どっぱくによる本の紹介
独 白(どっぱく)
書 房(しょぼう)
どっぱくによる本の紹介
独白書房
冊数 9 冊
紙本 3 冊
更新 2013.02.27
ジャンル 伝記・自伝1 料理・グルメ3 ホビー1 文芸1 建築1 音楽1 SF・ホラー・ファンタジー1
BCCKSで読んで「この本は評価されるべき」と思った本をなるべく丁寧に紹介したいなと思います
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2013-02-26
■「定点観測コンテンツ」と呼ばれるコンテンツのかたちがあります。
…ありますとかいったけどたぶんなくて、いまここでそう呼ぶことにしたんですが、定点観測コンテンツというのは、ある一つの対象を定期的にしつこく観察しており、その観察に見いだせるわずかな違いやあるいは違わなさを味わうように記録しており、そしてその記録が日々積み重なりボリュームをともなうことでさらにその味わいが増すような、書き手のある種の業を感じさせるタイプのコンテンツのことです。こうしたコンテンツは何の変哲もない題材や変わり映えのなさや量の膨大さにおいて商業的な出版においては成立しにくく、個人ホームページやブログなどで個人の趣味として細々と更新されることをもっぱらとしております。先日『このダイレクト出版がすごい2013』というトークイベントを拝聴しにいったら、livedoor blogプロデューサーの佐々木さんが最近見つけて(書籍化とかは無理だけど)気に入っているブログとして、様々な地方の野球グラウンドに建つスコアボードを淡々と言葉少なに記録するブログ『スコアボードが気になるんだ!』を紹介されていましたが、だれでも1つくらいはこうした地味なんだけど捨て置けない魅力を感じる「定点観測コンテンツ」をひそかにブックマークしているのではないでしょうか。
今回はそんな「定点観測コンテンツ」の本をBCCKSでたくさん作られているDAIKIさんの本を紹介いたします。オレとラムネワイヤレスマイクと振付けと右手人差し指の微妙「…」
———『二代目ちょけ蔵碧玉選』より
■『二代目ちょけ蔵碧玉選』はDAIKIさんのご子息であるところのチョケ蔵君(当時3歳?)の成長とキメ顔とキメ顔を写真と1行キャプションで定点観測した本です。もちろんいまどきの親たるもの子供が生まれたとなればその一挙一動をtwitterなりfacebookなりinstagramなりに写真つきでポストするものであり、他人の子供の写真とか見てもはいはい親バカ親バカとスルーするのが礼儀くらいなものなわけですが、この『二代目ちょけ蔵碧玉選』はDAIKIさんの細かい編集やキャプション芸とあと何よりチョケ蔵君の完成度の高い変顔&ポーズとによって他人の子供の写真集ながらも本として面白いよなーと思うのであります。
ちなみに子供で定点観測といえばタヌマさんの『今日のフォーメーション』も名作ですがこれはいずれタヌマさんの特集かなんかで紹介しよう… -
『二代目ちょけ蔵碧玉選』
DAIKI出版発行
伝記・自伝
2012.06.14
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『♥ YES !! I ♥ CAN Coffee !』
DAIKI出版発行
料理・グルメ
2012.06.15
『♥ YES !! I ♥ CAN Coffee !』
DAIKI出版発行
料理・グルメ
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缶コーヒーを飲むようになって砂糖中毒になって甘いコーヒーが美味しく感じるようになってこのままではじきに死ぬと思ってそれなら甘いコーヒーを飲んで生きた証を幾ばくかでも世に残したくなって缶コーヒー丸裸写真集発行
データ本:無料
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なんでヒモなのか…
———『ハウツー メルセデス・ベンツーのバッテリー交換マニュアル』より
■もう1冊は『ハウツー メルセデス・ベンツーのバッテリー交換マニュアル』です。これは厳密には定点観測というわけではないかもしれませんが、DAIKIさんのマメで記録魔的な性分と特段興味のない題材なんのに読ませるフォーマットとキャプションのうまさが際立つ本ということで紹介したかったので紹介します。みなさんはベンツ乗ってますか? 僕は乗ってないです。
■DAIKIさんのこうした本はほかにも『ゴーヤでグリーンカーテン作戦 in ベランダ』『きょうのわだくん』『マイプレシャス代々木公園』などなどあります。最近はあまり本を作られてないのでまた定点観測してくださるのを願いつつのご紹介でした。 -
『ハウツー メルセデス・ベンツのバッテリー交換』
DAIKI出版発行
ホビー
2018.09.11
2018年9月11日更新 ところどころベンツをベンシに変更しました ………………………… メルセデスベンシC200コンプレッサー(KOMPRESSOR)セダンW203(2代目C200 2000〜2007年=W203)の写真を交えたバッテリー交換マニュアルです。バッテリーの劣化と過放電によりリモートキーでドアの自動アンロックさえ出来なくなった状態から新品バッテリーに交換して復活するまでを順を追って説明します。今回は交換バッテリーに「Panasonic製ブルーバッテリーcaos」を選択し、同社のカーバッテリー寿命判定ユニット(オプション販売)「LifeWINK」も接続します。 車種を特定しての説明になりますがバッテリー固定方法が国産車と異なる欧州車のバッテリー交換という点では他のメルセデス・ベンツ、BMW、アウディ等々に応用できると思います。 役にたったら書評ください。
『ハウツー メルセデス・ベンツのバッテリー交換』
DAIKI出版発行
ホビー
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2018年9月11日更新
ところどころベンツをベンシに変更しました
…………………………
メルセデスベンシC200コンプレッサー(KOMPRESSOR)セダンW203(2代目C200 2000〜2007年=W203)の写真を交えたバッテリー交換マニュアルです。バッテリーの劣化と過放電によりリモートキーでドアの自動アンロックさえ出来なくなった状態から新品バッテリーに交換して復活するまでを順を追って説明します。今回は交換バッテリーに「Panasonic製ブルーバッテリーcaos」を選択し、同社のカーバッテリー寿命判定ユニット(オプション販売)「LifeWINK」も接続します。
車種を特定しての説明になりますがバッテリー固定方法が国産車と異なる欧州車のバッテリー交換という点では他のメルセデス・ベンツ、BMW、アウディ等々に応用できると思います。
役にたったら書評ください。データ本:無料
紙本:990円
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2013-02-15
■今日は熊沢里美『眠る男』を紹介します。本の説明にもある通り熊沢さんは東京藝術大学の学生さんで、この『眠る男』は修了制作として書き上げた小説とのこと。文学部でなくて芸大なんで美術表現の一形態として小説を選んで制作したってことなのかな?(僕も芸大の講師なんですが卒展に行けてなくて詳細わからなくてすいません…)。
ちょっとお名前で調べてみましたら一昨年の卒展でも小説を含む作品を制作されていたという記録 がありました。もともと美術と小説など文筆活動を両方されてきた方なんですね。なるほどー。BCCKSみたいな個人出版プラットフォームってのは誰でも出版できるいっぽうでこれを書いたひとがどういう人なのかわからないことも多くて、作品で興味を持つと作家のことを知りたくなるところもあり、でも作品に触れられるのであればそれが誰がどう書いたかなんてどうでもいいじゃないかと思えるところもあり…なんていうとこの作品の趣向にちょっと通じるところがあると強引に言えなくもないのであります。家でも職場でも、私の半径三メートル以内には必ず本の山があって、一冊ずつがこうして私の思考を強制的に停止させるのだ。思い出すべきことも、思い出さなくても良いことも奪われ、物語は時になにより私を救う存在になる。
「そうやって現実から目をそらすのは、ゆりえの悪い癖だよ」
思い出した途端、意識が戻りかけて首を振る。信宏は私がこうして本に走ることに否定的だった。私は彼のそういうところが、たまらなく嫌だった。
———『眠る男』より
■主人公の西ゆりえは、都内の大型書店ビルに勤める書店員。担当の文芸フロアで飛ぶように売れる恋愛小説をさばきながら、自身も現実での生々しい男女交際や人間関係から目をそらすように恋愛小説を読み浸る日々を送る女性です。感触も匂いも声もなく、演じるように恋愛をする物語の主人公たちと、ただただ生々しい匂いや振る舞いに居心地の悪くなるばかりの現実の男性、友人、かつての彼氏。どちらの世界にも不全感を感じるゆりえに、同じく書店に勤める無口な同僚、宮崎さんが唐突にも不思議な場所の存在を持ちかけます。「男の人と眠る場所があるんです」。本当に、あの部屋で眠っていたのだ。
帰り道を歩きながら、まるで一冊の本を読み終わったような気分に浸っていた。つい十五分前まで部屋にいて、見知らぬ男と同じ布団で眠っていたことは、疑いようのない事実だった。男はまだ夢の中だろうか、それとも、だれかが起こしにきたのだろうか。部屋を出ることは、物語から強制的に出される感じとよく似ていた。
———『眠る男』より
■…という『眠る男』なんですが、本の説明に明かされているように、この物語は川端康成の短編『眠れる美女』が下敷きとなっているのだそうです(この小説を書くにあたって『眠れる美女』を分析した論文もあるそうなんですが、それも気になります)。僕は川端康成というとヤーサンアリクーワバッタのほうしか知らなくて『眠れる美女』は読んだことなかったのでこの機会にと新潮文庫を(せっかくなので紀伊国屋新宿本店にて… 女性書店員さんもまじまじ見てしまいました)手に入れて読んだのですけど、なるほど性別を入れ替え時代や背景の設定を大きくかえているのはもちろん、血の通った身体をもちながら死んだように眠り続ける女/男に触発された主人公の境地も裏返されているような印象でした。匂いや傷跡についての両作の対応とか、読み比べるとおおーと思うところ多数でおもしろいです。
もちろん川端のことは置いておいて『眠る男』単独でもどうぞ。現代女性作家らしい端正な文章がお好きな方におすすめです。 -
『眠る男』
熊沢里美出版発行
文芸
2013.01.26
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2013-02-06
建築という仕事は実に楽しい仕事なのだ。ほとんど、仕事ということを忘れてしまうくらい楽しい。
それはたぶん夢を実現する作業だからだと思うのだ。
———『ケンチクのBCCK 1』より
■風邪とインフルエンザが家庭で猛威をふるっていたため1週とばしてしまいましたが、今日は松崎宏二『ケンチクノ BCCK 1』を紹介いたします。
『ケンチクノ BCCK』はBCCKSアルファ館(今の電子書籍風味になる前のWeb上で本コンテンツが作れるサービスだったころのBCCKS)で2009年2月より毎日(!)更新され人気を博していた本で、建築家である松崎さんがケンチクにまつわる風景やそこに蓄えられた知恵、そして愛猫の麦くんとの生活などについて美しい写真とともに書かれた建築コラム集です。
アルファ館のほうの本も残っていてまだ読めますが、新BCCKS版はプレオープン時のコンテンツのひとつとしてBCCKSで再編集させてもらっていて、写真の構成や文章の組みなどが変更されております。個人的には(アルファ版は目にしてなかったのもありますが)、新BCCKS版もきれいでよい本になっていると思います。いろいろと悩んでいるうちに、床を透明にしてしまえということになった。そもそも視線的に見通せることと太陽の光を階下に透過させることが目的だったのだ。
伝統的工法と最先端技術との出会いが新しい家の様相をつくりだした。素朴っぽいような、未来っぽいような不思議な光景だ。見たことのない部屋ができた。
工事中に日除けのためのブルーシートを天窓に掛けたのだが、その瞬間、部屋中が水底の世界に変身した。
———『ケンチクのBCCK 1』より
本を読めばだれでもそう思うとおもいますが、建築家としての松崎さんの仕事やその松崎さんの信奉する日本の木造家屋とそれを作る職人の手仕事にはほんとうにほれぼれしてしまいます。松崎さんの写真や文章そのものもそうなんですが、とりたてて贅沢にしたり、奇抜にしたりせず、その場の本来の風景や素材を最低限の細工でかたちにすることが大切だという考えかたは建築に明るくない方でもうなずけるところだと思います。短いコラムが集まっているのでちょっとづつ読み進めて写真と文章を楽しめるのもいいですね。
※EPUBでも読んでみたい
■ボリュームの問題で分冊されたもののまだ1つしか出ていない『ケンチクノ BCCK』なので続刊されてほしいな(あと再発行してもらってEPUBにもなるといいな)という意味も込めてのご紹介でした。無料本なのでどなたもどうぞ。 -
『ケンチクノ BCCK 1』
matsuzaki出版発行
建築
2010.12.24
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2013-01-25
■はやくもネタ切れ感のある当書房今週のご紹介ですが、さいきんBCCKSを知っていただいた方むけにBCCKSにおいてはクラシックともいえる料理本を2冊あわせて並べておこうと思いました。吉田裕子『吉田屋とヒント』、kutsusita『KOCC』でございます。私の料理を支える力っていったいなんだろう? ただ単に好きだから、興味があるから、ということもあるけど、私にとっては「知りたい」ことが多い職業だからかもしれない。この仕事、どこまでやっても「知りたい」ことが終わらない。世界中の食材のこと、うつわのこと、さまざまな習慣、そしてそこに集まる人々。どこまでいっても「知りたい」ことが多すぎて、ずっと追い続けている。だからレシピ本を眺め、レストランに行き、旅に出る。
———『吉田屋とヒント』より
■(僕は残念ながら行ったことありませんが)美術や音楽、演劇関係者が京都を訪れたら上り新幹線と吉田屋どっちとるっていったら吉田屋でってくらいの旨さと知る人ぞ知る名店「吉田屋料理店」。この小さなお店の店主吉田さんの料理とそのまわりを綴った本が『吉田屋とヒント』です。これはBCCKSのシステムを使ったオンデマンド文庫レーベル「天然文庫」からの1冊で紙本も(えーと、ちょっとお高いですが)買えます。データ本だと420円でこれは安いでしょう! と自信を持って言うのは、電子書籍には珍しい、「かわいい!」本になってると思うんですよね。丁寧な編集がなされれば電子書籍もかわいくなれるというモデルケースとして読むとよいと思います。
※iPhoneだとこんな感じ。
ちゃんとかわいいでしょ。
本題に入ります。
焼きそばと言えばペヤング。美味しいペヤングの作り方です。
———『KOCC』より
■対極はかわいさレスの豪快料理本。 kutsusitaさんの『KOCC』は、大型中華鍋はあるけどコンロは1つしかない不思議なキッチンでアツアツの料理をジャッと仕上げる様子をコマ撮りで押さえた、1コンロクッキングの教則本とも呼べるような謎の料理本です。
1コンロだからといって手を抜くわけではまったくなく、鍋でご飯を炊くコンロの「横火」で冷凍タラバを融かしつつ、炊飯が蒸らしに入ればすかさずコンロをスープ鍋に切り替えスープ仕上げるといった高等テクの応酬。読むだけで料理がうまくなった気分になれるのがすごい。むしろ男子が燃える料理本と申せましょう。
ね。
夜中に一気に読んだりするといいと思います! -
『吉田屋とヒント』
天然文庫発行
料理・グルメ
2012.08.29
『吉田屋とヒント』
天然文庫発行
料理・グルメ
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演劇・音楽・美術界の隠れグルメ達が京都で必ずお世話になる「吉田屋料理店」の、10周年記念として作られた天然文庫初の料理本。女将「吉田裕子のどんぶりをドンッと置くそのさじ加減が人生の塩梅」かのごとく、吉田屋の細微な秘密に小さじ三杯分ほど近づける、レシピでは伝わらない料理の艶が詰まった一冊。
データ本:440円
紙本:2,057円
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『KOCC』
BccksPublish発行
料理・グルメ
2011.08.24
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2013-01-16
インターネットで音楽を買うことにすら抵抗があった。
音質が悪くたって、メロディーや音楽の良さや、プレイヤーの魂は変わらないよ、と思っていた。
私が今まで聴いてきたmp3というデータはこんなに味気の無いものだったのか...そう思った時、私の音楽鑑賞の概念は、ガラガラと崩れていった。
———『私がDSDで泣いた日』より
■今回は評価されるべきもなにもすでにランク上位の本ですが、先日ちょうどめでたく完結したということで念入りに紹介しておこうと思った『私がDSDで泣いた日』でございます。
前書きにもあるとおり、作者のふじもりさんは高音質音楽配信サイトOTOTOYのインターンをされていたところ、(本にも登場する竹中さんが両サービスの代表だというつながりで)たまたま話が持ち上がったBCCKSのテスト的編集ワークショップに参加することになり、そのなかで生まれたのがこの本です。いわゆるPCM音源とはまったく別のコンセプトで録音、再生を行うユニークで高音質の音声フォーマットDSD(Direct Stream Audio)の仕組みやその音源の魅力の正体を探るべく体当たりでインタビューした、ひとよんで『高音質女子本』!!!!!!竹中さん: 例えばですよ、一秒間に5の量の電気信号を送るとします。そのとき、PCMでは5の量の電気信号がそのまま送られるんですが、一方でDSDでは一秒の間に1の量を五回送っている、という方式なんです。
― あーあーあー!わかった!北斗の拳のケンシロウが、一度に5の力でドンって押すのか、細かく1の力でアタタタタ!って5回押してるかってことですね?
竹中さん: そうそう笑
———『私がDSDで泣いた日』より
※ 女子にmp3の説明するのにちゃんと99年のCマガ出してくる竹中さんかっこいいい
■DSDはまだ知る人ぞ知るフォーマットで試聴はもちろんmp3のようなPCM音源とどんなに違うかなんてこともふつうは興味ないという感じだと思うんですけども(かくいう僕も知らなかった)、「圧倒的な音に涙を落とした」というふじもりさん個人の体験と、その本人が企画に始まり取材、執筆、編集、イラストまですべてを仕上げたパワーとを強烈に感じる電子書籍としてはものすごく希有なこの本を読むと、興味なかったひとでもDSDになみなみならぬ興味がわいてくると思います。良コントラストな竹中さんとzAkさんというインタビューイのお話もいちいち細かくておもしろいのがいいですね。zAkさん: アナログってずっとそのままってわけじゃなくて、「劣化していく」行程があって...んーと、劣化じゃないね、『変化』だね。劣化って、基本的にはこの世界には無いんだよね。変化なわけでしょ?全て。
もしかしたら、人間は変化を常に感じていて、変化していないものに対して違和感を感じるのかもね、何でも。それがアナログとデジタルの違いなのかもね。
———『私がDSDで泣いた日』より
■先日完結したこの『私がDSDで泣いた日』の無料公開は1月中で終了して、その後は有料版や紙本の販売など別の形で展開していくそうです。というわけで今のうちにぜひ! -
『わたしがDSDで泣いた日』
発行
音楽
2013.11.08
『わたしがDSDで泣いた日』
音楽
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紙本はこちら!
http://bccks.jp/bcck/114215/info
2013年3月19日更新
iPhone App「DSD-1」(DSD再生アプリ)の登場を受けて、Q&Aの情報を更新しました!
…………………………
「DSDとmp3って何が違うの?」「高音質ってどういうこと?」等々、ふじもり さらによる等身大の知識欲に便乗し、豪華な二人の先生(竹中直純さん/zAkさん)による分かりやすい解説で「DSD」を学べるコラム。
ふじもり さら on twitter:@fujimorisaraデータ本:220円
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2013-01-09
「わたし、隣の素粒子研の者なんですが……、昨日のことは覚えていませんか?」
思い出した! いや、正確に言えば、思い出してはいないのだが、おそらくこういうことだろうという状況は分かった。これはマズい。非常にマズい。
———『時空間エンタングル』より
■『時空間エンタングル』はあたらしいBCCKSのかなり初期から公開されているSF長編の隠れた名作で、まずはこれを紹介したいなと。
どこまでが事実でどのへんがフィクションなのかもわからないような基礎物理学理論、専門用語および研究者の日常ネタの嵐、嵐、嵐。いわゆるSF読み的なリテラシーがないと読み進めるのが大変だったりするかもしれませんが、ある種のスペシャリストの日常とそこに舞い込んだ事件をめぐる物語という意味では話題の『Gene Mapper』に通じるとこもなくもないかな? クールな『Gene Mapper』とくらべるなら、『時空間エンタングル』は理系研究者っぽいルーズさと(自分の研究への)密やかな熱さがあわせて描かれるとこが魅力かなと思います。研究者というのは、大なり小なり、自分の研究に誇りを持っている。ただ、専門的なので、なかなかその内容を話す相手がいない。論文発表が一つの〝はけ口〟になるのだが、論文は製品であるから、そこに至った苦労話とかアイデアの生まれた瞬間の話とかは書かない。
だが、実はそこが面白い部分なのだ。学会での論文発表の席では寝ていてもいいから、後の懇親会には出ろ……というのは、そういう理由である。
研究者はそういう、〝専門的なバカ話〟にいつも飢えている。だから、相手が理解してくれそうだと認識すると、堰を切ったように色々と話が出てくる。今の俺が、ちょうどそういうタイミングだ。おそらく彼女もだろう。
———『時空間エンタングル』より
■もはや笑えるほどに一般人を置いてきぼりにした〝専門的なバカ話〟をぜひご堪能あれ。無料です! -
『時空間エンタングル』
AXION物理学研究所発行
SF・ホラー・ファンタジー
2012.12.20
『時空間エンタングル』
AXION物理学研究所発行
SF・ホラー・ファンタジー
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2012年12月20日更新
この世の終わりが来る前に更新……。
…………………………
とある研究都市にある、重力研究所。そこの地下施設で働く酒井の元に、素粒子研究所から、ひとりの女性が尋ねてくる。全く面識のない彼女から告げられたのは、謎の天体〈ゴースト〉を巡る、奇妙な共同研究の申し込みだった。データ本:無料
book List
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二代目ちょけ蔵碧玉選
midori
DAIKI出版
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♥ YES !! I ♥ CAN Coffee !
DAIKI
DAIKI出版
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ハウツー メルセデス・ベンツのバッテリー交換
DAIKI
DAIKI出版
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眠る男
熊沢里美
熊沢里美出版
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ケンチクノ BCCK 1
松崎 宏二
matsuzaki出版
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吉田屋とヒント
吉田裕子
天然文庫
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KOCC
kutusita
BccksPublish
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わたしがDSDで泣いた日
ふじもり さら
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時空間エンタングル
悪紫苑
AXION物理学研究所
doppac
どっぱくです。 http://doppac.cc/
book store
その他の書店
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「最近は、テキスタイルのことが分からないファンドが仕入に来るんだ。彼らは価格しか言わない。昔はメゾンが来ていたんだけどね」 数年前、イタリアでこんな話を聞いた。どこの国でも問題は同じようだ。ファストファッションが幅をきかせ、ファッションがつまらなくなっている。 経営は科学的に行わなければならない。小売価格は積み上げで決めるのではなく、顧客が買いたくなる価格を設定すべきだ。それはその通りなのだが、人間というのは変化に慣れてしまう。最初は新鮮な驚きを感じても、次第に何も感じなくなる。安い商品も同様だ。ユニクロがフリースのジャケットを出した時には、新鮮な驚きがあった。 驚きというのは感情だ。論理で驚くはずだ、と言われても、感じるのは感情。同じ刺激でも慣れてしまえば、全く驚かない。人生におけるファッションとは、人生に刺激を与え、驚きを与え、常に感性を新鮮に保つための装置ではないのか。 ファッションとアパレル製品は異なる。ファッションには心の動き、感動が含まれなければならない。それがあれば、きものもカーテンもファッションになり得る。料理もファッションだし、ビジネスもファッションだ。 そんなことを考えながら、まとめたのが本書である。 「きもの生活復権を考える」では、キモノ業界の人に読んでほしくて書いたものだ。きものは日本人の宝。だから、呉服業界の人は謙虚にきものに向き合ってほしい。そして、きものを理解してほしい。商売ばかりでなく、きものの心を分かってほしいのだ。 「クールパーク、ジャパン構想」は、「クールジャパンを輸出する」という人達に、「ちょっと待て」と言いたくて書いたものだ。クールジャパンは、結構いかがわしいもの。輸出するようなものではないでしょう。むしろ、観光と絡めて外国の方々にクールジャパンを体験して欲しいと思う。そして、いかがわしくも美しいクールジャパンを体験してほしい。 「リクルートスーツ考」は、「有名百貨店の入社式でスーツ禁止を提唱した」というので、「その意味を良く考えましょう」ということで書いたものだ。カジュアルとは何か、スーツとは何か。どうして日本のメンズファッションはスーツ比率が異常に高いのか。そんなことを考えつつ、リクルートスーツという日本独自の不思議な風習について解説している。 「おじさんのオバサン化計画」は、おじさんを幸せにする秘訣を書いたものだ。シニアになっから、おじさんもオバサンになりましょう。人生変わるよ、という提言です。 「脳表紙の時代」「心を動かすマーケティング」は、売れない時代の処方箋とでもいうべき内容になっている。ビジネスパーソンは、豊かな感情、感性を忘れがちだし、日本人は感情を抑えようとする。感情は抑えるものではなく、コントロールするものだと思う。ある時は解放し、ある時にはボリュームを低くする。抑えてはいけない、というか、抑えると人生がつまらなくなる。ビジネスも商品もショップもつまらなくなる。そんな停滞状況を打破するのがファッションなのだ。 私が文章を書くのは、「誰かに何かを伝えたい」という衝動がベースになっている。世間は分かっていないからアクションを起こさないのではない。分かっていても何もしないのだ。しかし、正しい意見を持つ人が「自分の考えが間違っているのではないか」と不安に陥ってしまうことがある。そういう人のために書いている。あなたの考えは間違っていない。だから、一人でもできることから共にアクションを起こそう。 本書は、有料メルマガ「j-fashion journal」(http://www.mag2.com/m/0001355612.html)のコンテンツをまとめたものだ。その後、数カ月遅れで私のブログ(http://j-fashion.cocolog-nifty.com/jfashion/)にも紹介している。したがって、コンテンツそのものは無料で読んでいただくことができる。しかし、プログまで行って、わざわざバックナンバーを読む人はほとんどいない。それに、こうして電子書籍という形にまとめることで、新たな作品になる。創造、生産、編集、流通のそれぞれの段階で創造性が問われるのはファッションと同様だと思う。
- データ本
- 220円
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「グローバル」という言葉は難しい。「グローバルスタンダードなんてない。あるのはアメリカンスタンダードだ」という意見もある。しかし、グローバルとアメリカンの違い以上に、日本のドメスティックは特殊である。 日本で仕事をしていても、「???」ということがよくある。理屈に合わないのだ。私にとって、日本は不思議な国だ。日本人なのに、海外の仕事のやり方の方が納得できる。しかし、そのやり方を日本国内で通すには非常にやっかいな問題が多い。 海外ビジネスで成功している人は、何かしら日本社会からこぼれてしまった人ではないか。逆に日本の企業社会に染まった人にとって、海外ビジネスは非常に困難なようだ。 中国で苦戦している日本企業は、日本の手法をそのまま中国にあてはめていることが多い。中国で成功している企業は、現地に柔軟に合わせて、日本のやり方に固執しない。そんな様子を見ていると、やはり、海外でビジネスするには、ある程度の訓練というか、発想の転換が必要なのではないか、と思うのだ。 「グローバルなビジネスに挑戦する心構え」は、そんなことを念頭に置きながらまとめたものだ。簡単に言えば、「日本の常識は海外の非常識」という内容である。 「グローバルビジネスのトレーニング」は、今流行りの「グローバル人材を育成するためのポイント」について考えたものだ。ここでは語学トレーニングには触れていない。グローバル人材というと、反射的に「語学が大切」となる。もちろん、語学は大切だ。それを否定するわけではない。しかし、英語ができれば、グローバル人材というわけでもあるまい。それなら、英語圏の人達は皆グローバル人材だ。 日本人で日本語が話せても、仕事のできる人材とできる人材がいる。その違いは何なのか、という視点が重要ではないだろうか。 「『製造業+輸出』発想からの脱却」は、「ビジネスは柔軟に考えましょう」という提言になっている。一時期、「円高が続くと日本経済は破綻する」と言われたものだが、結果的に残る企業は残っている。「日本の製造業が空洞化すると日本経済は破綻する」と言っていた人もいる。確かに、日本国内製造業は淘汰が進んだが、反面、中国生産で利益を上げている企業もある。 また、輸出ができなくても、観光で生きるという選択肢もある。輸出するのではなく、買いにもらう、という発想である。私は、「ビジネスとはどんな環境変化でもやりようはある」と思っている。環境変化に合わせて、自分を変えていけばいいのだ。問題は、自分の仕事を変えたくないという人、既得権を離したくない、という人が多いということである。 「Made in Japanを訴求するブランド」は、ファッションとテキスタイルの連携、デザイナーの新しいビジネスモデルについて提案している。私自身、ここで紹介しているプロジェクトについて、実現させたいと強く願っている。しかし、機が熟していないのか、私の情熱が弱いのか、今だ実現していない。もし、読者の中で挑戦したいという人がいれば、ご一報いただきたい。一緒にチャレンジしましょう。 「日本から高級ブランドを発信しよう」は、「日本でなぜ高級ブランドが生まれないのか」について解説している。解説しているだけでなく、みなさんに理解していただき、高級ブランドに挑戦して欲しいという願いがこもっている。「ブランド」とはライセンス権を取ってくるものではなく、それぞれの国、企業、個人の思想、文化、価値観を結晶化させたものだと思う。日本から高級ブランドが発信できないわけはない、と思っている。 本書は、有料メルマガ「j-fashion journal」(http://www.mag2.com/m/0001355612.html)のコンテンツをまとめたものだ。その後、数カ月遅れで私のブログ(http://j-fashion.cocolog-nifty.com/jfashion/)にも紹介している。したがって、コンテンツそのものは無料で読んでいただくことができる。しかし、プログまで行って、わざわざバックナンバーを読む人はほとんどいない。それに、こうして電子書籍という形にまとめることで、新たな作品になる。創造、生産、編集、流通のそれぞれの段階で創造性が問われるのはファッションと同様だと思う。
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まだ人生に困ってるあなたに! 大人になることを皆さんはどう思っているだろう。 人は自分の人生がどうなるかを期待しながらも、大人への抵抗もあるかもしれない。どんなタイミングで、「これから新しい人生に一歩を踏み出す」「これからの人生も頑張る」など自発的に、未来のことを期待することができるか。この本は三人の作者が自分の出来事や一から創作した小説のそれぞれを読んでもらい、自分の未来を考えてほしい。 友人と理解し合わなくても、その一緒に過ごす時間が好きであれば、それでもいいじゃない? 人間関係や自分の悩みを無くすために、一番いい解決策は何だろう? 趣味のなかった自分がどのように趣味を探しながら明日を迎えるか? 家族が自分のことを理解できない場合、感染症拡大防止のせいで友達となかなか会えない場合、就職が上手く行けない場合、などなど。完璧な人生はない。他人と比べないで、自分のままで生きていくことを、この本を通して一番伝えたい。人生の転換点はいくつかある。例えば、高校から大学への時期、就職の時期、結婚の時期などがあげられる。こんな時期に無理せず、迷わないためのアドバイスとして、この本を勧める。 久方しづ子 著「デイセッション」 雪 著「無理せず程よく生きるということ」 マッチョ 著「人生を明るくするには」
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