自身わかっていない。 (美奈やって何か悩んどるんやろうが。他人の心配しとる場合ちゃうやろ)  沈黙する頼子と美奈の間を遠山の視線がウロウロとさまよう。 「あの……美奈さん、頼子さん、そろそろケーキ切りましょか。明日も早いですし」  遠山が立ち上がって、冷製料理とデセール用の調理スペースに設置されたナイフラックから長いケーキナイフを抜く。  コックコートを着た遠山は白い騎士のようで、こんな彫刻なかったやろうかと頼子は考える。  おそらく遠山は、最後には美奈のことを颯爽と抱きかかえて救うのだと思う。  羨ましい。  白いトラックに乗った次郎さんが一瞬頼子の頭の中を横切って、止まらずに行ってしまった。

    データ本
    220円
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    『恋するタブリエ Ⅵ.あなたがほしい』

    浜野稚子著

    株式会社共幻社発行

    文芸

    -

    「でも、その……一応、そういうんは……はっきりしといた方がよくないですか?」
     美奈も納得がいかないといった表情だ。
    「何をどうやってはっきりさせんねんな。まぁ、野村さんには後で電話はしてみるけど」
     頼子は左手に持った携帯を振って見せる。
     いっそ野村が踏み込んできてくれたら、頼子は余計なことを考えずに済んで意外と上手くいくかもしれない。
    「頼子さん、……頼子さんの気持ちを大事にしてくださいね……流されんように……よく、考えて。その……私……なんかちょっと、心配です」
     まるで美奈に脳内を覗かれたみたいでひやりとした。
     核の部分をわざと避けるような言い方で、美奈は忠告めいたことを口にする。
     辛気臭い美奈の気遣いが気に障った。
     はっきり言えばいいのに。心の中で強がって突っかかる。
     実際にはっきり言われたら困るのは頼子だ。
     自分の気持ちをどう動かしたらこのもどかしさから解放されるのか、頼子自身わかっていない。

    (美奈やって何か悩んどるんやろうが。他人の心配しとる場合ちゃうやろ)

     沈黙する頼子と美奈の間を遠山の視線がウロウロとさまよう。
    「あの……美奈さん、頼子さん、そろそろケーキ切りましょか。明日も早いですし」
     遠山が立ち上がって、冷製料理とデセール用の調理スペースに設置されたナイフラックから長いケーキナイフを抜く。
     コックコートを着た遠山は白い騎士のようで、こんな彫刻なかったやろうかと頼子は考える。
     おそらく遠山は、最後には美奈のことを颯爽と抱きかかえて救うのだと思う。
     羨ましい。
     白いトラックに乗った次郎さんが一瞬頼子の頭の中を横切って、止まらずに行ってしまった。

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  • d本:110㌻ 文庫版

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    《大好評の恋タブシリーズ、感動の最終回!》  頼子は自分のことをよく話す。  一つの出来ごとについて、自分の思ったことをああだこうだ。 「なぁ、美奈どう思う?」  笑い話も腹が立った話もくだらない話も、表情を変え身振りもつけて忙しく。   そのくせ頼子はあまり恋の話をしない。  見た目が派手なため恋愛に積極的そうに見えるが、その方面には意外と弱腰だ。  しかし、美奈はわかっている。頼子の口からよく出て来る名前で、頼子が誰のことを想っているのか。  無駄に一緒に暮らしているわけではない。頼子は美奈の同僚であり、同居人であり、友人だ。  重たいと思ってなるべく人とのかかわりを持たないように気を付けていたのに、一人で三役も持っている近しい人を作ってしまった。放っておけるわけがない。 「さぁ、うちらも行こか」  美奈は白いタブリエを緩める。 「おう」  遠山が腰に手を当て掛け声のような返事をした。

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    『恋するタブリエ Ⅶ.幸せのマリアージュ(完)』

    浜野稚子著

    株式会社共幻社発行

    文芸

    -

    《大好評の恋タブシリーズ、感動の最終回!》

     頼子は自分のことをよく話す。
     一つの出来ごとについて、自分の思ったことをああだこうだ。
    「なぁ、美奈どう思う?」
     笑い話も腹が立った話もくだらない話も、表情を変え身振りもつけて忙しく。 

     そのくせ頼子はあまり恋の話をしない。
     見た目が派手なため恋愛に積極的そうに見えるが、その方面には意外と弱腰だ。
     しかし、美奈はわかっている。頼子の口からよく出て来る名前で、頼子が誰のことを想っているのか。
     無駄に一緒に暮らしているわけではない。頼子は美奈の同僚であり、同居人であり、友人だ。
     重たいと思ってなるべく人とのかかわりを持たないように気を付けていたのに、一人で三役も持っている近しい人を作ってしまった。放っておけるわけがない。

    「さぁ、うちらも行こか」

     美奈は白いタブリエを緩める。

    「おう」

     遠山が腰に手を当て掛け声のような返事をした。

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  • 『私と光石君の恋物語』

    山﨑歩帆著

    共幻文庫発行

    文芸

    2018.04.04

    d本:154㌻ 文庫版

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    【キャラクター紹介】 〈小池マリ(主人公)〉 恋に悩める女の子。光石君のことになると思考がおかしくなる。時おり出てくる妙な英語表現とキレのあるツッコミが持ち味。 〈光石君〉 野菜を愛する新感覚系ジェントルマン。キザなセリフが嫌味に聞こえないほどに独自の世界観を醸し出している。 〈坂本眞子〉 マリとは保育園からの腐れ縁。『美しすぎるこけしを守る会』が発足されるほどの容姿の持ち主だが、中身はわりとサタン。 【著者紹介】 ・山﨑 歩帆(やまざき あゆほ) ラジオ、映画、ゲーム、海外ドラマを主食とするほ乳類。 関東圏内の「娘夫婦と一緒に暮らしたい町ナンバー1※私調べ」の某地域にて生息中。 『人類皆兄弟説』を「笑える小説」で具現化すべく奮闘中である。 今現在の目標はイチゴを野菜と認めること。 Twitter:@zakiyamaayuho

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    『私と光石君の恋物語』

    山﨑歩帆著

    共幻文庫発行

    文芸

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    【キャラクター紹介】
    〈小池マリ(主人公)〉
    恋に悩める女の子。光石君のことになると思考がおかしくなる。時おり出てくる妙な英語表現とキレのあるツッコミが持ち味。

    〈光石君〉
    野菜を愛する新感覚系ジェントルマン。キザなセリフが嫌味に聞こえないほどに独自の世界観を醸し出している。

    〈坂本眞子〉
    マリとは保育園からの腐れ縁。『美しすぎるこけしを守る会』が発足されるほどの容姿の持ち主だが、中身はわりとサタン。

    【著者紹介】
    ・山﨑 歩帆(やまざき あゆほ)
    ラジオ、映画、ゲーム、海外ドラマを主食とするほ乳類。
    関東圏内の「娘夫婦と一緒に暮らしたい町ナンバー1※私調べ」の某地域にて生息中。
    『人類皆兄弟説』を「笑える小説」で具現化すべく奮闘中である。
    今現在の目標はイチゴを野菜と認めること。
    Twitter:@zakiyamaayuho

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  • 『私と光石君の恋物語②』

    山﨑歩帆著

    共幻文庫発行

    文芸

    2017.07.16

    d本:152㌻ 文庫版

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    【キャラクター紹介】 〈小池マリ(主人公)〉 恋に悩める女の子。光石君のことになると思考がおかしくなる。時おり出てくる妙な英語表現とキレのあるツッコミが持ち味。 〈光石君〉 野菜を愛する新感覚系ジェントルマン。キザなセリフが嫌味に聞こえないほどに独自の世界観を醸し出している。 〈坂本眞子〉 マリとは保育園からの腐れ縁。『美しすぎるこけしを守る会』が発足されるほどの容姿の持ち主だが、中身はわりとサタン。 【著者紹介】 ・山﨑 歩帆(やまざき あゆほ) ラジオ、映画、ゲーム、海外ドラマを主食とするほ乳類。 関東圏内の「娘夫婦と一緒に暮らしたい町ナンバー1※私調べ」の某地域にて生息中。 『人類皆兄弟説』を「笑える小説」で具現化すべく奮闘中である。 今現在の目標はイチゴを野菜と認めること。 Twitter:@zakiyamaayuho

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    『私と光石君の恋物語②』

    山﨑歩帆著

    共幻文庫発行

    文芸

    -

    【キャラクター紹介】
    〈小池マリ(主人公)〉
    恋に悩める女の子。光石君のことになると思考がおかしくなる。時おり出てくる妙な英語表現とキレのあるツッコミが持ち味。

    〈光石君〉
    野菜を愛する新感覚系ジェントルマン。キザなセリフが嫌味に聞こえないほどに独自の世界観を醸し出している。

    〈坂本眞子〉
    マリとは保育園からの腐れ縁。『美しすぎるこけしを守る会』が発足されるほどの容姿の持ち主だが、中身はわりとサタン。

    【著者紹介】
    ・山﨑 歩帆(やまざき あゆほ)
    ラジオ、映画、ゲーム、海外ドラマを主食とするほ乳類。
    関東圏内の「娘夫婦と一緒に暮らしたい町ナンバー1※私調べ」の某地域にて生息中。
    『人類皆兄弟説』を「笑える小説」で具現化すべく奮闘中である。
    今現在の目標はイチゴを野菜と認めること。
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株式会社共幻社

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    • トラのジョージ

      トラのジョージ

      片根伊六著

      直方体出版発行

      片根伊六の第一詩集  僕は週うち4日は  彼女の部屋に泊まっていたが  決して  一つのベッドで一緒に寝ることは  なかった  僕が彼女の部屋に泊まっている日  彼女は  僕の部屋に泊まっていたからだ  (「中華がたべたい」より)  目 次 トラのジョージ 中華がたべたい ザ・秘密結社 少年と少女 いきさつ 子鹿とライオン フェレットのトミー 女の子/エジソン/カラス ピクニック 今夜の夜 球根 都会派・王室物語 放浪水泳生活 コーヒー・プール 尾ヒレ役の小魚 夏のおしり

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      直方体

      片根伊六著

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      詩集です。

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    • 木を伐る

      『私は自分がなにを考え、それをどうこの人に伝えようとしているか不安になった。雨は窓にあたった。私は川を思った。記憶にある川の光景を思い浮かべていた』 突然、義母と暮らすことになった《私》 義母は自分の部屋の窓を覆う大きな木のことで、毎日夫に文句を言ってくる。 《私》は極力それに関わらないようにしているのだが―― 林檎、川の奔流、雨、風、大きな木 幾つかのイメージが重なっていき、 最後に、それが切って落とされるような感じに書いてみました。 ある意味では、怖い話かもしれません。 あるいは、《怖いこと》というのは 主に家庭内で醸成されるものだというのを 示しているものだと思います。 ------------------------- しばらくのあいだ無料にします。

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    • Pavane pour une infante défunte

      『彼らは中学生の頃からのつきあいだった。斎藤美以子と佐伯周と佐藤強士――名字がサ行であったために彼らは近くの席に座らされることになった。ただそれだけのことだったけれど、彼らはそれからずっと友人として過ごすことになった』 中学生の頃からなぜか仲良しな3人、 美以子と周と強士、 彼らの成長と絡みあう関係を 幾つかのピアノ曲とともに 描いてみました。 タイトルは モーリス・ラヴェルの 『亡き王女のためのパヴァーヌ』 その原題です。 テーマとなるその曲と同様に 繰り返される言葉やシ-ンが しだいに意味を強くするよう 心がけてもみました。 ぜひご一読下さい。

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    • 旅をする理由(モノクロ版)

      『旅をする理由』(モノクロ版) マラケシュの修道院で信仰と学問の近接性について考え、ジャワ島では観光と消費について意見を交わす。名取の閖上で柳田国男の声を聞き、台湾の村で原住民の人生の背中を見る。パラオで「歴史」について考え、イングランドの海岸で美しい七姉妹に出会う。メキシコで日本のいびつな社会を思い、バリ島でゲイカップルやヌーディスト夫婦と交友する。ハワイの穴場スポット20箇所の情報や、アイスランドのオーロラや滝との出会いも描かれる、豊富な写真をまじえた地球紀行。 旅をしながら思考する、新しい旅の手帖。 [目次] 新しい旅のすすめ。 マラケシュ(モロッコ) ジャワ島(インドネシア) 閖上(日本) サン・ミゲル・デ・アジェンデ(メキシコ) 多納(台湾) ブスワンガ島(フィリピン) ペリリュー島(パラオ) リッフェルアルプ(スイス) ホワイト・クリフ(イングランド) 流浪の民(琉球) すなわち、旅。 バリ島(インドネシア) 絶景20(ハワイ) レイキャヴィーク(アイスランド) [著者プロフィール] 1976年、福岡県生まれ。学位は文学修士(日本文学・精神分析)。大学院在学中に中学生40名を集めて学習塾を開業。現在、㈱寺子屋ネット福岡代表取締役、唐人町寺子屋塾長、及び日本航空高校唐人町校校長。教室で160名の小中高の生徒を指導する傍ら、とらきつね(文具・食品・雑貨)の運営や各種イベントの企画、独自商品の開発、地域活性化プロジェクト等に携わる。著書に『親子の手帖』(鳥影社)。http://tojinmachiterakoya.com/

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    • 旅をする理由(カラー版)

      『旅をする理由』(*カラー版) マラケシュの修道院で信仰と学問の近接性について考え、ジャワ島では観光と消費について意見を交わす。名取の閖上で柳田国男の声を聞き、台湾の村で原住民の人生の背中を見る。パラオで「歴史」について考え、イングランドの海岸で美しい七姉妹に出会う。メキシコで日本のいびつな社会を思い、バリ島でゲイカップルやヌーディスト夫婦と交友する。ハワイの穴場スポット20箇所の情報や、アイスランドのオーロラや滝との出会いも描かれる、豊富な写真をまじえた地球紀行。 旅をしながら思考する、新しい旅の手帖。 [目次] 新しい旅のすすめ。 マラケシュ(モロッコ) ジャワ島(インドネシア) 閖上(日本) サン・ミゲル・デ・アジェンデ(メキシコ) 多納(台湾) ブスワンガ島(フィリピン) ペリリュー島(パラオ) リッフェルアルプ(スイス) ホワイト・クリフ(イングランド) 流浪の民(琉球) すなわち、旅。 バリ島(インドネシア) 絶景20(ハワイ) レイキャヴィーク(アイスランド) [著者プロフィール] 1976年、福岡県生まれ。学位は文学修士(日本文学・精神分析)。大学院在学中に中学生40名を集めて学習塾を開業。現在、㈱寺子屋ネット福岡代表取締役、唐人町寺子屋塾長、及び日本航空高校唐人町校校長。教室で160名の小中高の生徒を指導する傍ら、とらきつね(文具・食品・雑貨)の運営や各種イベントの企画、独自商品の開発、地域活性化プロジェクト等に携わる。著書に『親子の手帖』(鳥影社)。http://tojinmachiterakoya.com/

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    • 小説家と碧い風

      小説家と碧い風

      さら・シリウス著

      さら・シリウス出版発行

      人間嫌いの小説家、青山優は、変わり者の弟、悟と愛犬のポチ、愛猫のミーと共に人付き合いが希薄そうな山奥の家に引っ越した。 そのあたりは古戦場を潰して開拓した土地という縁起の悪い場所だったために多くの霊がいたが、神道の嗜みがあった優は自らお祓いをして何事もなく生活をはじめる。 引っ越してしばらくしてから、隣家の母親が優に家のお祓いを頼んできたことで、優と隣家の付き合いがはじまった。 人付き合いを嫌って移り住んだはずだったけれど、積極的に人付き合いをしようとする隣家に優は次第にほだされていく。 そんな中、平和な日常の合間に起こる不可避なトラブルに見舞われた優は、穏やかな微笑みを浮かべる隣家の出戻り娘、亜也子のことが気になっていく。

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    • ハート型の胸毛が熱い

      ハート型の胸毛が熱い

      さら・シリウス著

      さら・シリウス出版発行

      ◆ハート型の胸毛が熱い 桔平は、母親である杏子にも父親である俊明にも似ていない。 それどころか、それぞれの親戚筋まで調べてみても桔平に似ている者はいなかった。 両親とも産院での取り違えを疑い、桔平自身ももらわれっ子なのではないかと疑念を抱く。 桔平はその思いを打ち消すかのように音楽へのめり込んでいく。 社会人になってからもバンド活動を続けていたが、バンドメンバーのひとりである清治が自殺未遂で入院したという。 清治を立ち直らせるにはどうしたらいいのか。 そこに桔平の妹である美鈴が飛び込んできて、事態は急展開に……。 ◆ダメ男と医者、どっちがいいって? 住宅街の一角にある何の変哲もないマンション。 そこに引っ越してきたのは、都内の商社でOLをしている小川風香だった。 風香の左隣には医者の沢田が、右隣には子持ちの金城が住んでいる。 ハンサムで紳士的な沢田に惹かれる風香。 一方で、金城は悪人ではないものの、最初から嫌味な男だった。 だが、金城の長男である直樹と話したことがきっかけで金城への気持ちも変化していき……。 ◆笛吹き 昔は賑わっていた町も、今では見る影もない。 そんな町にも、かつての賑わいを思い出させるものがひとつだけ残っていた。 それが町にある電子部品の製造業者のブラスバンド。 角田純子は笛吹きとして、そのブラスバンドでフルートを吹いている。 だが、そのブラスバンドが不況で切られるという。 ブラスバンドのリーダーである牧田は社長に直談判したが、結果は変わらなかった。 そこで牧田は会社を立ち上げると言い出し……。

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    • 時空間エンタングル

      時空間エンタングル

      悪紫苑著

      AXION物理学研究所発行

      2012年12月20日更新 この世の終わりが来る前に更新……。 ………………………… とある研究都市にある、重力研究所。そこの地下施設で働く酒井の元に、素粒子研究所から、ひとりの女性が尋ねてくる。全く面識のない彼女から告げられたのは、謎の天体〈ゴースト〉を巡る、奇妙な共同研究の申し込みだった。

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    • ハウツー メルセデス・ベンツのバッテリー交換

      2018年9月11日更新 ところどころベンツをベンシに変更しました ………………………… メルセデスベンシC200コンプレッサー(KOMPRESSOR)セダンW203(2代目C200 2000〜2007年=W203)の写真を交えたバッテリー交換マニュアルです。バッテリーの劣化と過放電によりリモートキーでドアの自動アンロックさえ出来なくなった状態から新品バッテリーに交換して復活するまでを順を追って説明します。今回は交換バッテリーに「Panasonic製ブルーバッテリーcaos」を選択し、同社のカーバッテリー寿命判定ユニット(オプション販売)「LifeWINK」も接続します。 車種を特定しての説明になりますがバッテリー固定方法が国産車と異なる欧州車のバッテリー交換という点では他のメルセデス・ベンツ、BMW、アウディ等々に応用できると思います。 役にたったら書評ください。

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